1970(昭和45)年岡山市生れ。国際日本文化研究センター准教授。2002年、慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。博士(史学)。日本学術振興会特別研究員、慶應義塾大学非常勤講師などを経て現職。著書に『武士の家計簿』(新潮ドキュメント賞)、『殿様の通信簿』『近世大名家臣団の社会構造』など。もっと読む
- 『江戸の宇宙論』(集英社)磯田 道史
太陽系外生命体や宇宙人の存在を予見私事で恐縮だが、私は歴史少年かつ天文少年で、昼は古墳を巡り、夜は晴れれば、星を眺めた。だから、前方後円墳…
書評 - 『方長老上京日史・飲冰行記』(ゆまに書房)磯田 道史
真の事実と、記録された事実江戸時代、漢城(ソウル)に入った日本人はまことに少なかった。朝鮮は琉球の漂流民を漢城の施設に入れることはあっても…
書評 - 『新型コロナワクチンの光と影 誰も報じなかった事実の記録』(方丈社)磯田 道史
「因果関係不明」求められる後遺症の検証最初にことわっておく。本書の見解と私の見解はかなり違う箇所もある。また著者のCBCテレビアナウンサー大…
書評 - 『中国パンダ外交史』(講談社)磯田 道史
かわいさ故に 「国策動物」の発見と利用パンダが町にやってきた時の熱狂を私は憶えている。東京ではない。1988年の岡山だ。「殿様(旧藩主)の動物…
書評 - 『鬼と日本人の歴史』(筑摩書房)磯田 道史
外国人排除、侵略正当化の道具に鬼は日本を見る鏡のようなものである。鬼という字は中国由来だ。元来、中国では鬼は死者の霊であり、死ねば皆、鬼と…
書評 - 『山岡鉄舟・高橋泥舟:もとの姿はかわらざりけり』(ミネルヴァ書房)磯田 道史
「徳を積むことで勝て」愛されるゆえん「幕末三舟」は勝海舟・山岡鉄舟・高橋泥舟だ。海舟は有名だ。鉄舟も江戸無血開城で知られるが、泥舟は知名度…
書評 - 『幕府海軍-ペリー来航から五稜郭まで』(中央公論新社)磯田 道史
誕生と転換、内戦、解体を丹念に幕府海軍は短命だった。存在したのは十三年ほど。旧幕府艦隊として箱館方面に脱走した期間を入れても十五年ほどだ。…
書評 - 『古代国家形成期の社会と交通』(同成社)磯田 道史
奈良盆地に王権、分水嶺から考察日本列島での国家誕生にはロマンがある。3世紀の「邪馬台国」や記録が少ない「空白の4世紀」、5世紀の巨大古墳は歴…
書評 - 『明治の説得王・末松謙澄 言葉で日露戦争を勝利に導いた男』(集英社インターナショナル)磯田 道史
棒読み時代 言葉の力を再認識明治の近代化はよく進取の気性に富み勤勉で倫理的だったからできたと言われるが、肝心な要素の指摘が抜けている。言葉…
書評 - 『「明治」という遺産:近代日本をめぐる比較文明史』(ミネルヴァ書房)磯田 道史
「融通」が力の源泉だった『「明治」という遺産』という題だが、明治維新の顕彰本でも礼賛本でもない。とにかく重厚な本である。なにしろ国内外の第…
書評 - 『浦上玉堂:白雲も我が閑適を羨まんか』(ミネルヴァ書房)磯田 道史
詩文の解析から極北の文人に迫る浦上玉堂の評伝がでた。玉堂とは何者か?と問われれば「琴詩書画の清雅を好み、諸国を漂泊した文人」と解説的に答え…
書評 - 『信長徹底解読: ここまでわかった本当の姿』(文学通信)磯田 道史
史実と脚色の境を知る織田信長は有名すぎて、虚実ない交ぜの人物像になっている。若い時分に、異様な装束を着て、父・信秀の葬儀で奇矯な振る舞いを…
書評 - 『ビーズでたどるホモ・サピエンス史』(昭和堂)磯田 道史
シンボルを共有し、こだわる罪深い脳ビーズの研究は絶対的に重要である。ビーズは「素材に穴をあけて紐(ひも)でつなげたもの」だが、ほかの道具と…
書評 - 『椿井文書―日本最大級の偽文書』(中央公論新社)磯田 道史
見抜けなかった失敗から何を学ぶか本書は「日本最大級の偽文書」の物語である。日本最大級とは「その被害規模と根深さが」という意味。偽物にも比較…
書評 - 『甲賀忍者の真実』(サンライズ出版)磯田 道史
子孫の意地、大量史料で実在を証明本書は著者がすごい。忍者本は山ほどあるが、こんな本はない。ほんとうに曽祖父が忍者で、それをつゆ知らずに育っ…
書評 - 『幕末維新の漢詩: 志士たちの人生を読む』(筑摩書房)磯田 道史
漢詩に吐露された志士の真情幕末志士のことを知りたい人が、このごろ増えてきているが、歴史学者としては、現状、志士の情報には大穴ともいうべき「…
書評 - 『日本人の病気と食の歴史』(ベストセラーズ)磯田 道史
産業医が説く「養生」の基本日本は1億2000万という大きな人口で「健康長寿」の大国になっている。大陸からの流入と混血で成り立ったとはいえ、島国…
書評 - 『交隣提醒』(平凡社)磯田 道史
江戸期日朝外交の知恵に学ぶ天動説の外交はいけない。地動説の外交でなくてはならぬ。なぜなら、外交には相手があり、世界全体の動きがかかわる。国…
書評 - 『日本のイネ品種考 木簡からDNAまで』(臨川書店)磯田 道史
多様性の力、イネに学ぼう即位の礼・大嘗祭(だいじょうさい)が、いまごろなのには理由がある。日本が戦争に負けるまで「登極令」という皇室令があ…
書評 - 『巨大津波 地層からの警告』(日本経済新聞出版社)磯田 道史
津波堆積物追い、被害想定へ東日本大震災以後、地震津波の研究現場で異変が起きている。震災前よりも、地震や津波の規模が大きく語られるようになっ…
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