斎藤 環TAMAKI SAITO
公式サイト: https://www.facebook.com/profile.php?id=100021446644818
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1961年、岩手県生まれ。1990年、筑波大学医学専門学群 環境生態学 卒業。医学博士。爽風会佐々木病院精神科診療部長(1987年より勤務)を経て、2013年より筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。また,青少年健康センターで「実践的ひきこもり講座」ならびに「ひきこもり家族会」を主宰。専門は思春期・青年期の精神…もっと読む
患者、スタッフの主体性回復を問う近年、精神医学の専門性に疑義を呈する声が次第に高まりつつある。現代の精神医学は長い停滞期にあるのではないか…
表現とは症状であり人生なのだ、と「センス」という言葉はどうも苦手だ、とセンスがあまりよろしくない評者は考える。そこには精神科医として仕方の…
トラウマ臨床の「政治」回帰がここにハーマンの前著『心的外傷と回復』(みすず書房、邦訳1996年)は「フロイト以来最も重要な精神医学書」とも評さ…
実は私は、井伏鱒二にファンレターを出して面会を求めたことがある。驚くなかれ、返信が来た。病中につき難しい、とのことだった。当時はノーベル文…
「ケアの倫理」「正義の倫理」葛藤本書の冒頭、少女時代の著者は、心を病んだ母親に付き添って、精神科病棟で生活を始める。あきらめと沈黙が支配す…
近代社会が生んだ新しい感情「群」の諸相いまや孤独は、全世界的な社会問題だ。イギリスが二〇一八年に孤独担当大臣を創設したことは大きく報道され…
女性同士の連帯と「ケアの倫理」「ノンストップ・ノワール小説!」と帯に記された本作は、コロナ禍に伴走するかのような新聞連載小説だった。かつて…
「反精神医学」から治療論を見出す読みミシェル・フーコーという名前から人は何を連想するだろうか。一望監視装置(パノプティコン)? 生権力批判…
本来の自分奪う「他人のまなざし」著者はてんかんと精神病理学を専門とする精神科医で、自身をADHD(注意欠如・多動症)と診断する立場から『発達障…
複数の知を整理する球体の臨床学東畑氏の著作は、ともかくタイトルが巧い。臨床心理の専門家が書く「ふつうの相談」。なんともそそる書名ではないか…
道徳的非難、背景に社会の構図本書は依存症の問題を、依存症当事者として、あるいは精神科医として、さらには人類史的な視座から立体的に描き出す、…
精神医療の試みとして「回帰」する「対話」2022年に上梓(じょうし)された大著『力と交換様式』の解説書。本書はさしあたり、そのように位置づける…
深層構造に想定し美術史を読み直す本書の冒頭で著者は、印象派から後期印象派、キュビスムに至る流れにおいて「眼(め)に実際飛び込んでくる情報と…
必要なのは適切な治療と回復支援本書は薬物依存症臨床の第一人者による、一般向け解説書の決定版である。著者の松本は国立精神・神経医療研究センタ…
身体性に裏打ちされた言語が重要新進気鋭の歴史学者として“デビュー”した著者は、2011年に出版した『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』…
古都の「いやらしさ」とは「千年の古都のいやらしさ」と帯にある。あ~はいはい、「ぶぶ漬け」が帰宅フラグで、「この前の戦争」が応仁の乱なんでし…
「ダメ、ゼッタイ」から包摂へあなたは、こんな風に考えてはいないだろうか。アル中は迷惑なところもあるけれど、人間臭くて憎めない。いっぽう大麻…
行動する哲学者の格差社会への抗議ラカン派にしてマルクス主義者という奇妙な肩書を持つ哲学者が、現代において可能な革命について語る。90年代から…
人生の意味は「ただ生きる」昨今の哲学界隈(かいわい)をにぎわすトピックが、「実在論」の新たな潮流である。そこには複数の流派があり、評者が理…
愛すべきヒヒの死、根底に怒りと祈りまずはタイトルの勝利である。もし今年のタイトル翻訳賞なんてものがあったら、上半期ならトップ、年間ベストス…