本村 凌二RYOJI MOTOMURA
公式サイト: http://motomuraryoji.jp/
東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、2014年4月~2018年3月まで早稲田大学国際教養学部特任教授。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサント…もっと読む
毎年の七月最終土曜日の英アスコット競馬場、ジョージ六世とエリザベス王妃を記念する大レースがある。二人は現エリザベス女王の両親であるが、この…
腕っぷしが幅利かせる国際政治ときどき子供の頃を思い出すと、とくに男児の世界では腕っぷしの強い子が一目おかれていた。歳(とし)を経るにつれて…
現代人の茫漠たる不安感を示す日本人にもかなり馴染(なじ)みのラテン語表現にCogito,ergo sum.(私は思う、故に私は在り)がある。近代哲学の祖…
国家と学問の関係を問い直すアテネから西南方面にバスで3時間半ほど行くとスパルタに着く。ひなびた町であり、これがあの古代ギリシアの二大強国の…
新聞の書評欄に学術書はなじまない。しかし、知の最先端を歩む研究の残り香だけでも嗅いでおくのも、ときには悪くない。すでに五〇年以上にわたって…
リベラルアーツはしばしば「一般教養」と訳される。とはいえ、20世紀末からバブル崩壊後の経済の逼迫のなかで、実践力や即戦力が求められ、劣勢に追…
ペーパーの語源になるパピルスは、古代エジプトのナイル川流域に生える水草の茎から作られた紙の祖型である。19世紀末、イギリスの探検隊が古代都市…
現代社会に復権させるべき倫理マダガスカルはインド洋の西域、アフリカ大陸の南東の沖合にある大島(日本の一・六倍)である。その中央高地の電気も…
日本史と外国史の違いは、イメージがわくかどうかにある。徳川家康は狸オヤジを思い出させ、青森にはリンゴが浮かぶ。だが、海外になると具象的な姿…
競馬ファンの間で「旅打ち」とよばれる競馬場放浪の旅も、海外競馬となると、奇想天外なことに出会う。アジア、オセアニア、中東、ヨーロッパ、アメ…
一昔前から、教養教育が軽視されがちになり、代わって「リベラルアーツ」なる表現が目立ってきた。中部大学の主催するシンポジウムでは、ここ数年「2…
「生きられた宗教」というテーマパンテオンとは汎神(はんしん)の意で、とくに帝国の公認する神々のすべてが祭られたローマの神殿を指す。高さ・直…
多様性と覇権育んだ「我らが海」日本は海に囲まれた島国であるが、地中海は陸に囲まれた内海である。大きな海洋であるから、活用するには技術がいる…
社会の中核を担った「イエ経済」アルプス以北のヨーロッパが歴史の舞台に登場するのはローマ人との出会い以後のこと。そこはまだ大半が鬱蒼とした森…
ユルバンからたどる地中海近代史戦後十年経ったころの歌謡曲「カスバの女」には「ここは地の果てアルジェリア どうせカスバの夜に咲く」という切な…
困窮と艱難「何か」を失った者たちの叫び声世界史のなかで、ユダヤ人はなんとも特異である。古代にはギリシア人もローマ人もいたが、現代の彼らに古…
英語学習にかけた時間と努力に見合った能力を身に付けたかどうか。おそらくほとんどの日本人はため息すら出ないほど諦念をもっているのではないだろ…
欧州の祖母と欧州の父、しみじみとなんとも静寂な風情がただよう。北イタリアのアドリア海湾奥にあるラヴェンナは中心街に五~七世紀の由緒ある建築…
世界史左右 「家族システム」の発見われわれ日本人は同調圧力に弱いというが、学究の徒も例外ではない。新しい物の観方(みかた)や説明の仕方をす…
「女性のための闘士」の全貌明らかにジョルジュ・サンドという名を聞いてすぐに思いあたる日本人はほとんどいないのではないだろうか。なにしろ、フ…