小社は1857年(安政4)の創業以来、人類誕生から現在に至るあらゆる分野の歴史・文化にかかわる出版を中心に歩んでまいりました。この間、明治・大正の『古事類苑』、昭和の『新訂増補国史大系』、昭和・平成の『国史大辞典』など、時代を画する叢書・辞典を出版し、また『人物叢書』や『歴史文化ライブラリー』などの定…もっと読む
- 『温泉旅行の近現代』(吉川弘文館)高柳 友彦
日本人の誰しもが一度は経験があり、嫌いな人はいないであろう温泉旅行。今や世界に誇る日本文化の一つといっても過言ではないが、観光・レジャーの…
前書き - 『松陰の本棚: 幕末志士たちの読書ネットワーク』(吉川弘文館)岸本 覚
読書論から吉田松陰の思想を描く初の試み―幕末維新期の新たな地平が開かれる―人生のなかで最も重要な時期のほとんどを投獄・幽囚のなかで過ごさなけ…
書評 - 『〈洗う〉文化史: 「きれい」とは何か』(吉川弘文館)島村 恭則
人間は「清める動物」産学協同というと理系の専売特許のように思われるが、人文系でも成功するケースがある。石鹼(せっけん)、洗剤、化粧品で知ら…
書評 - 『外来植物が変えた江戸時代: 里湖・里海の資源と都市消費』(吉川弘文館)田中 周平
影響、役割を科学的につかむ本書は、江戸時代の人々による外来植物の導入が琵琶湖、八郎潟、浜名湖、三河湾、瀬戸内海、奄美大島の珊瑚礁に及ぼした…
書評 - 『沖縄戦の子どもたち』(吉川弘文館)藤原 辰史
暴力の連鎖の最終地点で散る命1945年3月26日、総兵力18万人の米軍は慶良間諸島に上陸。そこで集団自決が起こる。「背中から刺し殺し、子どもは肉が…
書評 - 『恋する日本史』(吉川弘文館)福留 真紀
歴史学、「恋」をひも解く-行間から滲み出す多様な恋愛のあり方-史料を論理的に分析する「歴史学」が、それらとは対極にあるような「恋」をどう語…
書評 - 『生きつづける民家: 保存と再生の建築史』(吉川弘文館)大場 修
住まい維持の仕組みは文化高山社跡 母屋(群馬県藤岡市、明治24年建築)「嫁入りと共に、蔵などの付属屋が婚姻先の敷地へ移送され」る。嫁入り道具…
書評 - 『東アジアからみた「大化改新」』(吉川弘文館)森 公章(もり きみゆき・東洋大学教授)
「分裂外交」という新しい視座「大化改新」とは645年6月に蘇我本宗家を討滅した乙巳(いっし)の変とそれに続く孝徳朝の改革を示すものである。『日…
書評 - 『古代の食を再現する―みえてきた食事と生活習慣病』(吉川弘文館)三舟 隆之(東京医療保健大学教授)
今に通じる食問題を提示古代の食に関する文献史料は、「正倉院文書」や『延喜式』のほかに平城京跡などから出土する木簡があり、多くの食品名が記さ…
自著解説 - 『戦国大名の兵粮事情』(吉川弘文館)橋本 雄(はしもと ゆう・北大大学院准教授)
モノとカネの「戦争経済」いつの時代も、戦争は弱者に厳しい。戦国大名は国人(こくじん)・国衆(くにしゅう)や土豪(どごう)、百姓らを戦場に駆…
書評 - 『信長と石山合戦―中世の信仰と一揆』(吉川弘文館)山崎 一昭
揆を一にする力中世末期、民衆の力を糾合し、北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」を現出させた浄土真宗。燎原の火のごとく拡がった一向一揆の終焉を告げ…
書評 - 『〈武家の王〉足利氏』(吉川弘文館)君塚 直隆
室町幕府はいかに存続したか-「共通価値」(足利氏の権威)を軸に検討-足利将軍と聞くと多くの読者は、のちの江戸期の徳川将軍とは異なり、無力で…
書評 - 『戦国時代の足利将軍』(吉川弘文館)松尾 剛次
国際政治学の成果を援用去る5月、ベルギー・オランダを訪問した。安達峰一郎関係資料の情報を得るためだった。その旅は、第1次世界大戦後に常設国際…
書評 - 『江戸のキャリアウーマン: 奥女中の仕事・出世・老後』(吉川弘文館)柳谷 慶子
ドラマ・映画・漫画などで繰り返し題材となり、今なお私たちを引きつけて止まない「大奥」の世界。色恋沙汰や権力争い、ドロドロとした人間関係がフ…
後書き - 『顔の考古学: 異形の精神史』(吉川弘文館)松木 武彦
人間関係作る源の歴史探る土偶の顔、埴輪(はにわ)の顔、土器にヘラで刻まれた顔。遺跡から掘り出される品々には、顔を表したものがよくある。顔は…
書評 - 『馬と人の江戸時代』(吉川弘文館)松木 武彦
いななきが聞こえるテレビや映画の時代劇に、馬はごくふつうに出てくる。では、江戸時代の馬はいったいどこで生まれ育ち、どのように役目を与えられ…
書評 - 『徳川家康』(吉川弘文館)藤田 達生
家康の行動を居所を前提に時系列で描く「はしがき」によると、本書は約四二〇〇点にもおよぶ徳川家康の発給文書の博捜をふまえて、彼の生涯を淡々と…
書評 - 『近江商人と出世払い: 出世証文を読み解く』(吉川弘文館)桐野 作人
冷酷に切り捨てぬ寛容さ身内や友人から寸借するとき「出世払いで返すから」と冗談交じりで言い訳することがある。本書は「出世払い」という言葉が、…
書評 - 『中世は核家族だったのか』(吉川弘文館)戸邉 秀明
疫病や災害が夫婦の結合強めた核家族と中世。奇妙な組み合わせに感じるのは、中世の特徴を家(いえ)制度の成立と見る通説が前提にあるからだ。平等…
書評 - 『承久の乱と後鳥羽院』(吉川弘文館)松尾 剛次
「敗者の歴史」真実に迫るよく「歴史とは勝者の歴史だ」といわれる。それは確かに「歴史」の本質の一面を突いている。勝者によって敗者側は断罪され…
書評