1960(昭和35)年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学・同大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。中世政治史、古文書学専攻。史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当。著書に『天皇はなぜ生き残ったか』『戦国武将の明暗』など。もっと読む
- 『仏像の光と闇』(水王舎)本郷 和人
仏像は呪力で敵を滅ぼす兵器でもあったのか仏像とは仏教の「仏さま」の姿を造形したものである。仏さまは私たち衆生を救ってくれる、慈悲深き超越者…
書評 - 『江戸暮らしの内側-快適で平和に生きる知恵』(中央公論新社)本郷 和人
明日への希望によって庶民の社会が成立した人間は時間軸にそって暮らしやすさを獲得していくのだと、ぼくは考えている。古代はロマンだと過大評価す…
書評 - 『粋を食す 江戸の蕎麦文化』(天夢人)本郷 和人
江戸っ子は蕎麦を粋な食べ物に育て上げた新年早々、妙なニュースにモヤモヤした。一代で財を成した。敬服のほかない。美女のハートを射止めた。女性…
書評 - 『桜狂の譜 —江戸の桜画世界』(青幻舎)本郷 和人
儚く咲く美しさに取り憑かれた絵師たち高校の古文で習った。平安時代以来、「山」といえば比叡山延暦寺、「寺」は三井寺(みいでら)。同様に「花」と…
書評 - 『彼らは生きていた —いま甦る室町~江戸絵画集—』(鳥影社)本郷 和人
絵を見る我々読者は試されているのか日本のみならず海外でも評価が高まっている、室町時代から江戸時代にかけての絵画を集めた書籍。広島の原爆で失…
書評 - 『かたづの!』(集英社)本郷 和人
内部抗争にのまれず気高く生きる女性大名義弟が弘前で仕事をしているので、弘前と八戸に微妙な確執があることを彼から聞いてはいた。歴史研究者とし…
書評 - 『歴史という教養』(河出書房新社)本郷 和人
自由に生きる糧となる学びを自ら求めていく本書は真の「歴史教養書」である。「教養書」とは「人が自由人になって自由な視野を持って世の中をこぎわ…
書評 - 『復元CG 日本の城』(山川出版社)本郷 和人
かなりのリアルさで、どんな城好きも満足一口に「城が好き」といっても、二通りあるようだ。一つは建築系、一つは土木系。建築系・城マニアは、天守…
書評 - 『モスクへおいでよ』(小峰書店)本郷 和人
なぜこんなにも急速に16億人の心をつかんだか伝統ある宗教は人間の深奥を探求する哲学を内包していることが常であり、私たちに多くのことを教えてく…
書評 - 『駄犬道中こんぴら埋蔵金』(小学館)本郷 和人
ホームドラマに冒険活劇 皆でお宝を探し出せ!待ってました! 先のお伊勢さま「おかげ参り」に続いて、今回は「こんぴらさま」だ!「こんぴらさま」…
書評 - 『こころはどう捉えられてきたか』(平凡社)本郷 和人
道徳も政治も届かない深層で震えるもの不倫はほめられた話ではない。だが昨今、ベッキーさんや乙武さんが追い詰められていくさまを見ていて、私は少…
書評 - 『大江戸御家相続 家を続けることはなぜ難しいか』(朝日新聞出版)本郷 和人
短命な大名が続けば家臣は路頭に迷うのだ本書はお家が存続するために、徳川家をはじめとする江戸時代の大名たちが、いかに知恵を絞り尽力したかを教…
書評 - 『真説 真田名刀伝』(角川春樹事務所)本郷 和人
歴史に埋もれた人間の生き様を活写する大河ドラマ「真田丸」が好調な真田一族は、信濃国の名門たる滋野氏(しげのうじ)の子孫ということになってい…
書評 - 『幕末 暗殺!』(中央公論新社)本郷 和人
たしかな手腕で読者層を広げる試み平成28年春、というから今から2年前。歴史時代小説界に風穴を開けることを目的として、新進気鋭の作家たちが新し…
書評 - 『ポンコツ武将列伝』(柏書房)本郷 和人
優秀でも剣豪でもないが家臣たちは見捨てない仕事ができるわけではない。人間的な魅力にあふれていて、他社さんとの会合には欠かせないか、というと…
書評 - 『三国志名臣列伝 後漢篇』(文藝春秋)本郷 和人
時代による言葉の差異を物語に生かす手腕が光る同じ言葉で表記していても、時代が変われば中味は大きく変わる。たとえば鎌倉「幕府」と江戸「幕府」…
書評 - 『敗れども負けず』(新潮社)本郷 和人
「普通の」人生への判官びいきを超えた共感判官(ほうがん)びいきという言葉がある。左衛門少尉(高級警察官僚)を判官といい、同職に任じた源義経…
書評 - 『本懐』(光文社)本郷 和人
切腹は“達成”であり次の歴史を作っていくあれ?と首をかしげた。本書には「まえがき」がある。小説にしては珍しいと思いながら読んでみると、切腹に…
書評 - 『修羅の都』(文藝春秋)本郷 和人
優しいだけでは無力 修羅にならなくては私は一応、鎌倉時代の政治史、また鎌倉幕府の根本資料である『吾妻鏡』の専門家の一人である。だが、北条政…
書評 - 『大友二階崩れ』(日本経済新聞出版社)本郷 和人
「義」に忠実な家臣の家督をめぐる攻防戦親が長男に財産を譲る。ところが何らかの理由があって、「やっぱりなかったことに」といって、その財産をた…
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