1953年、中国上海生まれ。明治大学国際日本学部教授。上海の華東師範大学を卒業、同大学助手を経て、日本留学。東京大学大学院総合文化研究科比較文化博士課程修了。國學院大学助教授、明治大学法学部教授、ハーバード大学客員研究員などを経て現職。著書は『恋の中国文明史』(ちくま学芸文庫/第45回読売文学賞)、『…もっと読む
- 『本に寄り添う Cho Kyo's Book Reviews 1998-2010(ピラールプレス)』(ピラールプレス)張 競
この書物は一九九八年から二〇一〇年までのあいだに発表された書評を収めたものである。二〇〇六年、みすず書房から刊行された『アジアを読む』には…
後書き - 『近世近代小説と中国白話文学』(汲古書院)張 競
日本の近世小説と中国文学の関係についての研究は底力の要る作業だ。ニカ国の言語に精通し、浩瀚な文献を辛抱強く読みこなす能力が欠かせない。著者…
書評 - 『僕が批評家になったわけ (ことばのために)』(岩波書店)張 競
批評をうしろ側から覗かせるような書名だが、そうではない、批評とは何かについて語ったものだ。なぜいま批評なのか。かつて批評といえば、文芸批評…
書評 - 『魯迅・文学・歴史』(汲古書院)張 競
六百ページに近い大著だが、不思議にすらすらと読めてしまった。私が生きてきた時代と関係し、「身近な」話題が多いのも理由の一つであろう。だが、…
書評 - 『男のイメージ―男性性の創造と近代社会』(作品社)張 競
男らしさについてはこれまでにも多くの本があった。しかし、いずれも解体されるべき神話として批判するか、あるいはその表象特徴に注目したものだ。…
書評 - 『花火屋の大将』(文藝春秋)張 競
たまには学生が卒論やレポートについて相談に来る。テーマが見つからないで、困っている人には必ず丸谷才一氏のエッセーを勧める。読んでいるうちに…
解説 - 『白樺たちの大正』(文藝春秋)張 競
白樺派について、こんなに面白く書けるのか。本書を読み終わったときの、率直な感想であった。わたしは関川夏央さんと面識はないが、文学批評の新刊…
解説 - 『「鬼子」(グイヅ)たちの肖像―中国人が描いた日本人』(中央公論新社)張 競
中国における日本人イメージを図像表象の視点から考察したものだ。同じステレオタイプでも、清末を境に大きな変化があった。清末まで日本人は「文」…
書評 - 『感覚の近代―声・身体・表象』(名古屋大学出版会)張 競
「加齢臭」という言葉がある。不快な臭いという意味で、否定的に用いられることが多い。江戸時代はおろか、つい二、三十年前にはまだなかった表現で…
書評 - 『モダニストの物言い―現代美術をめぐる確信と抵抗一九九〇―二〇〇五』(美学出版)張 競
現代芸術とその批評をめぐる書物だが、美術全集や絵画鑑賞の入門書に慣れ親しんだ者にとっては、かなり衝撃的な内容であろう。しかし、批評の手厳し…
書評 - 『澤柳政太郎―随時随所楽シマザルナシ』(ミネルヴァ書房)張 競
澤柳政太郎といえば、多くの人は「澤柳事件」を思い出すであろう。しかも、きわめて教科書的なイメージとして。しかし、それは澤柳政太郎の人生の中…
書評 - 『Kobe 1995:The Earthquake Revisited』(ベアリン出版)張 競
阪神大震災後の街の様子や、建て物が無惨に破壊された様子を見て、災害の恐ろしさ、自然の力の大きさに改めて驚かされた。その一方、これらの写真か…
書評 - 『東アジアノート 小泉訪朝同行記』(ランダムハウス講談社)張 競
何気なしに読み出したら、とまらなくなった。書名の通り、東アジアの各国や地域についてのルポルタージュである。内容は北朝鮮にとどまらず、韓国、…
書評 - 『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』(中央公論新社)張 競
谷崎潤一郎のような作家ともなれば、早くから多くの伝記が書かれていた。本書を手にしたときも、真っ先に脳裏をよぎったのはそのことだ。多くの先行…
書評 - 『アメリカと比べない日本』(ファーストプレス)張 競
書名に惹きつけられて読み始めたが、「社会システム・デザイン」の必要性を唱えた書物である。「社会システム・デザイン」とは、縦割りに構成された…
書評 - 『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』(新潮社)張 競
書名のハルキ・ムラカミについては、もはや説明はいらないだろう。著者のアイデアか、訳者や編集者の思いつきかは知らないが、この人名表記は村上春…
書評 - 『天ハ自ラ助クルモノヲ助ク―中村正直と『西国立志編』』(名古屋大学出版会)張 競
先週、十二年ぶりにボストンを訪れた、郊外の本屋をのぞいたら、「セルフ・ヘルプ」というコーナーがあった。セラピーや対人関係や自己啓発の本がず…
書評 - 『上海オーケストラ物語―西洋人音楽家たちの夢』(春秋社)張 競
上海の租界に作られた交響楽団の歴史を追跡した労作だ。ヨーロッパの音楽がどのように東洋の町で演奏されるようになったのか。地道な資料調査にもと…
書評 - 『日本の200年〈上〉―徳川時代から現代まで』(みすず書房)張 競
高校の未履修問題で教育の現場が揺れている。大学教育に携わる者の一人として、思い当たるふしが少なくない。じっさい、大学生の知識は偏りが大きい…
書評 - 『かくも美しく、かくもけなげな―「中国のタカラヅカ」越劇百年の夢』(草の根出版会)張 競
「京劇」ならば、多くの人はその言葉を聞いたことがあるであろう。劇団の数では「越劇」が京劇に次ぐ規模ながら、日本ではほとんど知られていない。…
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