フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有…もっと読む
- 『地下世界―イメージの変容・表象・寓意』(平凡社)鹿島 茂
世の中には自分と同じような姿形の人間が三人いると言われるが、全然関係のないところで同じようなことを考えている人間というのも、二人か三人はい…
書評 - 『モードの帝国』(筑摩書房)鹿島 茂
内容と形式の一致した本を書く。これは物書きなら誰もが一度は夢見ることである。映画を語るのに映画の文体で書く。パリを語るのにパリの文体で書く…
書評 - 『欧米の隅々: 市河晴子紀行文集』(素粒社)鹿島 茂
驚愕の観察眼、90年ぶりに蘇る私は渋沢栄一の伝記作者であり、日本人のフランス滞在記のコレクターだが、本書を前にしたとき、深く不明を恥じざるを…
書評 - 『群雄創世紀―信玄・氏綱・元就・家康』(朝日新聞社)鹿島 茂
これは、もしかすると日本の歴史学に不可逆的な変化をもたらす本かもしれない。なぜなら、日本の歴史学ではかつて用いられたことのない独創的な方法…
書評 - 『横尾少年―横尾忠則昭和少年時代』(角川書店)鹿島 茂
大衆文化(マス・カルチャー)は直接には先端文化(ハイ・カルチャー)を生まない。だが、ある特別の濾過器(ろかき)を通ったとき、前者は凝縮・純…
書評 - 『夢の砦 ___ 二人でつくった雑誌「話の特集」』(ハモニカブックス)鹿島 茂
最も輝いていた「昭和の伝説」1965年、 高校通いの帰途、横浜駅ビルの書店で雑誌を立ち読みするのを楽しみにしていた私は12月のある日、 見慣れない…
書評 - 『水中の驚異(ファンタスティック12)』(リブロポート)鹿島 茂
諸君はよくパリの町でポンスのような男やマギュスのような男が、向こうから歩いてくるのを見かけたことがあるだろう。彼らの身なりは至って貧乏くさ…
書評 - 『風景画の病跡学―メリヨンとパリの銅版画』(平凡社)鹿島 茂
ある国のある時代を象徴するような人物がそろって同じ年に生まれるという偶然を歴史は何回も経験している。たとえば、一八二一年という年は、フラン…
書評 - 『物語 スコットランドの歴史-イギリスのなかにある「誇り高き国」』(中央公論新社)鹿島 茂
起源から探る独立運動の背景フランス屋の私とってスコットランドは視野から外せない国(地域)である。イングランドと長いあいだ敵対していたフラン…
書評 - 『鏡と皮膚―芸術のミュトロギア』(筑摩書房)鹿島 茂
優れた芸術作品というものは、必ずおのれ自身のジャンルにたいする存在論的問いかけを含んでいるものだが、著者によれば、絵画とはなにかという問い…
書評 - 『世界は五反田から始まった』(株式会社ゲンロン)鹿島 茂
日本近代史に重なるミクロストリア五反田近くの戸越銀座で祖父の代から下請け工場を営む一家に育った著者は「五反田を五反田たらしめている特色」は…
書評 - 『フランク史I クローヴィス以前』(名古屋大学出版会)鹿島 茂
王国史「空白の200年」の謎を解く琥珀西洋史教科書の年表を開いて西暦481年のクローヴィスによるフランク王国建国の「あと」のところを眺めていただ…
書評 - 『漫画と人生』(集英社)鹿島 茂
荒俣宏は現代におけるレオナルドともいうべき隔絶した存在だが、その彼が小学生の頃から少女まんが家を志し、大学生になってもなお作品の持ち込みを…
書評 - 『幕末欧州見聞録―尾蝿欧行漫録』(新人物往来社)鹿島 茂
ファースト・コンタクトというのは、いかなる時代のものであれ、興味深いものである。そして、それが本書のように幕末の日本人が西洋文明に初めて遭…
書評 - 『黒い瞳のエロス―ベル・エポックの三姉妹』(筑摩書房)鹿島 茂
パリのオデオン街の古書店で、女性ジャーナリストのドミニク・ボナは「ある著名作家の秘密コレクション」というタイトルの付いた小箱を見つける。開…
書評 - 『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社)鹿島 茂
映画『グランドホテル』(1932年)形式に倣って「満洲国の『新しい土地』を踏んだ人々に次々と登褊して」もらい、「一人ひとりの『満州』の細部を積…
書評 - 『世界の古書店』(丸善)鹿島 茂
海外で一定額以上の買い物をしてくれば、税関で税金をかけられることはだれでも知っている。だが、一つだけ、いくら高くても税金のかからないものが…
書評 - 『滞欧日記』(河出書房新社)鹿島 茂
その昔、石川淳の『西游日録』を読んだとき、不思議な感じがしたのを覚えている。というのも、ソ連経由で初めてフランスに入った石川淳は、パリの地…
書評 - 『新編 表象の迷宮―マニエリスムからモダニズムへ』(ありな書房)鹿島 茂
思えば、本を買って読むという行為自体がその人の審美的態度を反映するという命題、つまり「君の本棚にある本を見せたまえ、君がどんな感受性をして…
書評 - 『歴史の風 書物の帆』(小学館)鹿島 茂
あとがきに代えて人文系統の物書き稼業を何年か続けていると、懐はいっこうに暖かくならないのに、書いた書評の数だけは確実に増えてくる。おまけに…
後書き