林 望NOZOMU HAYASHI
公式サイト: https://www.rymbow.com/
1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程単位修了満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京芸術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社)で91年日本エッセイストクラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッ…もっと読む
健全な若き魂 後に慶応義塾の名塾長と謳われ、皇太子殿下の御養育にも当った小泉信三の青年時代の日記がこのほど初めて公開された(ALL REVIEWS事務…
実に以て面白しこのごろ読んだ書物のなかで、もっとも面白く、含蓄に富んだものはなんだと聞かれたら、私は躊躇なくこう答えるであろう。「それは嵐…
わが密かな愛読書この本は、昨日今日出版された新しい本ではない。1997年、もう四年も前のものである(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2001…
活き活きと能を見たい人へ能は難しい。それは当たり前といえば当たり前である。なにしろ、五百年も六百年も昔の芸能である。ことばも現代の口語とは…
書評を書くようになって、はや十年近く経った。そもそも、最初にこの世界に入り初めたのは、毎日新聞の書評欄を担当したときのことである。そのとき…
なるほどと頷きながら……この二〇〇一年からちょうど百年の昔、一九〇一という年は、日本の近代にとって、とりわけて大切な意味を持っている(ALL RE…
このごろ、私は詩集ばかり買い集めてはせっせと読んでいる。詩を読むのも書くのも、私は大好きだ。が、詩集は、玉石混交で、どちらかというと石のほ…
ちょっとこんな本も今回は少し風情の変わった本を紹介しようかと思う。 もともと私は文献学者であって、古い時代の、あのくにゃくにゃした崩し字を…
祭を知ること、心を知ること もう四半世紀以上も昔のことになる。私は、当時まだ大学院生で、文献の勉強をしていたが、文学の研究というものは、ブ…
心を澄ます工夫壁隣ものごとつかす夜寒哉蕪村の句である。秋も深くなり、夜長の感慨ひとしおのころであろうか。いねがてに、その夜長を起きている…