
1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
『ガートルードとクローディアス』(白水社)
豊崎 由美芝居好きなもので、これまで色んなパターンのハムレット劇を観てきたけれど、な~んか共感できなくて、肝心の主人公に。この若造の軽挙妄動のせいで…
書評
『パラダイス・フラッツ』(新潮社)
豊崎 由美「他人の不幸が嬉しい/のぞき見だけが生き甲斐/自分の都合が道徳/こんなストーカーがあなたのまわりにいませんか」と帯にはあって、確かに、都会…
書評
『超男性』(白水社)
豊崎 由美意外と、スポーツマンの作家は多い。有名どころだと、ヘミングウェイ、ジョン・アーヴィング、横光利一、村上春樹、アルチュール・クラヴァンあたり…
書評
『ユージニア』(角川グループパブリッシング)
豊崎 由美恩田陸といえば、九一年に『六番目の小夜子』でデビュー以来、ミステリー、ホラー、ファンタジー、学園小説と多彩なジャンルの小説を手がけるエンタ…
書評
『オレンジだけが果物じゃない』(国書刊行会)
豊崎 由美翻訳家・岸本佐知子さんの訳したくなる作家の基準は、「小説書いてなかったらどうなってたんだろうって心配になるくらいヘンな人」なんだそうだ。ス…
書評
『石川くん』(集英社)
豊崎 由美今年の日本文学の収穫のひとつに、温故知新のコラボレーションがあるのではないだろうか。 高橋源一郎の『日本文学盛衰史』と『官能小説家』、笙野頼…
書評
『ムーン・パレス』(新潮社)
豊崎 由美七年ほど前に現在の住居に移った時、わたしはしばらく一〇〇箱近いダンボールに囲まれて生活していたことがある。中味は全部本。ダンボールの上で食…
書評
『ららら科學の子』(文藝春秋)
豊崎 由美主人公に、名前がない。本当はあるのだろうけれど、この小説の中で名前を名乗ることもなければ、呼ばれることもついにない。「彼」は学生運動華やか…
書評
『太陽の塔』(新潮社)
豊崎 由美〈何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ〉なんて大それたことを言い放つ、この小説の語り手は…
書評
『ヒストリア』(KADOKAWA)
豊崎 由美池上永一といえば、女性には許されない学問を諦めず、やがて王府の役人として異例の出世を遂げていく少女の破天荒な活躍を、19世紀、薩摩藩と清国の…
書評
『文学的商品学』(文藝春秋)
豊崎 由美斎藤美奈子は男前な女なんである。もしかしたら”偉い人”の不興をかうかもしれぬ意見であっても、建前で武装することなく、相手の目を見てきちっと理…
書評
『体の贈り物』(新潮社)
豊崎 由美この世の中にはギブ&テイクの精神がまかり通っている。「わたしが○○してあげたんだから、あなたも××してよ」。そこには、いつも自分一人しか存在し…
書評
『シンセミア』(講談社)
豊崎 由美連載期間三年半、原稿用紙一六〇〇枚にも及ぶ阿部和重の大長篇小説『シンセミア』を一読、驚いてしまった。だって、ミステリーなんだもん、バリバリ…
書評
『インディヴィジュアル・プロジェクション』(新潮社)
豊崎 由美インディヴィジュアルは「個人的な」という意味でいいとしても、プロジェクションには様々な意味がある。「計画」であると同時に、心理学の世界では…
書評
『泣かない女はいない』(河出書房新社)
豊崎 由美子供の頃「おとこ女」と呼ばれておりましたの。つまり、男みたいな女ってことだすわね。だすわよ。で、いわゆる女心というものを解さないまま成長し…
書評
『パラレル』(文藝春秋)
豊崎 由美〈なべてこの世はラブとジョブ〉。大学在学中にバブル崩壊を経験し、不景気のまっただ中に働き盛りの三〇代を迎えた世代の、ラブ&ジョブの一〇数年…
書評
『バースト・ゾーン―爆裂地区』(早川書房)
豊崎 由美「テロリンを殲滅せよ!」、ラジオからは戦意高揚のメッセージが四六時中流れ、少しでもテロリンっぽい行動をした者は民衆のリンチによってぶち殺さ…
書評
『ポーの話』(新潮社)
豊崎 由美どことも知れぬ遠い町や村を舞台に、象徴性を帯びたキャラクターを多々登場させるいしいしんじの小説は、寓話とかファンタジーとかに括られがちで、…
書評
『牛乳アンタッチャブル』(双葉社)
豊崎 由美九八年に『闇の楽園』でデビューして以来、『溺れる魚』『湾岸リベンジャー』『the TWELVE FORCES』『なぎら☆ツイスター』等々、打出の小槌のごとく…
書評
『The Twelve Forces』(角川書店)
豊崎 由美二一世紀、大ブレイクする作家は戸梶圭太! だからといって、直木賞は獲りませんけど。ていうか、いらないし。本人じゃないのに拒否するのもアレです…
書評














