1980年東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化や文芸を中心に、書籍・新聞・雑誌などで広く執筆活動を行う。 『買えない味』(筑摩書房 第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)。『野蛮な読書』(集英社 第28回講談社エッセイ賞受賞)。主著に『おいしい日常』『おもたせ暦』『夜中にジャムを煮る』『おとなの味』『焼き…もっと読む
- 『ジジイの片づけ』(集英社クリエイティブ)平松 洋子
物を減らすだけではない 絶えず世界を活性化する営み全編、キラーワード満載。たとえば服について。いつもハイキングに行くような服を着ていると、…
書評 - 『自転しながら公転する』(新潮社)平松 洋子
ゆっくり答えに向かう女性たちの等身大の姿を描く「来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから」尾崎紅葉の小説『金色夜叉…
書評 - 『歩くひと 完全版』(小学館)平松 洋子
めまぐるしく変化する世界の中で一歩ずつ「人間にもどる」「完全版」と銘打ち、このたび刊行された『歩くひと』がすばらしい。本作は、谷口ジローが…
書評 - 『剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む』(朝日新聞出版)平松 洋子
先人への敬意と気迫を胸に千年前の頂の謎に迫る探検家、髙橋大輔が四年を費やし、日本の山に秘められた歴史的ミステリーに挑んだ。かつて実在したロ…
書評 - 『メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』(双葉社)平松 洋子
底辺を生きる“透明人間”が自らの力で光をつかむまで最低賃金で請け負うのは、依頼主の家を掃除する「メイド」。床磨き、荷物の整理、バスルームやト…
書評 - 『テレビの荒野を歩いた人たち』(新潮社)平松 洋子
道なき道を切り開いてきたレジェンドたちの熱き肉声あの頃のテレビを語れば、時代の証言とともに濃い人間味が立ち上がる――あらためて驚かされ、本書…
書評 - 『タネの未来 僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』(家の光協会)平松 洋子
高校生がタネの保存に挑戦。「僕たちの生存戦略」なのだ農林水産省が目指す種苗法改正案の成立が、今国会ではいったん見送られる気配が濃厚だ(六月…
書評 - 『日本のお弁当文化: 知恵と美意識の小宇宙』(法政大学出版局)平松 洋子
小さな箱に日本人の精神性一食をまかなう小さな箱。その内部に詰まっている多様な日本文化を、本書は米ひと粒見逃さぬ目配りを効かせて解き明かす。…
書評 - 『フジモトマサルの仕事』(平凡社)平松 洋子
「異能の人」の作品世界の扉をあらたに開く、記念碑的一冊フジモトマサルさんに初めて会ったのは、90年代半ばだった。その場に五、六人が集っていた…
書評 - 『残夢童女 石牟礼道子追悼文集』(平凡社)平松 洋子
ここにはいない人を引き寄せ その人は誰だったかを考え抜く2018年2月に逝去した石牟礼道子を悼む文を編んだ一冊である。もう二年経ったのかと思い、…
書評 - 『占』(新潮社)平松 洋子
占いに“真実”を求めるうち生身の人間が露わになってゆく占いをしてもらったことがない。いったん占ってもらえば、占いの行方に攪乱(かくらん)され…
書評 - 『日の出』(集英社)平松 洋子
愚直な男の懸命な生き様に波乱の近現代史が浮かび上がる自分の生き方を貫くために、時代と刺し違えなければならなかった男たち、女たちがいた。不器…
書評 - 『印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像』(グラフィック社)平松 洋子
声高に語られることのない 印刷をめぐる多彩な仕事ぶり友人のひとりに、実家が印刷会社を営んでいる人がいる。小学生のころ、よく近所の活字鋳造工…
書評 - 『薪を焚く』(晶文社)平松 洋子
過酷な冬を生き抜く人々の自然と対話し、自然を尊ぶ営み薪を、自分で割ったことはない。でも、外で薪を焚いたことはあり、薪の火には何度も温めても…
書評 - 『ダイエット幻想』(筑摩書房)平松 洋子
他者の声に漂流せず自分で人生の物語を紡いでゆく近所の通学路を歩いていると、向こうから女の子が二人駆けてきた。小学二年生くらいだろうか。追い…
書評 - 『生き物の死にざま』(草思社)平松 洋子
生まれて、生きて、産んで、死んで、次世代にバトンをつないでいくセミの亡骸が路上にころんと転がる夏の終わり。何年も土中で暮らし、やっと明るい…
書評 - 『谷崎潤一郎文学の着物を見る: 耽美・華麗・悪魔主義』(河出書房新社)平松 洋子
谷崎文学の女性たちが妖しく艶やかに立ち上がる着物のおしゃれは組み合わせの妙にある。その要諦を圧倒的な迫力とともに教わったのは、当代随一の着…
書評 - 『待ち遠しい』(毎日新聞出版)平松 洋子
漠然とした心もとなさを癒やす庭の存在に惹かれる噛み合わない相手とは接触を避けたり、会話を交わさずやり過ごしたり。とかくストレスの多い昨今、…
書評 - 『緋の河』(新潮社)平松 洋子
小説家とカルーセル麻紀。ふたつの存在が彩なす物語。北海道釧路の原風景のなか、男として生まれたひとりの少年が「きれいな女のひとになりたい」と…
書評 - 『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社)平松 洋子
物語世界の奥行きを引き出すアイヌへの真摯な眼差し野田サトルの漫画『ゴールデンカムイ』の群を抜くおもしろさは、いうまでもないだろう。舞台は明…
書評