島田 雅彦MASAHIKO SHIMADA
公式サイト: http://shimadamasahiko.com/
1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』…もっと読む
発達し退化する私たちの神秘本書は自然と文化の産物である人体の多様な移り変わりを説明するメカニズムを集大成した労作である。人体は進化、適応、…
混沌の時代、「父殺し」の今を問うドストエフスキーの愛読者であった黒澤明は『白痴』を映画化しただけでなく、『酔いどれ天使』や『悪い奴ほどよく…
徹底した自己批評、これぞ偉人『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』などの著作で知られる著者は豊富な臨床経験と繊細な観察眼を持つ優れた…
現代人が忘れてしまった知恵森や山、川などを人と見做(みな)し、鳥や草木が人に語りかけてくるという感覚を古代の日本人は持っていた。それは単な…
革命と繁栄の歩み、その表と裏文明史とはすなわち食糧増産の歩みである。人口の増加曲線は現在に近づくほど急になるが、これも飢餓の克服の成果だ。…
辺境に息づく多様な精神文化ロシアはイワン雷帝の時代からシベリアという辺境を抱え込むようにして、領土拡大と資源開発を行ってきた。地球の二酸化…
人類進化の鍵握る、料理の本質を考察本書は古代の四大元素、火、水、空気、土に絡めて、肉を焼く、煮る、パンを作る、発酵させるという料理の基本を…
権力闘争の実相、舞台裏から検証目下の日本の政治はほとんど戦前の大政翼賛会の様相を呈してきた。過去の自民党の体質を知る人々も、保守主義の変質…
「概してロシアでは、事実の方面は恐ろしく貧弱なくせに、議論は恐ろしく豊富だ」とチェーホフはある人への手紙に記している。ドストエフスキーの作…
三〇歳で終わる生涯、ヨークシャーの荒野から離れたことがなく、しかも一度も恋愛をしたことがない厳格な牧師の娘は、おのが想像のなかでヒースクリ…
ドストエフスキーはかつて「我々は皆『外套』から生まれてきた」といった。ロシアの散文は、ゴーゴリ以後、民話の時代から小説の時代に入った。近代…
マザーグースの昔から、アイリッシュ・ジョークは断腸の笑いとでもいうべき、残酷さとナンセンスを撒き散らして来た。ジョナサン・スウィフトの名前…
ナショナリストも軍人もビジネスマンも、果ては観光客までもがオデュッセウスの冒険談に自分を重ね合わせる。無数の他者たちと出会い、ちっぽけな無…
大きな政治的理想を持った一人の詩人が、政争に巻き込まれ、フィレンツェ共和国から追放処分にあう。政治亡命者の元祖ダンテはおのが苦難の遍歴を壮…
メジャーな言語だけでも一八を数え、ヒンズー教、イスラム教、シーク教、ジャイナ教、キリスト教、仏教、ゾロアスター教、その他諸々の宗教の坩堝で…
シュルレアリストと呼ばれた夢のコレクターたちも私淑していたフロイトは、抑圧的な性モラルの支配下にあったウイーンのブルジョワ社会に対する一つ…
聖書は初めから読んでもいいが、辞書のように任意のペーシを引くこともできる。ニーチェの書物もその意味では聖書と同じ活用法ができる。そもそも『…
歴史に対する醒めた目を持っていたマキァヴェッリだが、実際の政治的な栄光とは縁がなかった。失脚、投獄を経験したのち、マキァヴェッリはフィレン…
まだ、学問や芸術が専門化し、細分化していなかった頃、すべてはマニュアルの問題だった。マニュアルは徒弟制度を通じて、踏襲されたが、工房からは…