種村 季弘SUEHIRO TANEMURA
公式サイト: http://www.span-art.co.jp/
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1933年(昭和8年)3月21日 - 2004年(平成16年)8月29日)。独文学者、評論家。古今東西の異端的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、クライストやホフマン、マゾッホなど独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、錬金術や魔術、神秘学研究でも知られる。これ…もっと読む
ボナールの〝オレンジ色〟「平賀敬の鼻はストロベリーのように赤い」と谷川晃一が書くと、思わずポンと膝を叩くほかはない。確かにあの鼻は梅干色で…
へえ、釣りバカの故郷は大江戸か…東京住まいのときは晴海埠頭(ふとう)の岸壁でダボハゼが釣れた。いま住んでいる湯河原でも、十五分もあれば海に…
「自分の死」を取り戻せるか?重症患者の傍らで往診に訪れた医者がフラスコのようなものをかざしている。患者の尿を診(み)る視尿術という診察法だ…
晴明伝説のネタ本、見〜つけた!偽書は、近代の自我意識の産物である盗作や贋作(がんさく)とは別物だ。平安末期から鎌倉時代にかけての院政期、秩…
中世の説話にも似た晩年の闘病記下咽頭腫瘍の手術の際にソセゴンという麻酔剤を注入されて幻覚を見た。なにもない白地のはずの天井に地図がびっしり…
純粋な獣の快楽に没入 非言語の森を渉猟する自画像ときおり出口裕弘氏は物いわぬ獣に変身して市中の小路大通りを徘徊することがあるらしい。「乗物…
遠い、だが確かな記憶 詩人の半生昭和二年(一九二七)生まれ。まだ田園だった大宮(さいたま市)に育った。後年の詩人中村稔は意外なことにスポー…
きらめく悪の実存的分析 栄華と悲惨の極限を極めつくした"母親"わたしたちの場合ならさしずめ講談講釈の類いを通じて親しいような、ネロ…
朝は三時に起きる。時間をかけてのんびり、横浜の自宅から都内の仕事場へ。七時頃仕事場に着くが、仕事らしい仕事はしない。昼になると近くの食堂で…
光速運動者の冒険 "図"にたいする異常な執着あらゆる冒険家、探検家、旅行家の"図"にたいする異常な執着は何を意味するのだろ…
その気なら誰でもなれそう不老不死の身体を獲得するには、はるか海上の神山まで旅して神仙界に昇天しなくてはならない。それに神仙は俗人のような飲…
時間は止まった、美少女よ永遠にアナイス・ニンといっても、ご存じない方もおいでかもしれない。スペインの名ピアニスト、ホアキン・ニンの娘として…
ひとが生き、老い、死んでいく「場所」鎌倉観光の娘たちが道をふさいでいるのを見ると動物的な唸(うな)り声をあげて洋傘(ようがさ)で追い払う老女が…
道草からの逆襲とりあえずは僧院連続殺人ミステリーである。北イタリア、ボッビオの町にほど近い山上台地の修道院内で、7日間のうちにつぎつぎに6人…
情報と輪廻2人の兄弟が誘拐された父をさがして未来都市に旅立つ。消費が自己目的化して、いわば消費が消費者を消費しつくした世界が行く手にひろが…
ふきんがこわいふきんと書いてあるふきんがあったそうだ。それをロシア、ヨーロッパから帰ったばかりの映画監督が見て、これが日本のやさしさだとい…
裏面物のカタルシス不足偉大な人物が亡くなった後の、スタンダードなオフィシャル・バイオグラフィーは、しばしば当の人物のマイナス面をかくすため…
とり落とした掌中の珠少年少女というにはやや大人に近い。少年期をすぎて大人に向かいつつある年ごろ、つまりはアドレッセンス。少年たちは、ここで…
狼を待ちながらいまさら赤頭巾ちゃんでも、という人もあるだろうが、アメリカには現実に狼がうようよしているらしい。「今私が教鞭をとっている大学…
旅をする巨鳥相撲の本なのに旅のにおいがする。まずガルーダという巨鳥が旅をする。翼をひろげれば三百万里に達し、那羅延天(ならえんてん)という…