1943(昭和18)年、東京生れ。中央大学法学部卒。1966年博報堂に入社。1980年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1987年『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1997(平成9)年6月に博報堂を退職、作家業に専念する。他に『百舌シリーズ』『イベリア・…もっと読む
- 『仔羊の頭』(現代企画室)逢坂 剛
スペイン内戦の悲惨、鋭く描くスペイン内戦がらみの小説は、ヘミングウェイやマルローが傑作を書いたが、当のスペイン作家の作品は政治的な事情もあ…
書評 - 『抱影』(講談社)逢坂 剛
目がくらむほどのハードボイルド北方、14年ぶりの書き下ろしは、これまでと一味違うハードボイルドもの。主人公の硲(はざま)冬樹は、横浜でいくつ…
書評 - 『情報戦に完敗した日本―陸軍暗号”神話”の崩壊』(原書房)逢坂 剛
すでによく知られていることだが、太平洋戦争のさなか山本五十六元帥の搭乗機が敵機に撃墜されたのは、元帥の視察飛行を伝えるわが海軍の暗号電報が…
書評 - 『真夜中の遠い彼方』(集英社)逢坂 剛
佐々木譲は数年前『鉄騎兵、跳んだ』でオール讃物新人賞を受賞し、清新なデビューを果たした作家である。最近ふえてきたコピーライター出身の一人だ…
書評 - 『アボリジニーの国―オーストラリア先住民の中で』(中央公論社)逢坂 剛
北米のインディアン、スペインや東欧のジプシー、日本のアイヌ民族、そしてオーストラリアのアボリジニーなど、少数民族の問題は文明社会の取り組む…
書評 - 『読めない遺言書』(双葉社)逢坂 剛
独白の挿入が独特のリズムに著者は、2年前の〈小説推理新人賞〉の受賞者で、本書が初めての長編になる(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2012…
書評 - 『マックイーン―最後のヒーロー』(早川書房)逢坂 剛
久し振りに「一読巻を措くあたわざる」本に出会った。この本は題名からも分かるように、五年前に癌で死んだ俳優スティーブ・マックイーンの伝記であ…
書評 - 『楽園を求めた男―私立探偵カルバイヨ』(東京創元社)逢坂 剛
珍しいスペインの現代小説が翻訳された。この分野の翻訳は意外なほど少なく、二年ほど前にスペイン人が創業した西和書林が、ラモン・センデールの『…
書評 - 『レッド・ドラゴン』(早川書房)逢坂 剛
これは一口で言うと、非常に怖い小説である。アイデテカー(直感像所有者)という、一種の超能力を備えたFBIの捜査官ウィル・グレアムは、鋭い直感を…
書評 - 『カディスの赤い星』(講談社)逢坂 剛
自作再見『カディスの赤い星』この作品は、わたしが作家になって六年たった、一九八六年の夏に出版された。長編、短編集を含めて、八冊目の本だった…
自著解説 - 『死の盗聴』(河出書房新社)逢坂 剛
河出書房新社は昨年、アメリカン・ハードボイルド・シリーズと銘打って、大部分が未訳のハードボイルド探偵小説全十巻を、逐次翻訳刊行し始めた。本…
書評 - 『38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェノヴィーズ事件の真相』(青土社)逢坂 剛
無関心の是非を問いかけ夜中に、近所で悲鳴が聞こえたら、あなたはどうするだろうか。すぐに警察に通報するか、それともふとんをかぶって、知らぬふ…
書評 - 『『マルタの鷹』 講義』(研究社)逢坂 剛
ミステリー分析 目からウロコ中学生だった1950年代後半、初めて『マルタの鷹』を読み終わったときの高揚感は、今でも忘れられない。当時は、ハメッ…
書評 - 『下町ロケット』(小学館)逢坂 剛
大企業と対決、職人集団の誇り同じ著者による、昨年の吉川英治文学新人賞受賞作『鉄の骨』の系列につながる、中小企業と大企業の対決をテーマにした…
書評 - 『氷海のウラヌス』(祥伝社)逢坂 剛
最終海戦の場面、出色の迫力1941年の秋、日米開戦を目前に控えた日本は、開戦した場合に三国同盟の同盟国、ヒトラー・ドイツを戦いに引き込むべく、…
書評 - 『北西の祭典 (セルバンテス賞コレクション)』(現代企画室)逢坂 剛
新鮮な比喩、生々しい皮膚感覚第2次大戦直後の1948年、20代前半でデビューした本書の著者は、2010年にスペインでもっとも権威ある文学賞の一つ、セ…
書評 - 『あなたが愛した記憶』(集英社)逢坂 剛
超常現象支える細部の現実感この著者の作風は、まことに多彩である。警察小説もあり、スプラッターもあり、青春小説もありと、なんでもござれの才筆…
書評 - 『ロスジェネの逆襲』(文藝春秋)逢坂 剛
粘りと不屈の精神、本領発揮バブル期に銀行マンになった、半沢直樹・金融シリーズの3作目に当たる。今回は、バブルがはじけたあと入社した、ロスジ…
書評 - 『惜櫟荘だより』(岩波書店)逢坂 剛
修復への好奇心、細部も活写著者は、雌伏の時期が長かったが、今や華ばなしく雄飛した。本が売れないこの時代に、同世代の作家としてまことに喜ばし…
書評 - 『147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官』(講談社)逢坂 剛
ウジのコカイン、犯人への路程昨年度、江戸川乱歩賞を受賞した、2人の女性作家のうちの1人、川瀬七緒の受賞後初の長編。物語は、放火事件による女の…
書評