1947年東京生まれ。現代思潮社美学校で1969~70年木村恒久、赤瀬川原平に学び、1972年青林堂・月刊漫画誌『ガロ』で編集長7年間の後フリー。イラストレーター、装丁デザイナー、エッセイスト。もっと読む
- 『我楽多じまん―なごみの懐かし雑貨』(祥伝社)南 伸坊
カワイイ。っていうホメ言葉、一時は流行語のようにつかわれていたけれども、いま、かなりニュアンスを含んだ広く使える形容詞になっているかもしれ…
書評 - 『人生は楽ではない。そこが面白いとしておく。―武者小路実篤画文集』(求龍堂)南 伸坊
私は武者小路実篤の絵を、いくぶん軽視していて、今回このようにとりあげるについても、「近頃、あの野菜の絵を見なくなったな」と思ったらひさしぶ…
書評 - 『モービー・ディック航海記』(ソニーマガジンズ)南 伸坊
作者のたむらしげる氏はイラストレーター、絵本作家、マンガ家で映像作家。それぞれの分野で、つねに完成度の高い一流の仕事を残している。本書『モ…
書評 - 『いろはにコンペイトウ―Kurihara Toy Bottle Collection』(にじゅうに)南 伸坊
菓子入り玩具壜(びん)というのだそうだ。このビンの中にコンペイトウをつめて売っていた。大正末期から昭和初期にかけてと昭和20年代後半とに、こ…
書評 - 『原寸美術館 画家の手もとに迫る』(小学館)南 伸坊
面白い。企画の勝利だ。絵を原寸で間近に見ることのできる画集。なんでもないことのように見えて、この画集は今までの画集と全く違うメディアになっ…
書評 - 『赤い雪 普及版』(青林工藝舎)南 伸坊
勝又進作品集『赤い雪』が選りすぐりの短編をあつめて上梓された。すべて20ページ前後の短編マンガ十編だが、それぞれのマンガにたっぷりと時間が充…
書評 - 『干物のある風景―View of Dried Fish』(東方出版)南 伸坊
奇妙な写真集である。繰っても繰っても、干物だ。最初から最後まで、どこから開いたって干物が並んでる。「規則正しく並べられたイカやアジたちが干…
書評 - 『スコープ少年の不思議な旅』(風濤社)南 伸坊
掌の中におさまるくらいの真鍮製の小さな箱のオブジェがあって、そこに取りつけられたアイピースで中を覗き込むと嘘みたいに本物そっくりの部屋が出…
書評 - 『アイノカテゴリー』(ぴあ)南 伸坊
写真集「アイノカテゴリー」はみごとに「写真集」として完成されている。これほどすみずみまで完璧に編集されつくした写真集というのを、私は見たこ…
書評 - 『蓮花―鈴木薫写真集』(ラトルズ)南 伸坊
湯上りの天女のような……というのは、蓮の花の匂いを私が形容したのである。天女を見たことはないし、ましてその湯上りのところを嗅いだこともないけ…
書評 - 『山水戀圖』(岩波書店)南 伸坊
「自然にひそむ 濃厚なエロティシズムを、驚くべき想像力で描きだす 地球大の恋物語。魂の秘境にせまる 壮大な絵本だ」と帯文で谷川俊太郎氏がほめて…
書評 - 『志ん朝の高座』(筑摩書房)南 伸坊
この写真集は、横井洋司さんが、故古今亭志ん朝さんを30年間撮り続けた5千枚の写真から、精選した240枚の写真で構成されている。私は落語が大好きだ…
読書日記 - 『百鬼夜行絵巻―妖怪たちが騒ぎだす』(小学館)南 伸坊
とても不思議な気がするのだが、日本のオバケの絵は、なんだってこんなにみんな、そろいもそろってカワイイんだろう?妖怪とか化け物というのはブキ…
書評 - 『ころころ にゃーん』(福音館書店)南 伸坊
長新太さんが亡くなって、8カ月が過ぎた(ALLREVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。私の好きな絵本、イラストレーション界の王様だった。 プ…
書評 - 『仏像のひみつ』(朝日出版社)南 伸坊
この本は「日本の仏像彫刻を鑑賞する方法を初心者に紹介する」目的で作られている。実は、東京国立博物館で二〇〇五年一月から開催された「親と子の…
書評 - 『四角形の歴史』(毎日新聞社)南 伸坊
この本は「画期的な本」である。と私は思う。テーマも画期的であれば(四角形の歴史だ)、その表現方法も画期的である(絵本で書いた論文)。その文…
書評 - 『とんでったら あふりか』(福音館書店)南 伸坊
映画監督の羽仁進さんが『やまたのおろち』という絵本や、『シンバの国』という画集を出していたことを知らなかった。だから、この本の帯にある「羽…
書評 - 『河童の三平 上 貸本まんが復刻版』(KADOKAWA)南 伸坊
水木しげるさんの『河童(かっぱ)の三平』貸本版の復刻本が出た(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。昭和三十六年から月刊ペースで発…
書評 - 『うめめ』(リトルモア)南 伸坊
頭の上に、ほかの犬のひもがのっかってるので「ちょっと迷惑」なカンジの犬の表情とか。「どこ見てんのよ!」って凄(すご)んでるみたいなネコとか…
書評 - 『秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明』(青幻舎)南 伸坊
図版に掲げた2枚の素描。一枚は1829年にアングルが描いた「ルイ=フランソワ・ゴディノ夫人」の肖像画。一枚は、アンディー・ウォーホルの「ケルン大…
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