種村 季弘SUEHIRO TANEMURA
公式サイト: http://www.span-art.co.jp/
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1933年(昭和8年)3月21日 - 2004年(平成16年)8月29日)。独文学者、評論家。古今東西の異端的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、クライストやホフマン、マゾッホなど独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、錬金術や魔術、神秘学研究でも知られる。これ…もっと読む
未知の顔とあいまみえるか牧野信一の新全集が出はじめた。今月が第五回配本(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2002年)。熱心なファンのいる…
読みたくなる鏡花泉鏡花はその名のほどにはよまれていない作家ではないかと思うことがある。鏡花作品といえば、比較的初期の『照葉狂言』、『薬草取…
優美な室内楽の追憶滅びることができたものへの挽歌流薔園という奇妙な名の精神病院を舞台にしたこの十三篇の連作小説集を一読して、おや、ここは…
宇宙がどうであっても…ここ夜の十字路の角にぽつんと灯をともした食堂がある。十字路の四方から吹き寄せるつむじ風が起こるので、その名も「つむじ…
姿をくらますエロス規制をするからはみだす。相手は「世界最古の職業」である。近代ブルジョア思想の成立以前から、いたるところに生きていた。なく…
大いなる眼に見られをり——眞鍋呉夫句集『雪女』のために眞鍋呉夫さんは、私などはこれまで『黄金伝説』などの小説家として愛読してまいりました。と…
よしこちゃん、ひでぶみくんの世界還暦(六十歳)祝いの席で現在九十歳の老母から記念品をもらった(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2002年…
ボナールの〝オレンジ色〟「平賀敬の鼻はストロベリーのように赤い」と谷川晃一が書くと、思わずポンと膝を叩くほかはない。確かにあの鼻は梅干色で…
へえ、釣りバカの故郷は大江戸か…東京住まいのときは晴海埠頭(ふとう)の岸壁でダボハゼが釣れた。いま住んでいる湯河原でも、十五分もあれば海に…
「自分の死」を取り戻せるか?重症患者の傍らで往診に訪れた医者がフラスコのようなものをかざしている。患者の尿を診(み)る視尿術という診察法だ…
晴明伝説のネタ本、見〜つけた!偽書は、近代の自我意識の産物である盗作や贋作(がんさく)とは別物だ。平安末期から鎌倉時代にかけての院政期、秩…
中世の説話にも似た晩年の闘病記下咽頭腫瘍の手術の際にソセゴンという麻酔剤を注入されて幻覚を見た。なにもない白地のはずの天井に地図がびっしり…
純粋な獣の快楽に没入 非言語の森を渉猟する自画像ときおり出口裕弘氏は物いわぬ獣に変身して市中の小路大通りを徘徊することがあるらしい。「乗物…
遠い、だが確かな記憶 詩人の半生昭和二年(一九二七)生まれ。まだ田園だった大宮(さいたま市)に育った。後年の詩人中村稔は意外なことにスポー…
きらめく悪の実存的分析 栄華と悲惨の極限を極めつくした"母親"わたしたちの場合ならさしずめ講談講釈の類いを通じて親しいような、ネロ…
朝は三時に起きる。時間をかけてのんびり、横浜の自宅から都内の仕事場へ。七時頃仕事場に着くが、仕事らしい仕事はしない。昼になると近くの食堂で…
光速運動者の冒険 "図"にたいする異常な執着あらゆる冒険家、探検家、旅行家の"図"にたいする異常な執着は何を意味するのだろ…
その気なら誰でもなれそう不老不死の身体を獲得するには、はるか海上の神山まで旅して神仙界に昇天しなくてはならない。それに神仙は俗人のような飲…
時間は止まった、美少女よ永遠にアナイス・ニンといっても、ご存じない方もおいでかもしれない。スペインの名ピアニスト、ホアキン・ニンの娘として…
ひとが生き、老い、死んでいく「場所」鎌倉観光の娘たちが道をふさいでいるのを見ると動物的な唸(うな)り声をあげて洋傘(ようがさ)で追い払う老女が…