読書日記

夏休み企画〈書評でGo on a Trip!〉南欧編

  • 2020/08/14


世界各地を〈書評〉で巡る〈書評でGo on a Trip!〉企画、続いては南欧編です!
※Special Thanks!:書評推薦者  くるくるさん、hiroさん、やすだともこさん
 

南欧にGo!

【スペイン】
カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム』(集英社)

評者:逢坂 剛

前作『風の影』に次ぐ、〈忘れられた本の墓場〉シリーズの、2作目に当たる。舞台は、同じスペインのバルセロナだが、時代背景は1作目より15年以上前の、1920年代。若い作家ダビッド・マルティンは、コレッリという謎の編集者から、奇妙な原稿の注文を受ける。〈塔の館〉と呼ばれる、古い屋敷にこもったダビッドは、押しかけ助手のイサベッラという少女に、身のまわりの世話を受けつつ、執筆に取りかかる。(この書評を読む)

天使のゲーム〈上〉  / カルロス・ルイス・サフォン
天使のゲーム〈上〉
  • 著者:カルロス・ルイス・サフォン
  • 翻訳:木村 裕美
  • 出版社:集英社
  • 装丁:ペーパーバック(433ページ)
  • 発売日:2012-07-20
  • ISBN-10:4087606465
  • ISBN-13:978-4087606461
内容紹介:
1917年、バルセロナ。17歳のダビッドは、雑用係を務めていた新聞社から、短篇を書くチャンスを与えられた。1年後、独立したダビッドは、旧市街の"塔の館"に移り住み、執筆活動を続ける。ある日、謎の編集人から、1年間彼のために執筆するかわりに、高額の報酬と"望むもの"を与えるというオファーを受ける。世界的ベストセラー『風の影』に続いて"忘れられた本の墓場"が登場する第2弾。

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【スペイン】
フリオ・リャマサーレス『狼たちの月』(ヴィレッジブックス)

評者:豊崎 由美

「ぼく」の潜伏とサバイバルの日々を、作者のリャマサーレスは静かで端正な、もの悲しい文体で淡々と描いていきます。その”声”が、同胞同士が血を流しあい、故郷がフランコ側に提供されたドイツの新型兵器によって焦土と化す無念と、三年に及ぶ戦いで死んでいった人々への切々たる弔意を謳っているのです。(この書評を読む)

狼たちの月 / フリオ・リャマサーレス
狼たちの月
  • 著者:フリオ・リャマサーレス
  • 翻訳:木村 榮一
  • 出版社:ヴィレッジブックス
  • 装丁:単行本(272ページ)
  • 発売日:2007-12-00
  • ISBN-10:4789731871
  • ISBN-13:978-4789731874
内容紹介:
強烈な衝撃をもたらしたあの『黄色い雨』の作家が、圧倒的な筆力でスペイン内戦の悪夢を描き切った伝説のデビュー長編、ついに刊行。

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【スペイン】
キルメン・ウリベ『ムシェ 小さな英雄の物語』(白水社)

評者:星野 智幸

ウリベはまた、そのまま亡命してバスクに戻らなかった世界中のバスク人と、かれらを受け入れた世界中のロベールを、この小説で書こうとしたのだろう。その英雄たちの存在の証として。 (この書評を読む)

ムシェ 小さな英雄の物語  / キルメン・ウリベ
ムシェ 小さな英雄の物語
  • 著者:キルメン・ウリベ
  • 翻訳:金子 奈美
  • 出版社:白水社
  • 装丁:単行本(234ページ)
  • 発売日:2015-10-17
  • ISBN-10:4560090424
  • ISBN-13:978-4560090428
内容紹介:
第二次大戦下、反ナチ抵抗運動の作家ムシェとバスクの疎開少女の悲運。愛する人の喪失とその克服、戦争の記憶の回復を試みる感動作!

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【スペイン】
室井 光広『ドン・キホーテ讃歌―世界文学練習帖』(東海大学出版会)

評者:野谷 文昭

「すでに書かれてしまっていることをめぐる読みの芸術に他ならない文学にあって作家はすなわち読者であるとする読者教の信者の一人に数えられてかまわない」という彼の言葉は、騎士道小説をめぐる読みからドン・キホーテが生まれたことや、『ドン・キホーテ』の読みからボルヘスの登場人物ピエール・メナールが生まれたことを踏まえている。(この書評を読む)

ドン・キホーテ讃歌―世界文学練習帖 / 室井 光広
ドン・キホーテ讃歌―世界文学練習帖
  • 著者:室井 光広
  • 出版社:東海大学出版会
  • 装丁:単行本(297ページ)
  • 発売日:2008-10-01
  • ISBN-10:4486018087
  • ISBN-13:978-4486018087
内容紹介:
芥川賞作家による世界文学へのイニシエーション第2弾。世界文学史に燦然と輝くセルバンテスの不朽の名作『ドン・キホーテ』を中心に据え、日本文学を含む世界文学の中に普遍的キャラクターとしてのドン・キホーテの原像を求める。●目次『ドン・キホーテ』私註T・S・エリオットの効用──あるいは… もっと読む
芥川賞作家による世界文学へのイニシエーション第2弾。

世界文学史に燦然と輝くセルバンテスの不朽の名作『ドン・キホーテ』を中心に据え、日本文学を含む世界文学の中に普遍的キャラクターとしてのドン・キホーテの原像を求める。

●目次
『ドン・キホーテ』私註
T・S・エリオットの効用──あるいは蝶番をめぐって
一方通行路とパサージュ──W・ベンヤミンへの十三階段
現代文学とボルヘス──あるいはボルヘス付[憑]きの現代文学
ボルヘスにさわる──新千年紀文学のために
創作者としての読者──ボルヘス『伝奇集』の世界
ナチュラリストの死&フィールドワーク──シェイマス・ヒーニーをめぐる断章
生口か死口か──小キホーテのなかじきり
東北のドン・キホーテたち──石川啄木・宮沢賢治・太宰治・寺山修司
パッチワークふうに──あとがきに代えて

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【スペイン】
オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(白水社)

解説:久野収

「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ、無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。(この書評を読む)

大衆の反逆 / ホセ・オルテガ・イ・ガセット
大衆の反逆
  • 著者:ホセ・オルテガ・イ・ガセット
  • 翻訳:桑名 一博
  • 出版社:白水社
  • 装丁:新書(317ページ)
  • 発売日:2009-03-30
  • ISBN-10:4560721017
  • ISBN-13:978-4560721018
内容紹介:
NHK・Eテレ「100分de名著」で話題! テロと恐慌で風雲急を告げるヨーロッパ……「下降と凋落の時代」に立ち現れたものは? ポピュリズムに揺れる現代が百年前と重なる。オルテガはスペインを代表する哲学者。早くから現代が歴史上の一大転換期であることを見抜き、そこに含まれる危機の克服をめざして警… もっと読む
NHK・Eテレ「100分de名著」で話題!
テロと恐慌で風雲急を告げるヨーロッパ……「下降と凋落の時代」に立ち現れたものは? ポピュリズムに揺れる現代が百年前と重なる。
オルテガはスペインを代表する哲学者。早くから現代が歴史上の一大転換期であることを見抜き、そこに含まれる危機の克服をめざして警鐘を鳴らし続けてきた。 本書は彼の代表作。現代の危機的状況を大衆の反逆という現象を通して指摘している。
大衆の反逆とは、「大衆が完全に社会的権力の座に上がったこと」であり、現代の特徴は、「凡俗な人間が、自分が凡俗であることを知りながら、敢然と凡俗であることの権利を主張し、それをあらゆる所で押し通そうとするところにあり、その責任は、すぐれた少数者の指導やリーダーシップの欠如にあり、彼らが大衆に生のプログラムを与えなかったことに由来する」と説いている。現代を大衆の時代と断定し、20世紀の本質を衝いた不朽の名著。

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【ポルトガル】
ナイジェル・クリフ『ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」: 宗教対立の潮目を変えた大航海』(白水社)

評者:水野 和夫

歴史は「今」に至るまで水面下で脈々と繋がっている。それが1490年代、世界を変える三つの出来事として一気に水面上に噴出したのだった。グラナダ王国の消滅、コロンブスの「新大陸発見」、そしてヴァスコ・ダ・ガマの「インド航路発見」である。本書は三つの中でもガマの功績が大という結論を導く。(この書評を読む)

ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」: 宗教対立の潮目を変えた大航海 / ナイジェル・クリフ
ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」: 宗教対立の潮目を変えた大航海
  • 著者:ナイジェル・クリフ
  • 翻訳:山村 宜子
  • 出版社:白水社
  • 装丁:単行本(490ページ)
  • 発売日:2013-07-24
  • ISBN-10:4560082979
  • ISBN-13:978-4560082973
内容紹介:
インド航路発見の裏には紅海周辺のイスラーム勢力を挟撃するという使命があった。壮大なスケールで描く歴史読み物。

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【ポルトガル】
渡辺 京二『バテレンの世紀』(新潮社)

評者:原 武史

著者によれば、それはこの国の支配者が、いち早くカトリック信仰のもつ危険性を看取したからにほかならない。現実の武力侵略ではなく、キリスト教による文化的侵略を恐れていたというのだ。(この書評を読む)

バテレンの世紀 / 渡辺 京二
バテレンの世紀
  • 著者:渡辺 京二
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:単行本(478ページ)
  • 発売日:2017-11-30
  • ISBN-10:4103513217
  • ISBN-13:978-4103513216
内容紹介:
ペリー来航の三百年前、日本は西欧と互角に渡り合っていた! 大航海時代の日欧交渉を、キリスト教伝播を軸に文明史的視点から描く。

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【ポルトガル】
ルシオ・デ・ソウザ,岡 美穂子『大航海時代の日本人奴隷』(中央公論新社)

評者:旦 敬介

江戸時代が始まる直前直後の時期には、ヨーロッパやアジアの各地、さらにはメキシコやペルーなど新大陸にまで、かなり多くの日本人の男女が奴隷や期限付きの契約使用人として運ばれて暮らしていた。その大部分が現代の言い方では人身売買に相当するが、そこにはポルトガル人の商人が深くかかわっていた。(この書評を読む)

大航海時代の日本人奴隷 / ルシオ・デ・ソウザ,岡 美穂子
大航海時代の日本人奴隷
  • 著者:ルシオ・デ・ソウザ,岡 美穂子
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:単行本(201ページ)
  • 発売日:2017-04-19
  • ISBN-10:4120049787
  • ISBN-13:978-4120049781
内容紹介:
戦国時代の日本国内に、「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人が海外に連れ出していたことは知られていた。しかし、その実態は不明であり、顧みられることもほとんどなかった。ところが近年、三人の日本人奴隷がメキシコに渡っていたことを示す史料が見つかった。「ユダヤ教徒」のポルトガル人に対する異端審問記録に彼らに関する記述が含まれていたのだ。アジアにおける人身売買はどのようなものだったのか。世界の海に展開したヨーロッパ勢力の動きを背景に、名もなき人々が送った人生から、大航海時代のもう一つの相貌が浮かび上がる。

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【イタリア】
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』(東京創元社)

評者:種村季弘

北イタリア、ボッビオの町にほど近い山上台地の修道院内で、7日間のうちにつぎつぎに6人の修道僧が殺害される。(この書評を読む)

薔薇の名前〈上〉 / ウンベルト・エーコ
薔薇の名前〈上〉
  • 著者:ウンベルト・エーコ
  • 翻訳:河島 英昭
  • 出版社:東京創元社
  • 装丁:単行本(413ページ)
  • 発売日:1990-02-18
  • ISBN-10:4488013511
  • ISBN-13:978-4488013516
内容紹介:
迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。バスカヴィルのウィリアム修道士が事件の陰には一冊の書物の存在があることを探り出したが…。精緻な推理小説の中に碩学エーコがしかけた知のたくらみ。

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【イタリア】
陣内 秀信『水都ヴェネツィア』(法政大学出版局)

評者:池内 紀

たいていの人にヴェネツィアはイタリア観光の目玉である。…建築史家・陣内秀信にとっては、ここはごくふつうの人がふつうの生活をしている町である。ゴンドラ以外にも大運河には郵便船、ゴミ運搬船、霊柩船、救急船、引越船……ありとあらゆる用向きの船が走っている。(この書評を読む)

水都ヴェネツィア / 陣内 秀信
水都ヴェネツィア
  • 著者:陣内 秀信
  • 出版社:法政大学出版局
  • 装丁:単行本(311ページ)
  • 発売日:2017-07-25
  • ISBN-10:4588786083
  • ISBN-13:978-4588786082
内容紹介:
この地を原点としてイスラーム世界や江戸東京を含む世界の都市へと視点を広げ、水都学の提唱にいたる著者のヴェネツィア研究の集大…

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【イタリア】
須賀 敦子『トリエステの坂道』(新潮社)

評者:森 まゆみ

この本は著者が愛する詩人、ウンベルト・サバの住んだトリエステを訪ね、その暮らした町の坂を息を切らせて上り下りするところから始まる。サバの働いていたのは「ふたつの世界の書店」という名だ。著者自身が日本に生まれ育ち、イタリアの男性と結婚してその土地を愛し、書房の経営に参加し、再び日本に帰った。二つの世界をいつも往還している。(この書評を読む)

トリエステの坂道 / 須賀 敦子
トリエステの坂道
  • 著者:須賀 敦子
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:文庫(272ページ)
  • 発売日:1998-08-28
  • ISBN-10:4101392218
  • ISBN-13:978-4101392219
内容紹介:
あまたの詩人を輩出し、イタリア帰属の夢と引換えに凋落の道を辿った辺境都市、トリエステ。その地に吹く北風が、かつてミラノで共に生きた家族たちの賑やかな記憶を燃え立たせる-。書物を愛し、語り合う楽しみを持つ世の人々に惜しまれて逝った著者が、知の光と歴史の影を愛惜に満ちた文体で綴った作品集。未完長編の魁となったエッセイ(単行本未収録)を併録する。

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【イタリア】
イタロ・カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』(みすず書房)

評者:高橋 源一郎

いい作家はたいてい本を読むのがうまい。なぜなら、作家は本を作るのが本職で、だから、目の前の本のどこが本物の入り口か、どこが手抜き工事で、どこが天才の仕事なのか、経験上わかるからである。(この書評を読む)

なぜ古典を読むのか / イタロ・カルヴィーノ
なぜ古典を読むのか
  • 著者:イタロ・カルヴィーノ
  • 翻訳:須賀 敦子
  • 出版社:みすず書房
  • 装丁:単行本(329ページ)
  • 発売日:1997-11-00
  • ISBN-10:4622046202
  • ISBN-13:978-4622046202
内容紹介:
卓越した文学案内人カルヴィーノによる最高の世界文学ガイド。ホメロス、スタンダール、ディケンズ、トルストイ、ヘミングウェイ、ボルヘス等の古典的名作を斬新な切り口で紹介。

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【イタリア】
マルクス・アウレーリウス『自省録』(岩波書店)

評者:四方田 犬彦

マルクスは別のところで、たとえ死が身近に迫っていても、けっして慌てふためかず、いつもと同じ生活を送ることがいいと記している。それは逆にいうと、毎日を、これでお前は死んでしまっても後悔はないなといいきかせながら生きていくことでもある。 (この書評を読む)

自省録 / マルクスアウレーリウス
自省録
  • 著者:マルクスアウレーリウス
  • 翻訳:神谷美恵子
  • 出版社:岩波書店
  • 装丁:文庫(327ページ)
  • 発売日:2007-02-16
  • ISBN-10:4003361016
  • ISBN-13:978-4003361016
内容紹介:
生きているうちに善き人たれ―ローマの哲人皇帝マルクス・アウレーリウス(一二一‐一八〇)。重責の生のさなか、透徹した内省が紡ぎ出した言葉は、古来数知れぬ人々の心の糧となってきた。神谷美恵子の清冽な訳文に、新たな注を付す。

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【イタリア】
ヤーコプ・ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』(筑摩書房)

評者:本村 凌二

著者自身が語るように最もルネサンスらしい人間類型が「万能人」であるなら、視野の広さ、洞察の深さ、直観の鋭さ、さらに叙述の精彩さにとむ本書は、まさしく「万能人」史家の巨匠にしか描けない類稀なる名著である。本書は読者の人生をことさら豊かにしてくれるにちがいない。(この書評を読む)

イタリア・ルネサンスの文化 上 / ヤーコプ・ブルクハルト
イタリア・ルネサンスの文化 上
  • 著者:ヤーコプ・ブルクハルト
  • 翻訳:新井 靖一
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:文庫(496ページ)
  • 発売日:2019-05-09
  • ISBN-10:448009914X
  • ISBN-13:978-4480099143
内容紹介:
中央集権化がすすみ緻密に構成される国家あってこそ、イタリア・ルネサンスは可能となった。ブルクハルトの着想に発した畢生の大著。

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【ギリシア】
C・P・カヴァフィス『カヴァフィス全詩』(書肆山田)

評者:堀江 敏幸

本当に長く待たされた一冊。現代ギリシア語による百五十数篇の詩を日本語に移し替えるのに、訳者は四十年の歳月を費やした。(この書評を読む)

カヴァフィス全詩 / カヴァフィス
カヴァフィス全詩
  • 著者:カヴァフィス
  • 翻訳:池澤 夏樹
  • 出版社:書肆山田
  • 装丁:単行本(330ページ)
  • 発売日:2018-10-01
  • ISBN-10:4879959758
  • ISBN-13:978-4879959751
内容紹介:
歴史のアイロニーと一人の孤独な人間のありよう、そして同性愛者の官能と悲傷―カヴァフィス詩を長く机辺に置きつづけた池澤夏樹による待望の翻訳。

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【ギリシア】
ホセ・カルロス・ソモザ『イデアの洞窟』(文藝春秋)

評者:豊崎 由美

古代ギリシャのアテネで、野犬に食い殺されたとおぼしき若者の死体が発見される。だが、その見立てに不審を抱いた者がいた。それは「人の容貌や事物の外観を、それらがあたかもパピルスででもあるかのように読むことができる」〈謎の解読者〉の異名をとる男、ヘラクレス。若者が通っていた、哲学者プラトンが運営する学園の教師ディアゴラスの依頼を受けて調査に乗り出した彼の前に、しかし、第二、第三の死体が現れて――。(この書評を読む)

イデアの洞窟 / ホセ・カルロス・ソモザ
イデアの洞窟
  • 著者:ホセ・カルロス・ソモザ
  • 翻訳:風間 賢二
  • 出版社:文藝春秋
  • 装丁:単行本(382ページ)
  • 発売日:2004-07-21
  • ISBN-10:4163231900
  • ISBN-13:978-4163231907
内容紹介:
「古代ギリシア、アテネ。野犬に食い殺されたとおぼしき若者の死体が発見される。だが不審を抱いた者がいた-"謎の解読者"と異名をとる男、ヘラクレス。調査に乗り出した彼の前に現われるさらなる死体。果たしてこの連続殺人の真相は…」という書物『イデアの洞窟』。その翻訳を依頼されたわ… もっと読む
「古代ギリシア、アテネ。野犬に食い殺されたとおぼしき若者の死体が発見される。だが不審を抱いた者がいた-"謎の解読者"と異名をとる男、ヘラクレス。調査に乗り出した彼の前に現われるさらなる死体。果たしてこの連続殺人の真相は…」という書物『イデアの洞窟』。その翻訳を依頼されたわたしは、物語世界を傷つけかねない頻度でちりばめられた象徴群に不審を抱く。ギリシアで「直観隠喩」と呼ばれた技法だった。だが『イデアの洞窟』のそれは過剰すぎた。やがて身辺に怪事が頻発しはじめ、わたしは何者かに監禁されて…という異形の形式が驚愕の結末へと読者を導く破格のミステリ。めくるめく謎の迷宮に「作者探し」の興趣も仕込む、イギリス推理作家協会最優秀長篇賞受賞作。

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