林 望NOZOMU HAYASHI
公式サイト: https://www.rymbow.com/
1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程単位修了満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京芸術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社)で91年日本エッセイストクラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッ…もっと読む
作家の臨終・墓碑事典なべて不定(ふじょう)なる現(うつ)し世に誰も死ぬということだけは必定だが、それがいつどのような形で訪れてくるかということ…
いつも死を思え「哲学とは、死の意味を考えること以外の何ものでもない」とキケロは看破している、ということを、私はこの本で知った。 なるほど、…
よくぞ訳したり!幕末維新期に英国から来朝した逸材の一人にアイルランド人ウィリアム・ウィリスがいる。 ウィリスは、物情騒然たる幕末の日本にや…
あまりに英国的な人間喜劇いやはや、驚き入った。世の中には、こんな人もいるんだなあと、まずはびっくりだが、それがいかにもまたイギリス的(もっ…
いかにして恩讐を乗り越えたかまたこの頃はなにやらキナ臭い空気が忍び寄って来つつある。人間は、いつになったら、愚かな戦いをやめるのであろうか…
少々私ごとを述べると、私の家はもと田安徳川家に仕える下級武士であったが、維新後、曽祖父の代から軍人の家となった。だから、旧日本海軍のことと…
無用なる努力世の中には四種類の読書がある。「役に立つ面白い読書」「役に立つがつまらぬ読書」「役に立たなくて面白い読書」そして「役にも立たず…
[isbn:4396611404]元気になる話この頃は日本人全体が勇気や覇気を失ってなんとなく国全体が自信喪失の体であるように思われる(ALL REVIEWS事務局…
大正天皇の御製に遠く奈良平安の昔から天皇は風雅な資質をお持ちの方が多かった。そういう中で、大正天皇がとりわけて漢詩を善くされたことは特筆す…
こういう短歌もあり!かつて俵万智さんが『サラダ記念日』という短歌集を出した時、それはいかにも新しくて、なんだか切実で、それゆえに若い人たち…
仁義なき新聞?ロンドンの地下鉄出口あたりに、デイリー・ミラーとかザ・サンだとかの新聞立ち売りが出る。売り子はいい年のオヤジと相場が決まって…
朗読と漱石この四月から、私は、東京エフエムの衛星ラジオで『リンボウ先生の歌の翼に』という番組をやっている(ALLREVIEWS事務局注:本書評執筆時…
昔の健脚中里介山の超長編小説『大菩薩峠』に、七兵衛という盗賊が出てくる。この盗賊がまだ十一、二の子供の頃、夜半から夜明けまでのわずかな時間…
壮絶、そして愉快 どんな商売にもそれぞれの苦労というものがあるに違いない。 私と古本屋さんとのお付き合い長く、高校生のころから学校の行き帰り…
可笑しくて哀しい男たち 紀田順一郎さんの文章は、いつもすみずみまで明晰である。いわゆる博覧強記、新鮮な視点から切り取ったさまざまの事柄を、…
幕末の江戸は・・・ 十八世紀頃からイギリスにプラントハンティングという運動が盛んになった。これは動植物の宝庫たるアジア・アフリカ・南北アメ…
随時随所の読書に伝記というものを好むのは、私の性であって、こればかりは、どうしてだとも言いようがない。しかし、いやしくも歴史上に名を残した…
イギリス近代音楽史上の奇人伝日本はドイツ音楽の金城湯池なので、イギリスの作曲家など一向に興味なしという人が多い。試みに何人か名前を挙げてみ…
見事な魂の図録 美智子さまのご実家、正田家邸宅があっけなく取り壊されたが、ああした所謂西洋館建築は大正から昭和にかけて夥しく造られ、そして…
消閑の読書に絶好 この聞きなれない書物は、江戸時代の中ごろ、旗本の根岸鎮衛(やすもり)という物好きな人があって、ともかく小耳に挟んだり目に触…