1943(昭和18)年、東京生れ。中央大学法学部卒。1966年博報堂に入社。1980年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1987年『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1997(平成9)年6月に博報堂を退職、作家業に専念する。他に『百舌シリーズ』『イベリア・…もっと読む
- 『秘密諜報員ベートーヴェン』(新潮社)逢坂 剛
恋文を装った政敵情報の通信文音楽史上、もっとも論争のにぎやかな事件の一つに、ベートーヴェンの〈不滅の恋人〉問題がある。死後、ベートーヴェン…
書評 - 『蝿の帝国―軍医たちの黙示録』(新潮社)逢坂 剛
軍医を通じて描く戦争の悲惨戦記ものの中でも、あまり取り上げられることのない、軍医を主人公にした連作短編集である。この本を書くために、著者は…
書評 - 『芸術を愛する一修道僧の真情の披瀝』(岩波書店)逢坂 剛
再読三読『芸術を愛する一修道僧の真情の披瀝』ヴァッケンローダーはわずか二十五歳で夭逝したが、ドイツ浪漫派の精神そのものといってよい人である…
書評 - 『封印 ――警官汚職』(角川書店(角川グループパブリッシング))逢坂 剛
緊張感みなぎる組織と組織の対立先般、郵便不正事件の無罪判決を発端に、大阪地検特捜部の失態と不祥事が、相次いで明らかになった。その真っただ中…
書評 - 『白樫の樹の下で』(文藝春秋)逢坂 剛
今年度の、松本清張賞の受賞作である。小普請組の御家人、村上登は提灯(ちょうちん)貼りの内職で家計を助けながら、佐和山道場で代稽古を務めてい…
書評 - 『銀狼王』(集英社)逢坂 剛
探偵と犯人さながらの知恵比べ人間と動物、ことに熊や狼(おおかみ)との戦いの物語は、古今東西を通じて数が多い。明治20年の北海道を舞台に、人知…
書評 - 『赤い糸の呻き』(東京創元社)逢坂 剛
事件を解決に導く推論の応酬カルトなファンが多い本書の著者は、ミステリーに本来なじまないSF的な展開や、超論理的解決を持ち込んだことで、評価が…
書評 - 『死のテレビ実験---人はそこまで服従するのか』(河出書房新社)逢坂 剛
視聴者への影響力、綿密に分析これは、テレビの持つ危険性に警鐘を鳴らす、きわめて刺激的な本である。現実の暴力事件に対して、しばしばテレビの暴…
書評 - 『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』(新潮社)逢坂 剛
落語のリズムで苦闘時代を再現いわば、この本自体が一席の落語であり、人情咄(ばなし)である。わたしは、子供のころから落語が好きで、よく寄席に…
書評 - 『GEQ』(角川書店)逢坂 剛
大地震めぐる虚実皮膜の世界この本は、読み方によって問題作と評価する人と、単なるキワモノと切り捨てる人の、2種類に分かれるだろう。冒頭、1995…
書評 - 『桃色東京塔』(文藝春秋)逢坂 剛
刑事の男と女、自己再生の物語一般に、警察小説といえば男性作家を想起するが、実は女性作家にも書き手はいる。本書の著者も、その一人である。この…
書評 - 『トライアウト』(光文社)逢坂 剛
ドラマ引き立てる個性的な脇役主人公は、新聞社に勤める未婚の母、久平(ひさひら)可南子。かつて、社会部に在籍中スキャンダルに巻き込まれ、内勤…
書評 - 『絆回廊 新宿鮫Ⅹ』(光文社)逢坂 剛
終局へ、感情の起伏を繊細に描写新宿鮫が、5年ぶりに帰ってきた。シリーズ第10作となる。シリーズものの小説には、読者にとっておなじみの登場人物…
書評 - 『ガダルカナルの地図―ガ島戦錯誤の進撃路』(角川書店)逢坂 剛
著者は昭和五十七年に『無冠の疾走者たち』で第九回日本ノンフィクション賞を受賞した、実力派のノンフィクション・ライターである。終戦前後に生ま…
書評 - 『この命、義に捧ぐ~台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡~』(集英社)逢坂 剛
果断を下した武人の数奇な人生ここに取り上げられたのは、一般にはほとんど知られていない元陸軍中将、根本博の数奇な人生である。1945年8月15日、…
書評 - 『あとより恋の責めくれば 御家人南畝先生』(集英社)逢坂 剛
色恋や所帯の雑事に悩む中年男蜀山人こと大田南畝は、一般に狂歌師として記憶されることが多いが、随筆や紀行、考証、あるいは逸文編纂(へんさん)…
書評 - 『写真で見る ヒトラー政権下の人びとと日常』(原書房)逢坂 剛
ビジュアル駆使して罪悪を描く第2次世界大戦が終わってから、すでに65年が過ぎようとしている。年数だけからいえば、太平洋戦争を含むこの大戦は、…
書評 - 『ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利』(国書刊行会)逢坂 剛
珍重すべきミステリーの古典まことに珍重すべき、ミステリーの古典である。著者はコナン・ドイルと同時代の作家で、ホームズもののパロディーを書い…
書評 - 『マデックの罠』(評論社)逢坂 剛
生き残りかけた砂漠の攻防本書は20年ほど前、1度翻訳されたことのある旧作だが、このほど改訳新版として復刊された(ALL REVIEWS事務局注:本書評執…
書評 - 『ラスト・チャイルド』(早川書房)逢坂 剛
双子の妹を少年が執念の捜索著者のジョン・ハートは、デビュー作『キングの死』で米国探偵作家クラブ賞最優秀新人賞の候補に残り、次作の『川は静か…
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