1970(昭和45)年岡山市生れ。国際日本文化研究センター准教授。2002年、慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。博士(史学)。日本学術振興会特別研究員、慶應義塾大学非常勤講師などを経て現職。著書に『武士の家計簿』(新潮ドキュメント賞)、『殿様の通信簿』『近世大名家臣団の社会構造』など。もっと読む
- 『日本のイネ品種考 木簡からDNAまで』(臨川書店)磯田 道史
多様性の力、イネに学ぼう即位の礼・大嘗祭(だいじょうさい)が、いまごろなのには理由がある。日本が戦争に負けるまで「登極令」という皇室令があ…
書評 - 『巨大津波 地層からの警告』(日本経済新聞出版社)磯田 道史
津波堆積物追い、被害想定へ東日本大震災以後、地震津波の研究現場で異変が起きている。震災前よりも、地震や津波の規模が大きく語られるようになっ…
書評 - 『三河吉田藩・お国入り道中記』(集英社インターナショナル)磯田 道史
参勤交代、驚くべき旅の真の姿日本の現状は「参勤交代」が作った面がある。江戸時代、清(中国)の人口は3億人で首都北京に百数十万人がいた。日本…
書評 - 『焼けあとのちかい』(大月書店)磯田 道史
人間が人間でなくなる戦争の怖さ八月十五日が近い。令和になって、はじめての敗戦の日がくる。天皇陛下も戦後のお生まれとなり、昭和の戦争は、どう…
書評 - 『世にも危険な医療の世界史』(文藝春秋)磯田 道史
正しい評価阻む「生きたいという願望」医学史に、いささかの不満がある。人類の医療の歩みをすすめた輝かしい成功の歴史だけで、埋め尽くされている…
書評 - 『地域に生きる人びと: 甲斐国と古代国家』(吉川弘文館)磯田 道史
古代社会の「地方」の実態伝える「令和」元号のもとになった『万葉集』に注目があつまっている。古代史は、のちの時代に比べて史料が少ない。『古事…
書評 - 『十八世紀京都画壇 蕭白、若冲、応挙たちの世界』(講談社)磯田 道史
「奇想の画家」のすごさ 緻密に言語化いまでこそ伊藤若冲の絵は人気だが、半世紀前はそんなことはなかった。「若冲なんて昔はゲテモノ扱い。ちゃん…
書評 - 『志ん生が語るクオリティの高い貧乏のススメ 昭和のように生きて心が豊かになる25の習慣』(講談社)磯田 道史
貧乏を嘆かず平然と味わう正月に考えた。この日本はこれからどんどん他国に比べて貧乏になる。日本のGDP(国内総生産)が世界二位で経済大国だった…
書評 - 『長篠合戦と武田勝頼 (敗者の日本史)』(吉川弘文館)磯田 道史
戦国画期の通説をくつがえす歴史家の挑戦本書は、戦国末期の日本史研究について、重要な問題をいくつも提起する書物である。1575年の長篠合戦は、織…
書評 - 『環境史入門』(岩波書店)磯田 道史
最先端の歴史捉える学問歴史は姿を変えてきた学問である。昔は、歴史といえば、政治史。大抵、王侯貴族や武人の歴史であった。文化史も、有名な芸術…
書評 - 『わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』(ダイヤモンド社)磯田 道史
絶滅回避方法を学ぶ生き物自身に事情を語らせるユニークな本である。生物70種の絶滅事例・絶滅回避事例をならべている。自然は偉大な書物であり教師…
書評 - 『文字と組織の世界史:新しい「比較文明史」のスケッチ』(山川出版社)磯田 道史
「文字」と「組織」で探る壮大な文明史たった一冊で全世界の人類史を語る本など、そうそう書けるものではない。古くはトインビーがそれをやった。文…
書評 - 『ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実』(NHK出版)磯田 道史
「いい形」から「大局観」得た機械「電王戦」は、将棋のプロ棋士とコンピューターとの戦いである。近年、将棋ソフトが強くなって、現役のプロ棋士の…
書評 - 『公家たちの幕末維新-ペリー来航から華族誕生へ』(中央公論新社)磯田 道史
公家政治の実態を伝える現代日本の幕末維新史のイメージは、いびつなものである。歴史知識に自信がある人でも、あるいはプロの歴史研究者でも、専門…
書評 - 『寿命100歳以上の世界 20XX年、仕事・家族・社会はこう変わる』(CCCメディアハウス)磯田 道史
医療革命のもたらす劇的変化を見通す大晦日(おおみそか)、5歳になる甥(おい)っ子が、年越し蕎麦(そば)の代わりに、うどんを懸命に食べる姿を…
書評 - 『拡張の世紀』(東洋経済新報社)磯田 道史
発想力や目標、問題を立てる力が大切人工知能(AI)の発達で大変化が起きる。ただ、その激変がいかなるもので、20~30年後の社会は、どうなるか。そ…
書評 - 『江戸時代の医師修業: 学問・学統・遊学』(吉川弘文館)磯田 道史
医療発展は集団・有志の自発的取り組み江戸時代の医者や医療の事情については、わかっているようで、わかっていない。たしかに、日本の医学史はレベ…
書評 - 『熊本城の被災修復と細川忠利 ―近世初期の居城普請・公儀普請・地方普請―』(熊本日日新聞社)磯田 道史
公文書でうそつく者は公文書に泣く城は地震の記憶装置である。地震で揺すられると、城の石垣は崩れ、ゆがむ。それを調べると、過去の地震の実態に迫…
書評 - 『性と柔: 女子柔道史から問う』(河出書房新社)磯田 道史
揺れる日本柔道界の苦悩の源に迫る苦しみは好著を生む。日本女子柔道の苦悩が、どこから生まれてきたのか。この本はその知的考察の書だ。苦悩の原因…
書評 - 『吉村昭が伝えたかったこと』(文藝春秋)磯田 道史
人間の理性を保つため「記録」にかけた生涯記録文学という文学の一分野がある。「史実にこそ、人間のドラマがある」。事実の重みを信じて、作家の想…
書評