1951年、広島県尾道生れ。1981年、小説『さようなら、ギャングたち』でデビュー。1988年、『優雅で感傷的な日本野球』で第一回三島由紀夫賞、2001年、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、2012年、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞。2011年から朝日新聞論壇時評担当、それをもとに、『ぼくらの民主主義な…もっと読む
- 『殺戮の天使』(学習研究社)高橋 源一郎
マンシェットと「殺しの理由」ジャン=パトリック・マンシェットの『殺戮の天使』(野崎歓訳、学研)を読んで唸った。解説によると、この作品は「新…
書評 - 『文庫版 絡新婦の理』(講談社)高橋 源一郎
京極夏彦とドラゴンクエスト京極夏彦の作品を読んだことがなかった。だから、少し前のこと、ミステリーに詳しい友人に訊ねた。「あのね、京極夏彦の…
書評 - 『真っ白でいるよりも』(集英社)高橋 源一郎
「細部を書かんか細部を!」六月の第二日曜の暑い夕方、フランスオークス、着飾った女性たちの社交の場としても知られる通称エルメス杯も終わり、人…
書評 - 『孤客―哭壁者の自伝』(太田出版)高橋 源一郎
先日、入院中の父親から用事があるので大阪まで来てほしいと連絡があった(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1998年)。七十七歳の父親は、幼時…
書評 - 『『坊っちゃん』の時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人』(双葉社)高橋 源一郎
『「坊っちゃん」の時代』とシングル生活関川夏央原作・谷口ジロー作画による『「坊っちゃん」の時代』(双葉社)全五部が遂に完結した(ALL REVIEW…
書評 - 『敗戦後論』(筑摩書房)高橋 源一郎
書くべきだった本本を読んでいて起こるもっとも奇妙なことは、これは自分が書いたんじゃないかと思えてしまう時があることだ。頭にどんどん入る、よ…
書評 - 『モグラびと ニューヨーク地下生活者たち』(集英社)高橋 源一郎
太陽から遠く離れて本屋でタイトルや帯を見て、これは絶対面白いだろうなあという本があって、実際に読んでみるとやっぱり面白かったっていうのはた…
書評 - 『海峡の光』(新潮社)高橋 源一郎
仁成と「人生」辻仁成(つじひとなり)さんは夜中に電話をかけてくる。そして、文学の話をする。「夜中に電話をかけて」「文学の話をする」知り合い…
書評 - 『熊谷突撃商店』(文藝春秋)高橋 源一郎
すてきな人生『熊谷突撃商店』(ねじめ正一著、文藝春秋)の主人公は、熊谷清子さんである。女優熊谷真美・美由紀のおかあさんで、作品中では「キヨ…
書評 - 『アインシュタイン交点』(早川書房)高橋 源一郎
幻の名作まいった。テレビばかり見ていてなにもできない。まずはサッカーのヨーロッパ選手権。先月、イギリスへダービーを見に行った時、レースのス…
書評 - 『増補競馬学への招待』(平凡社)高橋 源一郎
ダービー前夜は山本一生の本を読もうこの号が出る時には、すでにオークスが終わっていて、ダービーが直前のはず。サラブレッド四歳の春のクライマッ…
書評 - 『カフカの父親』(白水社)高橋 源一郎
羽生名人ならびに小説における定跡について羽生名人と対談をした。二回目だ。前回もそうだったが、羽生さんとは話が合うのである(ALL REVIEWS事務…
書評 - 『ペーパームービー』(講談社)高橋 源一郎
美しい映画のように内田裕也が都知事選挙に出たことがあった、彼はもちろん「ロックンローラー」として選挙に出た。だから、彼はテレビの「政見放送…
書評 - 『死の蔵書』(早川書房)高橋 源一郎
古本と現代文学仮に、夏目漱石の『吾輩は猫である』の初版本があったとする。そして、その初版本は、漱石が署名して森鴎外に贈ったやつで、裏表紙に…
書評 - 『オライオン飛行』(講談社)高橋 源一郎
飛行機はどこを飛ぶのか明治44年6月、石川啄木は短期間のうちに、いくつもの詩を生み出した。そのどれもが傑作となったが、中でも「はてしなき議論…
書評 - 『いのち』(講談社)高橋 源一郎
一枚の「写真」のように長い間、誤解をしていた一枚の「写真」がある。それは、わたしの父と母が一緒に写っている写真だ。目を閉じれば、はっきりと…
書評 - 『この不思議な地球で―世紀末SF傑作選』(紀伊國屋書店)高橋 源一郎
桜とSFぼくの住んでいるマンションは石神井池に面していて、玄関を出ると桜並木がある(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1995年頃)。ここ数…
書評 - 『なぜ、猫とつきあうのか』(講談社)高橋 源一郎
なぜ、猫とつきあうのかこれはまったく偶然のことなのだが、『なぜ、猫とつきあうのか』(吉本隆明著)を池袋西武のリブロで買い、そこから家人に「…
書評 - 『船乗りサムボディ最後の船旅』(講談社)高橋 源一郎
現代文学(作家)は超大変、だよねいま、ぼくはEASTEND×YURIの「DA・YO・NE」を聞きながら、原稿を書いている。(事務局注:本書評執筆は、1994年頃…
書評 - 『戦中派天才老人・山田風太郎』(筑摩書房)高橋 源一郎
続・早く老人になりたい高校生の頃に、わたしの友人たちの間では「二十四歳で死ぬ」という構想が流行していた。ランボー、ロートレアモン、ポール・…
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