本村 凌二RYOJI MOTOMURA
公式サイト: http://motomuraryoji.jp/
東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、2014年4月~2018年3月まで早稲田大学国際教養学部特任教授。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサント…もっと読む
将たるものの資質何を学ぶか今をときめく『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』の歴史家ユヴァル・ノア・ハラリは、人類はもはや飢饉も疫病も戦争も…
現在の人類の姿を白日に今さらながら、デルフォイのアポロン神殿に刻まれた二つの訓戒が思い出される。一つは名高い「汝(なんじ)自身を知れ」であ…
心の自由に目を向け、心豊かに生きる二世紀の五賢帝最後の皇帝マルクス・アウレリウスは奴隷あがりの哲学者エピクテトスから最も深い影響を受けたと…
少子高齢化時代を読む手がかりこの数年来、評者は現代日本の最大の問題は「少子化」だと思っていた。年金や労働力はもちろん、安全保障の問題にもか…
「天国」をめぐる心性史が語るもの前世紀末頃から、飢饉(ききん)よりも肥満で、疫病より老化で、戦死よりも自殺で亡くなる人が多くなったという。…
「万能人」史家による類稀なる名著もう四〇年以上も前のこと、ある西洋史研究会後の酒宴の席だった。古老の大家が「近ごろの若い研究者の論文は緻密…
現代の異民族問題考える手がかりにヨーロッパに行くと、しばしば冗談じみた話を耳にする。「ワイン愛好者は文明人、ビール愛好者は野蛮人」「ライン…
人類は自らの真の姿を見抜けるか一九六九年、アームストロング宇宙飛行士たちは月面探検の前にアメリカ西部の砂漠で訓練された。近隣に住むアメリカ…
心の遺物のパラダイム移行を鮮明に二〇世紀を代表する精神病理学者ユングは「精神のまともな人がいれば見せてもらいたい。その人を治してあげよう」…
人間の感性の軌跡をたどる誰でも自宅に個室をもちたがる。それは自然の願望だと思えるが、実のところ、個室への欲求は19世紀になってからにすぎない…
重層する文明への史眼中世以来、ヨーロッパでは「巨人の肩に乗った小人」という言い回しが好まれたという。そこに立てば巨人よりもずっと遠くを見る…
新しいタイプの預言者の出現か預言者らしき人が登場するのは、平穏な時代ではないだろう。なにも内乱や戦争ばかりではなく心の穏やかさが感じられな…
奴隷交易が与えた影響をひもとく江戸幕府の鎖国体制のなかでも、18世紀末にはいち早くロシア船が北海道に来航し、漂流民を護送するとともに通商を求…
一生涯大志を抱いたボヘミアン「青年よ、大志をいだけ」と鼓舞されても、若いころは、気ままで自由なボヘミアン暮らしをしてみたいものではないだろ…
他者をなじませ統合する完璧なフォームでバットを振ったにしても、球から三十センチも離れていたら様にならないだろう。同じように、どんなに筋の通…
人生をふりかえらせる力十代半ばころの団塊世代にとって、ソ連といえば『ドクトル・ジバゴ』だった。詩人パステルナークの小説でノーベル文学賞に選…
ヨーロッパ文明文化の根源を再考半世紀以上も前からフランスを中心にしてヨーロッパで愛読されている漫画『アステリックス』がある。ガリアとよばれ…