フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有…もっと読む
- 『悪女入門 ファム・ファタル恋愛論』(講談社)鹿島 茂
あとがき最近、私が提起している概念の一つにゴレンジャー・ガールというのがあります。いきなり、こんなことを言っても、読者はなんのことかわから…
後書き - 『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所)鹿島 茂
作家は誰でも、一つだけ、自分の方法論が、ガラス張りの時計細工のように透けて見える作品を書くものだといったのは、確か三島由紀夫だったと思うが…
書評 - 『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所)鹿島 茂
フロイトの作った精神分析用語の一つに多元的決定というのがある。夢に登場したいくつかの言葉やイメージをもとにして観念連合を働かせると、それは…
書評 - 『世紀末異貌』(三省堂)鹿島 茂
唐突な連想で恐縮だが、高山宏氏の近著『世紀末異貌』を読みながら、しばらく前に巷(ちまた)に溢(あふ)れていたバットマンのマークを思い出した…
書評 - 『新版 においの歴史―嗅覚と社会的想像力』(藤原書店)鹿島 茂
《におい》というと、必ず思い出すのがヴァン・ヴォートのSF短編『はるかなり、ケンタウルス』である。それはこんな物語だ。人類はついに長年の夢を…
書評 - 『歴史の風 書物の帆』(小学館)鹿島 茂
まえがきに代えて本書は、一九九五年までに書きためた書評を中心とし、それに読書エッセイを加えて一巻とした本だが、書評はおおむね、次のような原…
前書き - 『痙攣する地獄』(作品社)鹿島 茂
高山宏というのは一種独特の文化史家、というよりも他に類を見ないエピステモロジストではなかろうか。昨年から今年にかけて相次いで刊行された彼の…
書評 - 『終末のオルガノン』(作品社)鹿島 茂
高山宏ほどパラディグマティック(範列的)な書き手はいない。それは扱う対象ばかりでなく、その文体、思考法においてもパラディグマティックだとい…
書評 - 『博徒の幕末維新』(筑摩書房)鹿島 茂
アウトローから見た全く別の歴史昭和二十年代生まれの人なら、清水次郎長、国定忠治、黒駒勝蔵といった侠客について、名前くらいは記憶しているはず…
書評 - 『斎藤昌三 書痴の肖像』(晶文社)鹿島 茂
地下水脈的ネットワークの中心にいた奇人歴史にはときとして人物交差点のような人が現れる。その人自身の業績もさることながら、親しく付き合ったり…
書評 - 『新版 吉本隆明 1968』(平凡社)鹿島 茂
はじめに以前、T出版社に勤めていたK君が、勤務先が平凡社に変わったということで、挨拶がてら私の事務所を訪れました。以下は、その時に吉本隆明を…
前書き - 『現代フランスを生きるジプシー―旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』(世界思想社)鹿島 茂
『現代フランスを生きるジプシー ――旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』は女性人類学者である著者が南仏ポーで観察参加を試みたマヌーシュと呼ば…
選評 - 『イデーの鏡』(白水社)鹿島 茂
地下室は「生」屋根裏部屋は「死」あることの特徴を理解しようとするとき、反対のものをもってきて併置すると、その特徴が際立って見えることがある…
書評 - 『最強の女 ニーチェ、サン=テグジュぺリ、ダリ・・・天才たちを虜にした5人の女神』(祥伝社)鹿島 茂
前口上最強の女について書いてみたいと思う。だが、最強の女とはそもそも何を意味するのだろう? 現代的な基準だったら、案外、簡単である。美人で…
前書き - 『医心方〈第28巻〉房内編』(泉書房)鹿島 茂
男女の営み説く古代中国健康法近年、女性雑誌などで「セックスできれいになる」とか「セックスで健康になる」という特集を見かけるが、こうしたセッ…
書評 - 『ムッシュー・テスト』(岩波書店)鹿島 茂
贅肉を削ぎ落とした明晰な訳文おのれの資質が見極められなかった高校生の頃、自意識に悩まされた私はそれとおぼしき本を手当たり次第に読みあさった…
書評 - 『コルセットの文化史』(青弓社)鹿島 茂
変身願望のたまもの、紀元前から『風と共に去りぬ』をご覧になった方は、スカーレットに扮したヴィヴィアン・リーが乳母にコルセットを締めてもらっ…
書評 - 『東京時間旅行』(作品社)鹿島 茂
あとがき筑摩書房から『パリ時間旅行』(後に中公文庫)と題したエッセイ集を出したのは一九九三年のこと。パリを気ままに散策しながら、それぞれの…
後書き - 『男らしさの歴史』(藤原書店)鹿島 茂
学問の「既知」を破壊する爆弾おもわず定規を取り出して厚さを計ってしまった。全三巻で合計13センチ。岩石のように分厚いが、その内容もまた超弩級…
書評 - 『街場の現代思想』(文藝春秋)鹿島 茂
凡人の悩みに答える人生知とは時の経過というのは恐ろしいものだ。二〇年前まではあれほど輝いていたフーコー、バルト、ラカン、レヴィストロースと…
書評