林 望NOZOMU HAYASHI
公式サイト: https://www.rymbow.com/
1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程単位修了満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京芸術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社)で91年日本エッセイストクラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッ…もっと読む
新たな旅への誘い日々書斎で文献と向き合ってばかりいると、無性に旅に出たくなる。日常をうんと離れて、できたら独りの旅を。いや、旅というよりは…
いま、白秋を世の中には妙なことを自慢する人がいるもので、俺は月に五十冊以上本を読むなどと速読を誇ったりするするのをよく見聞きするが、そうい…
ああ、これだ、これだ!はるかな昔、まだ紅顔の少年時代に愛読してやまなかったもの、それが杉浦茂の漫画であった。ザラザラの紙に印刷された「おも…
これほど寂しい食の本はない妻が癌にかかって余命が告げられてしまった、というときに「食のことを書くことで料理好きの家内のことを書きたいと思っ…
可笑し哀しい三浦しをんの長編小説『舟を編む』を読んだ。大国語辞典『大渡海』の編集主任に任ぜられた若き変人、というか言葉オタクともいうべき馬…
医師のホンネに耳を傾けるPPK願望という言葉をご存じだろうか。ピンピンコロリ願望、つまり昔風にいえば「ぽっくり願望」と同じことの謂いである。…
舌なめずりの読書 味というものは、しょせん食ってみなくては分からない。たとえ、どんなに美麗なグラビア写真であろうとも、おおかたの想像はできる…
なるほどそうだったか!じっさい、これは私などもしばしば経験することなのだが、私ども男が何気なく言った言葉に、女が異常に反応して(と男には見…
人間の心の闇を垣間見る最近、殺すのは「誰でもよかった」などという、わけの分からない殺戮事件が頻発して世間を震撼せしめている。いっぽうで、兄…
こんな時代には・・・なにしろ剣呑な時代になった。そもそも人情もなにも通じない、理解不能の犯罪者がいくらも現れて、どう考えても理不尽な理由に…
清々しい読後感戦犯問題など、世上相変わらずかまびすしいことであるが、とかく評判の悪い旧日本陸軍にも、こんなに清々しい人格の将軍がいたのかと…
折々に俳句の愉しみ日本は際やかに四季が交替して、そのそれぞれに美しい景物や独特の気分がある。さればこそ、『古今集』以下の勅撰集も四季と恋が…
住宅建築について考える教科書むろん私は建築家ではないし、また建築を大学で専攻したわけでもない。しかし、今までに、自宅を三度建て替え、別荘を…
今、北の海に起っていることあの北の海のラッコの、のんびりと海に遊ぶ姿はいかにも可愛い。 ラッコは、かつて英米の密猟者によって乱獲され、ほと…
可笑しくて、やがて元気に!今回は、少し古い本だが、まだアマゾン等で手に入らぬこともない歴史的史料集を取上げてみる。 掲出の本は、幕末に日本…
これもまた歌!近頃、いわゆる近代短歌とは全然違うスタイルの短歌が詠まれるようになってきたのは、まことに御同慶の至りである。たとえば、『土曜…
西条八十再び歌謡曲の作詞家と芸術歌曲の詩人と、現代ではこの二つは全く違うものとして扱われている。しかし、北原白秋、野口雨情、佐藤惣之助、サ…
たまにはこういう本も読んでみたコンピュータは、ものを書いたり、インターネットで情報を検索したりするために、とても役に立つ機械であって、今か…
帝国ホテルの奇々怪々じつは私は、あのフランク・ロイド・ライトの設計した帝国ホテルに入ったこともないし、実物を見た記憶もない。 やや悪趣味と…
作家の臨終・墓碑事典なべて不定(ふじょう)なる現(うつ)し世に誰も死ぬということだけは必定だが、それがいつどのような形で訪れてくるかということ…