種村 季弘SUEHIRO TANEMURA
公式サイト: http://www.span-art.co.jp/
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1933年(昭和8年)3月21日 - 2004年(平成16年)8月29日)。独文学者、評論家。古今東西の異端的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、クライストやホフマン、マゾッホなど独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、錬金術や魔術、神秘学研究でも知られる。これ…もっと読む
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犯罪としての教育少年非行や家庭内暴力が問題になると、「教育が悪いからだ」という声が起こる。間違った教育をしたから、甘やかしたから、親が無関…
いかにも遊びの果てに「いかにも」の語感を一言で説明するのは難しい。いかにも貧乏人、いかにも芸術家……。本物そっくりのコピーでありながら、どこ…
ビックリ絵本M・C・エッシャーといえば、階段を上っている人間がいつのまにかその階段を下りていたり、画面の左半分から来た人間には階段となって上…
庭のたのしみルネサンス期に、中世の「囲われた庭」から自然を幾何学的に理念化する整形式庭園へと開かれた庭はイギリスにも入り込んで、エリザベス…
大河としての生命ジャングルのなかの、大きな川のほとりの町に生まれた一人の若者が、石女の妻に子宝を授けてくれる薬草をもとめて、遠い旅に出る。…
偽書という情報犯罪父親の職業さえ不明ないかがわしい生まれの少年が、わずか十五歳でロンドンのファーリンドン通りの屋台の古本屋でシェリーの稀覯…
あなたにそっくり手術が終わって患者の顔から整形医が包帯をとると、出てきた顔はハンフリー・ボガートそっくりである。それから男は、「サム・マー…
読めなかった絵画論ニューヨークのメトロポリタン美術館に、モデルが久しく不明だったレンブラント作の肖像画がある。モデルがレンブラントの周辺に…
戦後の戯画一九四五年八月上旬、中井氏は市谷の大本営航空通信隊にいて腸チフスにかかり、世田谷の第二陸軍病院で昏睡状態のうちに敗戦を迎えた。八…
余禄の人生深沢七郎氏は十年ほど前に心臓病で倒れ、それからの十年間を医者通いで過ごしている身だという。「とっくに冥土へ着くはずだが、まだ道草…
技術のファンタジー『地図のファンタジア』の題名通り、古今東西の地図を素材にして、これにまつわるファンタジーを縦横に語ったエッセイ集である。…
艶なる宴の方へある週刊誌の、「最近記憶に残った本」を挙げる読書欄のようなところにこの本のことにふれて、「モーツァルトを聴き、上等のコニャッ…
功利的な怪談新春のアメリカ映画『フューリー』では、思春期の少年少女がサイコキネティック現象を援用して自由自在に人を出血させたり、騒霊を操っ…
虚実を包む愛「虚の世界」は里見八犬士が縦横に活躍する乱世、「実の世界」はその物語『南総里見八犬伝』の構想を絵師北斎に語りきかせる、滝沢馬琴…
大福が食いたい東京の某所に大福餅を売るお店がある。朝九時から長蛇の列がならぶ。付近には流行のクレープなんぞを売るお店もあるにはある。しかし…
物理人間の系譜この本の冒頭に出てくる澁澤龍彦は、漫画の鉄腕アトムかタンクタンクロー、あるいは人形劇「パンチとジュディー」のいささか凶暴性の…
玉の話六つの物語を一巻に編んだ綺譚集である。コント・ファンタスティック、すなわち世にも不思議な物語を、サドやフランス幻想小説の翻訳家として…
吸血鬼入門毎年、夏が近づいてくると、かならず判で押したような内容の電話が掛ってくる。「こちらは××社ですが、七月号に妖怪特集を企画しておりま…