
1953年、中国上海生まれ。明治大学国際日本学部教授。上海の華東師範大学を卒業、同大学助手を経て、日本留学。東京大学大学院総合文化研究科比較文化博士課程修了。國學院大学助教授、明治大学法学部教授、ハーバード大学客員研究員などを経て現職。著書は『恋の中国文明史』(ちくま学芸文庫/第45回読売文学賞)、『…もっと読む
- 『アヴァン・チャイナ―中国の現代アート』(木魂社)張 競
中国のアヴァンギャルドは一九七六年、周恩来の死をきっかけに誕生した。その後、政治が左へ右へと大きく揺れ動くなかで、二十年来イデオロギーのメ…
書評 - 『普通をだれも教えてくれない』(潮出版社)張 競
ここ数年来、新聞等に発表された短い批評を集めた本だが、ただの随筆集として読み過ごしてはいけない。服装、化粧、スポーツや恋愛から社会事件にい…
書評 - 『中国の風土と民居』(里文出版)張 競
著者はこの二十年のあいだに二十回も中国を訪れ、奥地の農村や町々の裏通りを訪ねてはさまざまな住居をカメラにおさめた。数千枚にのぼるフィルムの…
書評 - 『食べ物が語る香港史』(新潮社)張 競
本書は香港料理の案内書ではない。料理を通してこの旧植民地の歴史や香港人がたどってきた道を紹介するのがねらいである。飲茶の移り変わり、屋台料…
書評 - 『アジア・キッチン旅行』(徳間書店)張 競
韓国、香港、タイやインドネシアなどアジアの国々をまわり、行く先々の市場で新鮮な食材を仕入れ、現地の料理をみずからの手で作る。ソウルでは民宿…
書評 - 『性のプロトコル―欲望はどこからくるのか』(新曜社)張 競
先日、テレビで高校生の性についての特集を見た。インタビューのなかで、ある女子高校生は情事中に「愛している」と言ってしまい、後になって恥ずか…
書評 - 『現代中国短編集』(平凡社)張 競
現代中国文学の代表的な作家を挙げるのは難しい。というより、無意味なのかもしれない。数え切れないほどの作家がいて、それぞれ地域性、世代の感覚…
書評 - 『コロンビア大学 現代文学・文化批評用語辞典』(松柏社)張 競
学問の世界でもメディアでも片仮名の批評用語は広く流通している。知的ファッションとして濫用されているわりには、首を傾げたくなるような使い方も…
書評 - 『本に寄り添う Cho Kyo's Book Reviews 1998-2010(ピラールプレス)』(ピラールプレス)張 競
この書物は一九九八年から二〇一〇年までのあいだに発表された書評を収めたものである。二〇〇六年、みすず書房から刊行された『アジアを読む』には…
後書き - 『近世近代小説と中国白話文学』(汲古書院)張 競
日本の近世小説と中国文学の関係についての研究は底力の要る作業だ。ニカ国の言語に精通し、浩瀚な文献を辛抱強く読みこなす能力が欠かせない。著者…
書評 - 『僕が批評家になったわけ (ことばのために)』(岩波書店)張 競
批評をうしろ側から覗かせるような書名だが、そうではない、批評とは何かについて語ったものだ。なぜいま批評なのか。かつて批評といえば、文芸批評…
書評 - 『魯迅・文学・歴史』(汲古書院)張 競
六百ページに近い大著だが、不思議にすらすらと読めてしまった。私が生きてきた時代と関係し、「身近な」話題が多いのも理由の一つであろう。だが、…
書評 - 『男のイメージ―男性性の創造と近代社会』(作品社)張 競
男らしさについてはこれまでにも多くの本があった。しかし、いずれも解体されるべき神話として批判するか、あるいはその表象特徴に注目したものだ。…
書評 - 『花火屋の大将』(文藝春秋)張 競
たまには学生が卒論やレポートについて相談に来る。テーマが見つからないで、困っている人には必ず丸谷才一氏のエッセーを勧める。読んでいるうちに…
解説 - 『白樺たちの大正』(文藝春秋)張 競
白樺派について、こんなに面白く書けるのか。本書を読み終わったときの、率直な感想であった。わたしは関川夏央さんと面識はないが、文学批評の新刊…
解説 - 『「鬼子」(グイヅ)たちの肖像―中国人が描いた日本人』(中央公論新社)張 競
中国における日本人イメージを図像表象の視点から考察したものだ。同じステレオタイプでも、清末を境に大きな変化があった。清末まで日本人は「文」…
書評 - 『感覚の近代―声・身体・表象』(名古屋大学出版会)張 競
「加齢臭」という言葉がある。不快な臭いという意味で、否定的に用いられることが多い。江戸時代はおろか、つい二、三十年前にはまだなかった表現で…
書評 - 『モダニストの物言い―現代美術をめぐる確信と抵抗一九九〇―二〇〇五』(美学出版)張 競
現代芸術とその批評をめぐる書物だが、美術全集や絵画鑑賞の入門書に慣れ親しんだ者にとっては、かなり衝撃的な内容であろう。しかし、批評の手厳し…
書評 - 『澤柳政太郎―随時随所楽シマザルナシ』(ミネルヴァ書房)張 競
澤柳政太郎といえば、多くの人は「澤柳事件」を思い出すであろう。しかも、きわめて教科書的なイメージとして。しかし、それは澤柳政太郎の人生の中…
書評 - 『Kobe 1995:The Earthquake Revisited』(ベアリン出版)張 競
阪神大震災後の街の様子や、建て物が無惨に破壊された様子を見て、災害の恐ろしさ、自然の力の大きさに改めて驚かされた。その一方、これらの写真か…
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