1960(昭和35)年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学・同大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。中世政治史、古文書学専攻。史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当。著書に『天皇はなぜ生き残ったか』『戦国武将の明暗』など。もっと読む
- 『人とことば: 人物叢書別冊』(吉川弘文館)本郷 和人
まことしやかな伝説の真偽がここに明らかに豊臣秀吉の軍師であった黒田官兵衛は、死に臨んで子息の長政を呼び、草履の片方と下駄(木履(ぼくり))…
書評 - 『秘蔵古写真 紀行』(山川出版社)本郷 和人
人々が肩を寄せ合い暮らしていたさまを思う幕末から明治初年にかけて、多くの外国人が「未知の国」日本にやって来た。その中には写真家も含まれてい…
書評 - 『戦国大名の兵粮事情』(吉川弘文館)本郷 和人
武士たちはいかに食べ戦ったか戦争は戦術・戦略・兵站の3要素から成る。戦術とは戦場でどういう作戦をとるかであり、戦略とは政治や外交を含む幅広…
書評 - 『かんばん娘 居酒屋ともえ繁盛記』(KADOKAWA)本郷 和人
悲喜こもごもを酒で流し肩を寄せ合って生きる田沼意次(おきつぐ)が政治の実権を握っていた頃、神田花房町(はなぶさちょう)(東京・秋葉原のあた…
書評 - 『はたらく浮世絵 大日本物産図会』(青幻舎)本郷 和人
江戸の産業の活発さとはたらく楽しさを写す本書は『大日本物産図会』を「はたらく」人々の視点から再構築した読み物である。『大日本物産図会』は日…
書評 - 『江戸落語で知る四季のご馳走』(平凡社)本郷 和人
足るを知る先人たちの生きる息吹を感じる江戸後期に始まった落語を通じ、四季折々の江戸っ子のご馳走を描く本。旬を食する春は「長屋の花見」を取り…
書評 - 『京都の謎〈戦国編〉』(祥伝社)本郷 和人
秀吉や家康の「なぜ」を深く考える楽しさがある2018年つまり一昨年のこと。静岡市の駿府城・天守台付近の発掘調査で、300点以上の金箔を貼った瓦が…
書評 - 『信長家臣明智光秀』(平凡社)本郷 和人
謎めいた人物の生涯に高度な実証史学で肉薄私たちが社会的人間として日常を送るときに必要不可欠なのは、確かな根拠に基づき考え、行動すること。い…
書評 - 『大名の『お引っ越し』は一大事!? 江戸300藩「改易・転封」の不思議と謎』(実業之日本社)本郷 和人
倒産と引っ越しによって財を失ったあの人この人私が勤務する史料編纂(へんさん)所は明治時代から各地の古文書の写し(コピー)を「影写本」というか…
書評 - 『日本史の黒幕』(中央公論新社)本郷 和人
豊かな歴史学を形作る碩学の融通無碍な鼎談そうだ、これだよ、懐かしいなあ。会田雄次、小松左京、山崎正和。3人の碩学(せきがく)の1976~78年の鼎…
書評 - 『秘蔵古写真 江戸』(山川出版社)本郷 和人
伝承と物語の共有が町を維持する秘訣なのだ本書は古写真集である。幕末・明治初期の写真師、下岡蓮杖(れんじょう)、横山松三郎(まつさぶろう)、内田…
書評 - 『江戸文化いろはにほへと――粋と芸と食と俗を知る愉しみ』(亜紀書房)本郷 和人
辛く苦しい時代に花開いた庶民文化東京・浅草に「駒形どぜう」という名店がある。創業は11代将軍・徳川家斉の1801年というから200年以上も暖簾を守…
書評 - 『八本目の槍』(新潮社)本郷 和人
異なる道を選びながらも主君に尽くす若者の気概賤ケ岳(しずがたけ)の七本槍(しちほんやり)。羽柴秀吉が柴田勝家を破った賤ケ岳の戦いの時に、秀吉の…
書評 - 『東大名誉教授がおしえる やばい世界史』(ダイヤモンド社)本郷 和人
歴史を創るも変えるも一人一人の人間しだい私は勤務先の東大史料編纂(へんさん)所主催で、「日本を変えた人物10人」という全10回のリレー講座を企画…
書評 - 『将軍家康の女影武者』(新潮社)本郷 和人
武将たちを陰で支える女性の秘められた戦い経済的に十分な余裕があり、しかも一夫多妻が許されている。そういう状況であれば、男子たる者、華やかな…
書評 - 『家康謀殺』(KADOKAWA)本郷 和人
作家の想像力と観察力で戦国の世を活写する信長・秀吉・家康の周囲に着想を得た6本の物語が並ぶ。そのどれもが真正面から時代に取り組む、堂々たる…
書評 - 『将軍の子』(文藝春秋)本郷 和人
父に認められない子の堂々たる成長を描く水戸の徳川光圀、岡山の池田光政、それに会津の保科正之を「江戸初期の三名君」と呼ぶ。光圀は『大日本史』…
書評 - 『空襲で消えた「戦国」の城と財宝』(平凡社)本郷 和人
失われたものの尊さに改めて思いを馳せる尾崎士郎に関ケ原の戦いを描いた『篝火(かがりび)』という小説があって、尾崎が大垣城(三成方が本営を置い…
書評 - 『秘蔵古写真 幕末』(山川出版社)本郷 和人
自分に対してだけでなく時代への責任感があった本書は日本カメラ博物館が収集した幕末の古写真を集めたものである。まずは「黒船来航と日本人漂流民…
書評 - 『諡-天皇の呼び名』(中央公論新社)本郷 和人
文字の意味の重さを改めて知らしめる皇室典範の規定に従うならば、天皇陛下がお隠れになることによって元号が変わり、先の元号は亡くなられた天皇陛…
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