1951年、広島県尾道生れ。1981年、小説『さようなら、ギャングたち』でデビュー。1988年、『優雅で感傷的な日本野球』で第一回三島由紀夫賞、2001年、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、2012年、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞。2011年から朝日新聞論壇時評担当、それをもとに、『ぼくらの民主主義な…もっと読む
- 『パラサイト・イヴ』(新潮社)高橋 源一郎
『パラサイト・イヴ』を読みながら考えた先週はヨーロッパへの往復の飛行機の中で『パラサイト・イヴ』(瀬名秀明著、角川書店)を読んだ。この日本…
書評 - 『バウハウスと茶の湯』(新潮社)高橋 源一郎
はいからさんが通る『バウハウスと茶の湯』(山脇道子著、新潮社)を読んでいて、思わずぼくは「これは『はいからさんが通る』だあ!」と叫んじゃっ…
書評 - 『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』(河出書房新社)高橋 源一郎
山本昌代の三島賞受賞作と少女マンガ今回の三島由紀夫賞の受賞作は山本昌代さんの『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』(河出書房新社)に決ま…
書評 - 『ウィトゲンシュタイン』(みすず書房)高橋 源一郎
天才についていくのは大変だわたしは小さい頃から伝記が大好きだ。それも偉人伝の類。なにしろ、記憶に残っている最初の本は「浦島太郎」。これを偉…
書評 - 『ビリー・ザ・キッド全仕事』(国書刊行会)高橋 源一郎
アカデミー最優秀監督賞はロバート・ゼメキスではなくマイケル・オンダーチェある時、知り合いからこういう質問をされた。「高橋さん、どういう具合…
書評 - 『死体農場』(講談社)高橋 源一郎
『死体農場』は飛行機の中で読む本じゃない、特に隣の席におしゃべりが座った場合には十六日に日本を出発して、ロサンゼルスまでヒシアマゾンを応援…
書評 - 『フォレスト・ガンプ』(講談社)高橋 源一郎
ガンプ! もっと、アホになれ!『フォレスト・ガンプ』(ウィンストン・グルーム著、小川敏子訳、講談社)を読んだ。最初に結論からいうと、これは…
書評 - 『床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉』(岩波書店)高橋 源一郎
早く老人になりたい前回、カズコ・ホーキの『ロンドンの床下』(求龍堂)をとりあげて、そのタイトルがメアリー・ノートンの『床下の小人たち』にち…
書評 - 『美男へのレッスン』(中央公論新社)高橋 源一郎
「論理の鉄人」橋本治にノーベル賞は似合わない大江健三郎さんの記念講演集『あいまいな日本の私』(岩波新書)を読んでいたら、こんな箇所にぶつか…
書評 - 『ロンドンの床下―カズコ・ホーキと借りくらしたち』(求龍堂)高橋 源一郎
カズコ・ホーキの文章の明晰さに感心す持つべきものは「本読み」のプロで、わたしの場合も読みたい本がなくなってくると、信頼できる「本読み」の友…
書評 - 『テクストのぶどう畑で』(法政大学出版局)高橋 源一郎
「読書好き」に贈る「読書」の本今回のタカハシはマジメである(いつもマジメだけど)。実は、この「退屈な読書」に連載したもの(事務局注:「週刊…
書評 - 『とびきりお茶目なイギリス文学史―アメリカのおまけつき』(筑摩書房)高橋 源一郎
文学史の正しい書き方これはもう完全に職業的反応なんだけど、本を読んでいて、「やられたあ!」と思うことがあるんだな。自分の頭の中で何年もかけ…
書評 - 『母の恋文―谷川徹三・多喜子の手紙』(新潮社)高橋 源一郎
たまには恋文でも書いてみよう「昔はよかった」なんて言い方は、いってる方の馬鹿さ加減を証明するだけだから、あまり使わないようにしているのだけ…
書評 - 『天使の自立』(アカデミー出版)高橋 源一郎
これより面白い本はあるよこんちわ。おひさしぶり。諸般の事情により、「退屈な読書」が戻って来てしまった。申し訳ない。とにかく、連載再開一回目…
書評 - 『少々おむづかりのご様子』(角川書店)高橋 源一郎
バカヤロ、胸がキュンとしちゃったじゃないか竹中直人をはじめて見た時は驚いた。それから、映画「無能の人」の竹中直人を見てまた驚いた。監督とし…
書評 - 『青い山脈』(新潮社)高橋 源一郎
石坂洋次郎を読んで初心を取り戻す近くの古本屋に石坂洋次郎と源氏鶏太と獅子文六の文庫本がドカッと出ていた。これはもしや、どこかのおじいちゃん…
書評 - 『敗戦前日記』(中央公論社)高橋 源一郎
日記を書く理由他人の日記を読むのは文句なく面白い。その「面白い」という心理の裏側には「覗き趣味」があることは否定できないけれど、それは非難…
書評 - 『Green Bench』(河出書房新社)高橋 源一郎
ぼくが演劇青年だった頃ぼくが(ノートにではなく)発表する目的で書いた最初の作品は戯曲で、中学三年の時だった。それからもぼくは戯曲を書き、つ…
書評 - 『今夜も映画で眠れない ポーリン・ケイル集』(東京書籍)高橋 源一郎
ポーリン・ケイルの書評を読みたくないかい仕事に区切りがついたので、ワープロをオフにして缶ビールを飲んでいた。それでもって、やっぱり手元に本…
書評 - 『語りかける花』(人文書院)高橋 源一郎
文学の未来はおばあさんたちのものかまず『崩れ』(講談社)で、それから『木』(新潮社)、そして『台所のおと』(講談社)に『きもの』(新潮社)…
書評