種村 季弘SUEHIRO TANEMURA
公式サイト: http://www.span-art.co.jp/
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1933年(昭和8年)3月21日 - 2004年(平成16年)8月29日)。独文学者、評論家。古今東西の異端的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、クライストやホフマン、マゾッホなど独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、錬金術や魔術、神秘学研究でも知られる。これ…もっと読む
優雅で小粋な生のエスプリ漢詩はあったし長歌もあった。しかしなんといっても短歌・俳句のほかの近代詩は西欧文学受容以後のことだろう。翻訳詩が新…
いけばなの文化史は寺社の祭礼や社交遊戯と切ってもきれない関係があるので、さぞや明快な通史があるのだろうと思うと、闇に包まれた部分が多いのだ…
自らの死を描こうとした作家の余白誕生の記憶を書いた作家(三島由紀夫)はいるけれども、自らの死を書いた作家はいない。デュシャンではないが、「…
赤やピンクの下着があっていいでしょ女の下着が白一色でしかない時代があった。ピンクや赤の下着などはスキャンダルもいいとこ。下着といえば、女…
1936年のベルリン・オリンピック大会。イタリア選手団は黒シャツに白ズボン、トルコ帽風の帽子に肩からななめにかけたたすき。ナチス・ドイツは白の…
母胎還帰志向のエロス 無名の昆虫に似た男の生涯と狂熱四百頁余に及ぶこの小説のモチーフは、冒頭の章、少年の主人公が盲目の実母から引き離されて…
金がなくても心豊かだった過去に学ぶラダックといえば秘境で名高い。ヒマラヤ山脈西端の高地砂漠地帯に位置し、チベット、パキスタン、中国、アフガ…
危機管理者の「復古」への情熱天明の大飢饉(だいききん)があった。浅間山が噴火した。一七八八年には京師(京都)の十分の九を大火が焼き尽くした…
おもしろずくめの手ごわい迷路亡くなったさる中国文学の大家の蔵書が即売会に出た。すこしおくれて行くと、めぼしいのはあらかた売れて、一冊百円の…
花や風と同化して貫いた人生木々の影を映す疎水が流れ、白壁が続く道の行く手に天守閣が見える。播州(ばんしゅう)龍野といえば魯山人(ろさんじん…
SARSの時代に再び庶民の神様そういえば家族がやっていた。こっくりさん、こっくりさん、来てください……だっけ。誰しもこっくりさんには多少の思い出…
はてな? そうか、なるほど 面白いもう月が変わったけど、お正月は一家で絵双六(すごろく)や福笑いをたのしみましたか。お正月遊びは字を知らなく…
交わらざれば、万物興らず…か同じ訳者による王仁湘(ワンレンシアン)『中国飲食文化』(青土社)は、まるごとおいしい本だった。それはそうと、『…
日本に今これだけの稀覯本があるのか、という快い驚きが、最初の十数ページを繰るうちにおのずと湧いてくる。活版印刷ではじめて印刷されたグーテン…
あくなき破壊の欲望がド・ブランヴィリエ侯爵夫人の名は、すでにE・T・A・ホフマンの『スキュデリー嬢』やカーの『火刑法廷』と結びついて、大方の…
定本『鷲巣繁男詩集』冒頭の扉には、「わが書の扉が固く、多くを拒む」の句にはじまるエピグラマが掲げられている。一読、まことに扉は固く、軽薄な…
長い旅から帰ってきて詩人は安らいだ病床にある。柩(ひつぎ)のなかにあるように/枕に頭を沈めていると/眠ってはまたふっとめざめる眠りとめざ…
キリスト教化される以前のヨーロッパには、各地に独特の古層の文化が存在した。年越しにやってくる鬼、魔女、サンタクロースの原型のサンクト・ニコ…
物静かに語られる悠々たる学風一九四一年に最晩年のリヒャルト・シュトラウスとフランツ・レハールのそれぞれ自作を指揮する演奏会を聴いた、と聞け…
かつて『エラノス年報』の一九五一年版『人間と時間』を卒読したとき、古代印度人の思考における時間と永遠について論じたエリアーデや、マツダ教の…