ALL REVIEWS 2019年上半期の書評アクセスランキングTOP30

  • 2019/08/08
2019年上半期にALL REVIEWSで公開した書評(解説やまえがきなど含む)の中で、最もアクセスの多かった書評を厳選してご紹介いたします◎
書評の要約を読むだけでも、その本が気になってきます。
出し惜しみせずに、1位からいってみましょう!

2019年上半期書評ランキング1-10位

1位 『美智子皇后の真実』(幻冬舎) - 著者:工藤 美代子 - 猪瀬 直樹による解説
「『王は潜在的なスケープゴート』、皇太子妃が負った宿命」

2位 『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』(PLANETS/第二次惑星開発委員会) - 著者:落合陽一 - 養老 孟司による書評
「自然言語という枠を外して世界を見たら、どう見えるか。AIがいかに世界を変えていくか、著者は熱を込めてそれを語る」

3位 『「うつ」は炎症で起きる』(草思社) - 著者:エドワード・ブルモア 翻訳:藤井 良江 - エドワード・ブルモアによるはじめに
「うつ治療に起きつつある革命。精神医学の世界的権威が説く『最前線』」

4位 『ペーパームービー』(講談社) - 著者:内田 也哉子 - 高橋 源一郎による書評
「どの部分を読んでいても、いい映画を見ている時みたいな感じがするのが不思議だ、と思うのだった」

5位 『バレエ・メカニック』(早川書房) - 著者:津原 泰水 - 柳下 毅一郎による解説
「この世界を見つめるもうひとつの視点を提供してくれる、ギブスン直系の華麗なるサイバーパンクSF」

6位 『ノルウェイの森』(講談社) - 著者:村上 春樹 - 吉本 隆明による書評
「愛が不可能だった青春を回想した物語。愛の不可能が、いずれも精神愛と性器愛のはざまで演じられる」

7位 『雪の階』(中央公論新社) - 著者:奥泉 光 - 鴻巣 友季子による書評
「神話アーキタイプの現代的展開。最高度に洗練された小説文体のあり方を提示」

8位 『九十八歳になった私』(講談社) - 著者:橋本 治 - 内田 樹による書評
「『九十八歳になった橋本治』と一緒に眠り、一緒によろよろと歩き、一緒に転び、一緒に『ういろう』を喉に詰まらせ、一緒に回想するしかない」

9位 『告白』(中央公論新社) - 著者:町田 康 - 豊崎 由美による書評
「読売文学賞、谷崎潤一郎賞、泉鏡花賞、野間文芸賞といった有名どころの文学賞を独り占めしたっておかしくない。そのくらいの作品だと思し召せ」

10位 『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』(筑摩書房) - 翻訳:植木 朝子 - 俵 万智による解説
「歌を唄っていた人たちの声が聞こえるところまで、私たちを連れていってくれる。言葉の魔法にかかってみたい人におすすめの一冊」

2019年上半期書評ランキング11-20位

11位 『国境の南、太陽の西』(講談社) - 著者:村上 春樹 - 俵 万智による書評
「ほどほどの屈折と、ほどほどの挫折と、ほどほどの幸福と」

12位 『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』(ナナロク社) - 著者:若松 英輔 - 俵 万智による書評
「もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい」

13位 『天然知能』(講談社) - 著者:郡司ペギオ幸夫 - 中村 桂子による書評
「見えないものに興奮するのは、天然知能だけの特権」

14位 『アフターダーク』(講談社) - 著者:村上 春樹 - 豊崎 由美による書評
「えっ? んで? だから何? 読み終えた後もしばらく渦巻く脳内クエスチョン」

15位 『サピエンス異変――新たな時代「人新世」の衝撃』(飛鳥新社) - 著者:ヴァイバー・クリガン=リード 翻訳:水谷 淳, 鍛原 多惠子 - 養老 孟司による書評
「『脳化社会』はひたすら進む。次の段階は明らかである」

16位 『冥途』(岩波書店) - 著者:内田 百けん - 牧 眞司による書評
「ここには象徴や隠喩はない。そうした文芸的読解あるいは夢解釈はしょせん昼間の理屈にすぎず、その彼方にこそ夢の手触りがある」

17位 『長篠合戦と武田勝頼 (敗者の日本史)』(吉川弘文館) - 著者:平山 優 - 磯田 道史による書評
「戦国画期の通説をくつがえす歴史家の挑戦。著者の誠実な勇敢さに拍手したい」

18位 『敗戦後論』(筑摩書房) - 著者:加藤 典洋 - 高橋 源一郎による書評
「加藤さんからもらった大事な宿題としていつかちゃんとぼくの答えを出したいと思わずにいられなかったのだ」

19位 『女性の品格』(PHP研究所) - 著者:坂東 眞理子 - 豊崎 由美による書評
「“持てる者”の能天気な理想論に苦笑するほかありません」

20位 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29』(新潮社) - 編集:ジェイ・ルービン - 沼野 充義による書評
「『福袋』のような予期せぬ発見を楽しむ近現代日本小説選集」

2019年上半期書評ランキング21-30位

21位 『献灯使』(講談社) - 著者:多和田 葉子 - 町田 康による書評
「大規模な原子力災害が起きた後の日本国、言葉の"設定"を離れ自由に暴れ回る快楽」

22位 『脳科学者の母が、認知症になる: 記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?』(河出書房新社) - 著者:恩蔵絢子 - 養老 孟司による書評
「脳科学を武器として母親の認知症に向き合う。この戦いには勝ち負けはない。」

23位 『静寂と沈黙の歴史』(藤原書店) - 著者:アラン・コルバン 翻訳:小倉 孝誠,中川 真知子 - 本村 凌二による書評
「一見すれば何の痕跡もない「静寂」と「沈黙」の歴史について探究」

24位 『コンビニ人間』(文藝春秋) - 著者:村田 沙耶香 - 鴻巣 友季子による書評
「『ふつう教』をぐつぐつ鍋で煮るために世に送りだされたのだ、村田沙耶香は。今後も、ラディカルに常識を覆してほしい」

25位 『愛と幻想のファシズム』(講談社) - 著者:村上 龍 - 吉本 隆明による書評
「小説というよりも大説であり、文学作品というよりも言葉で描いた劇画作品。よくここまで生々しくいかにもありそうな触感を与えながら描ききったものだ」

26位 『百年の孤独』(新潮社) - 著者:ガブリエル・ガルシア=マルケス 翻訳:鼓 直 - 柳原 孝敦による内容紹介
「多くの追随者を産みだした、世界の頂点の小説」

27位 『翻訳 訳すことのストラテジー』(白水社) - 著者:マシュー・レイノルズ 翻訳:秋草 俊一郎 - 鴻巣 友季子による書評
「翻訳ってなんだろう?臆するなかれ。若き読者よ、ページをひらきましょう!」

28位 『冷血』(毎日新聞社) - 著者:高村 薫 - 永江 朗による書評
「犯罪小説のかたちをとった哲学書だ。日本語で書かれ2012年に刊行された書物のなかで最高の作品」

29位 『知性は死なない 平成の鬱をこえて』(文藝春秋) - 著者:與那覇 潤 - 斎藤 環による書評
「絶望の淵をさまよいながら、新しい言葉を携えて“生還”した著者の姿こそが「知性は死なない」ことへの意志と希望をみごとに体現している」

30位 『クラッシュ』(東京創元社) - 著者:J.G. バラード 翻訳:柳下 毅一郎 - 豊崎 由美による書評
「“世界最初のテクノロジーに基づくポルノグラフィー”“セックスとテクノロジーの悪夢のような婚姻”を描いた小説」
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