1960(昭和35)年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学・同大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。中世政治史、古文書学専攻。史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当。著書に『天皇はなぜ生き残ったか』『戦国武将の明暗』など。もっと読む
- 『原寸復刻「浪花百景」集成: One Hundred Views of Naniwa』(創元社)本郷 和人
時代の転換点を迎えた幕末の大坂を描く労作大坂の歌川派絵師3人の合作である中判錦絵、「浪花百景」を原寸大で鮮やかに復刻したのが本書である。「…
書評 - 『もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年』(中央公論新社)本郷 和人
過去から現在に至る精神のありようを探る「真景 累ヶ淵」など怪談噺でも知られる大名人・三遊亭円朝は「(文明)開化先生方」と皮肉ったそうだ。私…
書評 - 『暗殺の幕末維新史-桜田門外の変から大久保利通暗殺まで』(中央公論新社)本郷 和人
殺さねば解決できない維新期の暗黒に迫る森鷗外の初めの妻が、造船術に詳しい海軍中将・赤松大三郎(則良)の娘と知り、ああ彼は出世したのだなあ、…
書評 - 『もっこすの城 熊本築城始末』(KADOKAWA)本郷 和人
日本一の城造りに生涯を懸けた武士伊東潤の歴史小説に向きあうとき、わたしはいつも大きな期待とともにページをめくる。そして裏切られたということ…
書評 - 『ちよぼ: 加賀百万石を照らす月』(新潮社)本郷 和人
加賀百万石の存続を支えた女性の生きざま歴史研究者である私は、完膚なきまでの敗北を喫した。加賀百万石は、一般には「利家とまつ」の物語で知られ…
書評 - 『異聞浪人記』(河出書房新社)本郷 和人
二つの時代を生きた侍たちの葛藤と悲劇滝口康彦の傑作短編が文庫化された。表題作の「異聞浪人記」(「切腹」として映画化)は半世紀以上前のものだ…
書評 - 『新選組粛清録』(河出書房新社)本郷 和人
正義の剣客集団による非道な所業の実態とは科学としての歴史学は、「精度の高い証拠」に基づかねばならない。「精度の高い証拠」とは事件や事象と同…
書評 - 『上杉謙信』(吉川弘文館)本郷 和人
学問的な理解を重んじ故郷の英雄を真摯に描く著者・山田邦明さんは、新潟県出身。私が大学で中世史を学び始めたときに大学院に進学されていて、その…
書評 - 『愛犬の日本史: 柴犬はいつ狆と呼ばれなくなったか』(平凡社)本郷 和人
希少史料を丹念に集め人と犬の関わりを探る縄文時代、犬は獲物を狩ってくれた。弥生時代、犬は集落の警護役として、稲の実りを狙うサルを撃退してく…
書評 - 『ドタバタ関ヶ原』(柏書房)本郷 和人
武将たちの人間くささを新たな知見と共に活写関ヶ原の戦いには、天下分け目と称されるにふさわしく、いろいろな問題点があり、エピソードがある。本…
書評 - 『陽眠る』(角川春樹事務所)本郷 和人
敗れ去る覚悟を持ち確固たる信念を貫く昭和17年のミッドウェーでの敗北において、柳本柳作大佐・加来止男大佐は、艦長を務める空母蒼龍・飛龍がアメ…
書評 - 『古写真で見る幕末の城』(山川出版社)本郷 和人
武士の世の象徴である城の栄枯盛衰を思う会津の白虎(びゃっこ)隊の悲劇はあまりにも有名である。飯盛山から鶴ヶ城が燃えるのを見た少年たちは、そ…
書評 - 『商う狼: 江戸商人 杉本茂十郎』(新潮社)本郷 和人
世間に疎まれ揶揄され突き進む反骨の改革者近江商人は「三方よし」を信条として商いに励んだという。「買い手よし 売り手よし 世間よし」。購買者は…
書評 - 『立花三将伝』(講談社)本郷 和人
激しい勢力争いの中、何を思って戦ったのか戦国武将で一番強いのは誰? むろん歴史好きの他愛もない雑談だが、この時に決まって出るのが、北九州や…
書評 - 『椿井文書―日本最大級の偽文書』(中央公論新社)本郷 和人
明らかな偽文書がなぜ今も「生きて」いるのか確実な歴史資料=史料に依拠して、説得力ある解釈をし、論理的に仮説を構築する。かかる手順が歴史研究…
書評 - 『天下取』(光文社)本郷 和人
動乱の世の苦しみに耐え、強く静かに生き抜いた甲斐は山間の国である。戦国時代の石高は20万石ほど。山の恵みがあって金も採掘されたが、尾張や美濃…
書評 - 『図典「大和名所図会」を読む: 奈良名所むかし案内』(創元社)本郷 和人
江戸の“旅行ガイド”で旅気分を味わうもよしこのコラムは歴史絵画を好んで取り上げてきた。その理由は「百聞は一見にしかず」。どんなに言葉を尽くし…
書評 - 『モノのはじまりを知る事典』(吉川弘文館)本郷 和人
社会の変化とともに生まれ、消えるモノ室町文化は、それまでの貴族や上流武家が「ハレの日」、すなわち特別な日を意識した文化とは異なり、さまざま…
書評 - 『本当の武士道とは何か 日本人の理想と倫理』(PHP研究所)本郷 和人
命を賭して戦う男たちが現場で生みだした思想口舌の徒は信用できない、という感覚をかつての武人は持っていた。織田信長は若手をまず実戦に投入した…
書評 - 『戦国、まずい飯!』(集英社インターナショナル)本郷 和人
まずいをうまいに変えた たかが塩、されど塩徳川家康と配下の諸将が、酒を飲みながら「一番うまいもの」について語り合っていた。こう調理した鳥だ…
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