種村 季弘SUEHIRO TANEMURA
公式サイト: http://www.span-art.co.jp/
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1933年(昭和8年)3月21日 - 2004年(平成16年)8月29日)。独文学者、評論家。古今東西の異端的・暗黒的な文化や芸術に関する広汎な知識で知られ、クライストやホフマン、マゾッホなど独文学の翻訳の他、内外の幻想小説や美術、映画、演劇、舞踏に関する多彩な評論を展開し、錬金術や魔術、神秘学研究でも知られる。これ…もっと読む
ワット氏の歩み――あるいは高山病症候群のことこの度は『終末のオルガノン』お送り下さいましてありがとうございました。『魔の王が見る』、『江戸の…
奇人伝が何だ前世紀末オーストリア=ハンガリー帝国に鉄鋼・武器産業を興して、またたくまに帝国きっての財を築いた一族があった。カール・ヴィトゲ…
島の入れ子構造湯微島が瀬戸内海にあることはたしかで、バス会社が競合するくらいだからかなり大きな島だろう。小豆島と思える節々もないではないが…
「退屈な話」の循環百年前の九〇年代直前にチェーホフが「退屈な話」という小説を書いた(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1990年)。主人公…
無人称の声夜を徹して、右か左か、東か西かの熱い議論を戦わせる。果ては殴り合いになり、刃傷沙汰の血が飛んだ。だれしも青春の一こまとして身に覚…
予言する死後解剖図かつて中・東欧を中心に、ときにはスラブ諸国、イタリアの一部からスペイン、メキシコにまでかけて巨大な版図を世界にひろげた帝…
夢想言語博物館はじめはアダムの言語という一つの言語しかなかった。しかしおごりたかぶった人間が天までとどくバベルの塔を建てようとしたので、神…
総合空間としての本書評といえば書物の批評だが、そこで取り上げられるのは、概して書物の精神的内容である。精神的内容を包む装飾としての書物とい…
まっ白の本備忘録は忘れないためのメモだが、「坐忘録」は読んだらすぐ忘れてもいいのだという。はなから書評にならないようなイヤな予感がする。坐…
偽書の真実十八世紀イギリスにトマス・チャタトンという天才詩人がいた。中世の古詩を復元したと称する作品を発表したが、偽作の嫌疑を持たれて十八…
花街という学校壇ノ浦の一族滅亡後、平氏残党の女たちが野の花を摘んで売った。やがてそれだけではなくて身を売った。栄華の昔を知る人は彼女たちを…
マダム・キラーの悪霊祓い下総国羽生村、鬼怒川ぞいの寒村で、十四歳の少女妻菊が突然床に倒れて口から泡をふき、夫や父親がおどろいて駆けつけると…
『書国探検記』(筑摩書房)という本を出したのは一九八四年のことで、あらかた十年ほど前のことになる。これも書評を中心に読書漫遊の旅日記のつも…
楽園としての書物無限にひろがる外の世界に対してそこだけ囲われた小宇宙。それが洋上にあれば島の楽園であり、陸上にあれば庭の楽園、不安な生その…
脳の交換口うるさいヒステリーの悪妻が、精神病院から戻ってくるとすっかり理想的な妻に変わった。調子がよすぎてどこかおかしいのである。もしかす…
犯罪としての教育少年非行や家庭内暴力が問題になると、「教育が悪いからだ」という声が起こる。間違った教育をしたから、甘やかしたから、親が無関…
いかにも遊びの果てに「いかにも」の語感を一言で説明するのは難しい。いかにも貧乏人、いかにも芸術家……。本物そっくりのコピーでありながら、どこ…
ビックリ絵本M・C・エッシャーといえば、階段を上っている人間がいつのまにかその階段を下りていたり、画面の左半分から来た人間には階段となって上…
庭のたのしみルネサンス期に、中世の「囲われた庭」から自然を幾何学的に理念化する整形式庭園へと開かれた庭はイギリスにも入り込んで、エリザベス…
大河としての生命ジャングルのなかの、大きな川のほとりの町に生まれた一人の若者が、石女の妻に子宝を授けてくれる薬草をもとめて、遠い旅に出る。…