建築史家。建築家。東京大学名誉教授。工学院大学教授。1946年長野県生れ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。1983年、『明治の東京計画』(岩波書店)で毎日出版文化賞受賞。1986年、赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を発足。1991年〈神長官守矢史料館〉で建築家デビュー。1997年〈ニラハウス〉で日…もっと読む
- 『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』(河出書房新社)藤森 照信
奇怪な石の迷宮にきらめく無垢な魂昭和のはじめ、深川に二笑亭と呼ばれる家があったことは聞いているだろう。家全体を迷路のように作り、壁の板のフ…
書評 - 『日本留学精神史―近代中国知識人の軌跡』(岩波書店)藤森 照信
日本の文明に目ざめた近代中国人が歩んだ軌跡虚を衝かれる思いがした。明治このかたの日本が先をゆく欧米に追いつこうと息せききって駆け続け、近代…
書評 - 『日本のかたち・アジアのカタチ―万物照応劇場』(三省堂)藤森 照信
耳を澄まし「形」の言葉を聞くこの本『日本のかたち・アジアのカタチ』(三省堂)は「まず、一つの体験を記してみたい」と始まる。福岡(柳川)の凧…
書評 - 『フジ三太郎名場面 1』(朝日新聞社出版局)藤森 照信
男女を通して世間を描いた“時間泥棒”フジ三太郎が終わった。長い長い間、朝か晩の一刻を楽しませていただいた。連載開始が昭和四十年四月一日、二十…
書評 - 『重税都市―もうひとつの郊外住宅史』(住まいの図書館出版局)藤森 照信
都市を動かしてきた力は税金だろうか書名を見てギョッとさせられた。花見の最中に冷たい水を首筋から流し込まれたような気分になった。ここ数年、東…
書評 - 『こども遊び大全―懐かしの昭和児童遊戯集』(新宿書房)藤森 照信
昔よくやった集団の肉体運動五六種縁側に腰かけて『こども遊び大全』(新宿書房)に目を通していると、隣の中学生が通りがかったから、呼んで、この…
書評 - 『ロンドン―地主と都市デザイン』(筑摩書房)藤森 照信
二歩も三歩も踏み込んだ都市入門書やっと出た。東京、ロンドン、パリ、とか三都を並べるけれど、実は私たちはこれまで東京以外については何も知らな…
書評 - 『地上楽園バース―リゾート都市の誕生』(岩波書店)藤森 照信
賭博師が育てたイギリス温泉町の盛衰一年半ほど前に『地上楽園バース』が刊行され、このたび『バースの肖像』が出た(ALL REVIEWS事務局注:本書評…
書評 - 『楽しい昆虫採集』(草思社)藤森 照信
虫捕り指南頭でっかちでなく、あたらしい生活の思想と技術を紹介する実用書が必要とされる時代なのに、なかなか書評欄に載りにくい。虫好きの仏文学…
書評 - 『海の味―異色の食習慣探訪』(八坂書房)藤森 照信
メダカの佃煮を食べてみようイソギンチャクやヒトデを魚貝類とは言わないかもしれないが、カワニナだと魚貝の貝にはいちおう入るだろう。メダカ、マ…
書評 - 『森の掟―現代彫刻の世界』(小沢書店)藤森 照信
視覚の奴隷化した触覚の解放を訴える同じ建設業ではあるが、土木と建築には大きな差がある。土木は何百億もの闇献金を生み出すが、建築にそういうパ…
- 『上海―都市と建築 1842‐1949年』(PARCO出版局)藤森 照信
光と闇の衝突する魔都形成の基本書パリもロンドンもいいが、薬物にも似た魅力という点ではやはり上海がいい。昭和はじめに村松梢風あたりが言い始め…
書評 - 『ぼくのコドモ時間』(筑摩書房)藤森 照信
ほのかに熱い思いを呼びさます淡々描写「コドモ時間」というのは、ボクの造語ですが、こんなコトバをわざわざ思いついたのにはワケがある。コドモの…
書評 - 『石器時代文明の驚異―人類史の謎を解く』(河出書房新社)藤森 照信
石器時代は人類の文明活動の基本同じ石器でも、旧石器時代と新石器時代(縄文時代)の扱いはぜんぜんちがう。新石器時代は、大きな発掘のあるたびに…
書評 - 『住宅道楽―自分の家は自分で建てる』(講談社)藤森 照信
奇怪な注文主と建築家の奮闘記もし読者で、地価も下ったことだし、住宅を作る計画を立てようか、なんて考えて、住宅雑誌を手にしてワクワクしている…
書評 - 『カラオケ・アニメが世界をめぐる―「日本文化」が生む新しい生活』(PHP研究所)藤森 照信
あちこちで現地化する日本の生活文化上海でもシンガポールやハノイでも、繁華街を歩けばカラオケ・バーが目につく(ALL REVIEWS事務局注:本書評執…
書評 - 『図説藁の文化』(法政大学出版局)藤森 照信
不憫なワラが頼られるワラに変身日本の伝統文化や人々の心のべースに稲作というものが潜んでいることはしばしば指摘されるし、そういう自覚のない人…
書評 - 『文房四宝 墨の話』(KADOKAWA/角川学芸出版)藤森 照信
妖気がひそむという墨の魅力文房四宝などというものを身近に感じたことはないが、それでも、墨・筆・硯・紙の四つのうち、筆と硯と紙については、そ…
書評 - 『バースの肖像―イギリス18世紀社交風俗事情』(研究社出版)藤森 照信
賭博師が育てたイギリス温泉町の盛衰一年半ほど前に『地上楽園バース』が刊行され、このたび『バースの肖像』が出た(ALL REVIEWS事務局注:本書評…
書評 - 『歴史の現場―幕末から近・現代まで』(五柳書院)藤森 照信
重要なのは「一人でいて淋しくない」人間文を書く人から骨の硬さがどんどん喪われてゆく、そんな感じを持つようになってから、松本健一の書くものを…
書評