フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有…もっと読む
- 『機関銃の社会史』(平凡社)鹿島 茂
「突撃」の合図とともに、一斉に塹壕(ざんごう)を飛び出し、鬨(とき)の声をあげながら銃剣を突きたてて突進する兵士たち。やがてカタカタという…
書評 - 『馬車の歴史』(平凡社)鹿島 茂
以前、大学の保守的体質を皮肉ったつもりらしく、「大学では、とうの昔に馬車というものがこの世から姿を消していても、馬車学の教授がいる限り、馬…
書評 - 『羞恥の歴史―人はなぜ性器を隠すか』(筑摩書房)鹿島 茂
女性嫌いで知られた萩原朔太郎は「女が裸体を羞恥(しゅうち)するのは、性の隠蔽(いんぺい)のためではなく、世の習俗に外れることを恥じるのであ…
書評 - 『世紀の小説『レ・ミゼラブル』の誕生』(白水社)鹿島 茂
細部に宿った「神」を明るみに出すいまから三二年前の秋、私は翌年に『「レ・ミゼラブル」百六景』というタイトルで世に出る最初の本を書いていたが…
書評 - 『明治の革新者~ロマン的魂と商業~』(ベストセラーズ)鹿島 茂
まえがき萩原朔太郎は『虚妄の正義』の「商業」と題したアフォリズムのなかで、こんなことを書いている。商業は昔に於いて、一つの浪漫的な冒険だ…
前書き - 『教養主義のリハビリテーション』(筑摩書房)鹿島 茂
種としての人類が進化した原因は分業にある。しかし、分業によって個としての人間が幸福になったかといえば、むしろ逆で、分業によって人間は豊かな…
書評 - 『比較史の方法』(講談社)鹿島 茂
科学的、合理的な「考え方」教える名著一九二八年、後にアナール派史学の開祖と仰がれることになる四二歳のストラスブール大学教授マルク・ブロック…
書評 - 『カサノヴァ 人類史上最高にモテた男の物語 上』(キノブックス)鹿島 茂
序カサノヴァが日本を救う!これ、洒落っ気で言っているのではなく、まったくの本気なのである。すなわち、いまの日本の置かれた危機的状況について…
書評 - 『ここから始まる 人生100年時代の男と女』(集英社)鹿島 茂
日本に最も欠けているのは「恋する日常」事務所が同じ西麻布にある関係でジョギングしている猪瀬直樹さんの姿をよく見かける。都知事時代も辞職後の…
書評 - 『できればムカつかずに生きたい』(新潮社)鹿島 茂
雄々しく冷静なヒロイン田口ランディさんの『できればムカつかずに生きたい』を読んでいると、人問の心の深淵という宇宙船の中で、得体の知れないエ…
選評 - 『王を殺した豚 王が愛した象―歴史に名高い動物たち』(筑摩書房)鹿島 茂
西欧のライオンが横を向く理由日本人が植物的であるのに、西欧人は動物的である。たとえば、日本の家紋の多くが植物(天皇家の菊、徳川家の葵)をあ…
書評 - 『世界人名ものがたり―名前でみるヨーロッパ文化』(講談社)鹿島 茂
「シェーン」はどこから来たのか欧米人の姓名のうち「姓」はかなり多様だが、「名」つまり洗礼名のほうはキリスト教の聖人や聖書の人名から選んだも…
書評 - 『世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済―』(名古屋大学出版会)鹿島 茂
高賃金国が成功した理由産業革命は人類史を大きく二つに分ける画期的な出来事である。しかし、不思議なことに、それが中国やインドでもなく、またフ…
書評 - 『ファイナル・カット―『天国の門』製作の夢と悲惨』(筑摩書房)鹿島 茂
映画という巨大な賭事の魅力映画の中のガンファイトなど、監督と映画会社のそれに比べれば屁(へ)みたいなもんだと言ったのはサム・ペキンパー監督…
書評 - 『バカロレア幸福論 フランスの高校生に学ぶ哲学的思考のレッスン』(講談社)鹿島 茂
考え方の「型」を学ぶことは可能だ「幸福になるためにはあらゆることをしなければならないのか?」「孤独のなかで幸福でいられるであろうか?」読者…
書評 - 『芸術と青春』(光文社)鹿島 茂
批評家、岡本太郎が語る一平とかの子われわれの世代にとって、岡本太郎といえば、なによりも大阪万博の「太陽の塔」の作者であり、CMで「グラスの底…
書評 - 『悪の箴言(マクシム) 耳をふさぎたくなる270の言葉』(祥伝社)鹿島 茂
はじめにマクシム maxime というフランス語があります。ルイ十四世の時代に生きた文人ラ・ロシュフーコーの著作《Réflexions ou sentences et maxim…
前書き - 『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)鹿島 茂
娘を股裂き状態にする母の要求二〇〇四年に新聞の文芸時評を担当したときのことだった。女性作家たちの関心が母と娘の関係に集中していると気づいた…
書評 - 『罪の終わり』(新潮社)鹿島 茂
第11回(2016)「中央公論文芸賞」受賞作=東山彰良「罪の終わり」/他の選考委員=浅田次郎、林真理子、村山由佳/主催=中央公論新社/発表=「婦人…
選評 - 『100分de名著 ユゴー『ノートル゠ダム・ド・パリ』 2018年2月』(NHK出版)鹿島 茂
はじめに――前近代から超近代へ『ノートル=ダム・ド・パリ』(一八三一)は、『レ・ミゼラブル』(一八六二、※1)と並ぶ、十九世紀フランスの文豪ヴ…
前書き