
1953年、中国上海生まれ。明治大学国際日本学部教授。上海の華東師範大学を卒業、同大学助手を経て、日本留学。東京大学大学院総合文化研究科比較文化博士課程修了。國學院大学助教授、明治大学法学部教授、ハーバード大学客員研究員などを経て現職。著書は『恋の中国文明史』(ちくま学芸文庫/第45回読売文学賞)、『…もっと読む
- 『桃源の水脈―東アジア詩画の比較文化史―』(名古屋大学出版会)張 競
忘我の恬淡さで理想郷を語る古代中国では桃の木に霊力が宿ると信じられ、桃の実を食べると不老不死になるという伝説もあった。陶淵明が桃源郷の風景…
書評 - 『セレモニー』(藤原書店)張 競
AI技術が悪用される未来図描く息がつまるような筋の運びと、周到な計算にもとづく物語構成の妙に久々に昂奮した。主人公の李博は中国共産党中央国家…
書評 - 『クララ・ホイットニーが綴った明治の日々』(臨川書店)張 競
手堅い考証で日記を読む手本示す本書はクララ・ホイットニーという、一八六〇年生まれのアメリカ人女性の手になる日記を手掛かりに、明治史を読み直…
書評 - 『不意撃ち』(河出書房新社)張 競
円熟した技巧の新境地珠玉の短編を五つ収めた作品集で、いずれも神秘な陰翳(いんえい)を帯びながら、読み手の心を揺さぶる力を秘めている。運命の…
書評 - 『エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命』(KADOKAWA)張 競
画家を通し美術史を照射伝記を思わせる書名だが、その内容はマネの生涯と作品世界の紹介にとどまらない。マネの創作活動を通して、古典から現代にい…
書評 - 『姫君たちの明治維新』(文藝春秋)張 競
些細な痕跡から事実掘り起こす化学反応の速度を変え、加速させる触媒と同じように、歴史という反応装置に「女性」という分析試薬を滴下すると、過去…
書評 - 『孤独の発明 または言語の政治学』(講談社)張 競
「俯瞰する眼」で批評の本質に迫る博覧強記の語りと批評的感性の力強さには圧倒された。文学評論の幅広い可能性を示すために、専門領域の境目をワー…
書評 - 『冬将軍が来た夏』(白水社)張 競
物語を運び去っていく言葉の霊力この作家の言語を駆使する能力には脱帽した。語りの輝きは一つ一つの細部描写から放射され、漂流する言語の鉱脈にま…
書評 - 『中原中也――沈黙の音楽』(岩波書店)張 競
現役詩人が読み解く詩の生成過程韻律の微(かす)かな揺らぎをたよりに、佐々木幹郎は中原中也の世界に導く山道を一歩一歩登っていく。同じく歌の樵…
書評 - 『硬きこと水のごとし』(河出書房新社)張 競
小説的言語の限界への挑戦耙耬(はろう)山脈の山あいには程崗鎮(ていこうちん)という小さな村がある。貧しい農家出身の高愛軍は高校卒業後に村の…
書評 - 『大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る』(講談社)張 競
時代の可能性から大正を捉え直す時代の可能性という新たな視点から大正を捉え直した書物だ。昇りゆく人と降りゆく人が行き交う階段の踊り場と同じよ…
書評 - 『銀座カフェー興亡史』(平凡社)張 競
入念な資料収集と考証銀座の街を歩くと、耳にする言葉には外国語のほうが多くなった。その陰には目立たない変化がある。歓楽街から買い物天国への変…
書評 - 『リズムの哲学ノート』(中央公論新社)張 競
哲学構想仕上げの身体論リズムは天体の運動から生命現象にいたるまで世界のどこにも遍在し、日々の生活のすみずみにまで満ちている。だが、いざリズ…
書評 - 『中国文章家列伝』(岩波書店)張 競
漢から清にいたるまで、詩人、小説家や戯曲家など十人の生涯を描く。去勢の刑罰を受けた司馬遷、纏足の靴で酒を飲み交わす楊維楨、赤貧のなかで『儒…
書評 - 『中国史談集』(早稲田大学出版部)張 競
嘘のような、本当のエピソードを二十余のテーマに分けて紹介する。前半は宋・明二代の人物や歴史的事件を取り上げ、後半は習俗、刑罰、宗教活動など…
書評 - 『芸術をめぐる言葉』(美術出版社)張 競
アリストテレスの「哲学であれ、政治であれ、詩や芸術であれ、これらの領域において傑出した人間は、みな憂欝質(メランコリア)である」という言葉…
書評 - 『タオ―老子』(筑摩書房)張 競
この書物はすっかり気に入った。『老子』を自由体口語詩に訳した、といえばわかりやすいが、逐語訳の翻訳でも、純粋の現代詩でもない。洗練された詩…
書評 - 『百年の中国人』(朝日新聞社)張 競
政治、経済、文化など各分野のキー・マンを通して、二十世紀の中国を振り返る。近代史に大きな足跡を残した人たちはもちろん、裏の世界を支配したマ…
書評 - 『中国 現代ことば事情』(岩波書店)張 競
黒客、上網、下崗。いずれも現代中国の流行語である。そのうちの一つでもわかれば、あなたはちょっとした中国通といえるかもしれない。日本語に訳せ…
書評 - 『実践カルチュラル・スタディーズ―ソニー・ウォークマンの戦略』(大修館書店)張 競
ソニーのウォークマンを取り上げ、この「文化的産物」の分析を通して、現代文化の生産・流通過程、およびその影響を読み解く。書名は難しそうだが、…
書評