本村 凌二RYOJI MOTOMURA
公式サイト: http://motomuraryoji.jp/
東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、2014年4月~2018年3月まで早稲田大学国際教養学部特任教授。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサント…もっと読む
意外なことに、江戸の徳川政権はローマ帝国に似たところがある。パクス・ロマーナ(ローマの平和)になぞらえてパクス・トクガワーナとよばれること…
最初の「世界帝国」はどれかという論争があるらしい。紀元前七世紀前半にオリエントを統一したアッシリア帝国と紀元前六世紀後半に統一したペルシア…
北海道東北端にある根室の沖合に浮かぶ周囲8キロメートルの無人島ユルリ。上陸するだけでも根室市役所の許可がいる。しかし、かつて人が住んでいた時…
歴史の転換点、指導者の戦略思考日本人の歴史はぬるま湯のようだとはしばしば聞く。海に囲まれた島国であるために外敵に脅かされることがほとんどな…
書き 伝え 写し 残す 人間の執念をたどる個人として歴史にその名を刻みたいなら、自分で多くを書き残すか、他人が記録したくなるような事績を行うこ…
聖人化先駆け、西欧で受容の背景本書の題名から連想するのは、遠藤周作の小説『沈黙』やM・スコセッシ監督の映画ではないだろうか。イエズス会の宣…
自由主義的国際秩序を脅かす存在か古代ローマの武将カエサルは『ガリア戦記』のなかで「人間は自分が信じたいことを喜んで受け入れるものだ」と語っ…
「民主主義は最悪の政体であるといわれてきた」と指摘したW・チャーチルは「ただし、今まで人類が営んできた全ての政体を除けば」と付け足すことを忘…
狩猟採集から農耕へ 変わる祭礼考えてみると当然のことだが、人間だけが神なるものを崇(あが)めている。ヒトが人間になるのに、宗教は決定的な役…
「地中海文明」の理解に最適ひと昔さかのぼれば、欧米の教養人なら誰もがためらうことなく、まず読むべき本としてホメロスの『イリアス』と『オデュ…
万人の理解しあえる場としての倫理基盤海外旅行が珍しくなくなったせいか、現地の外国人にふれる機会も少なくない。イタリア人というと、陽気で明る…
観察で究めようとする知性と心性プリニウスは1世紀に実在した人物だから、まずは『世界史辞典』(角川学芸出版)の素描「ローマの軍人、政治家、学…
伝統という土壌がないところに学問は生まれない。まして歴史学となるとなおさらのこと。維新後、「お雇い外国人」が招かれ、ドイツ人歴史学教師L・リ…
古今東西の歴史に精通する博覧強記の歴史家による読書案内。国際関係史と中東・イスラーム地域研究を専門としながら、近著に『将軍の世紀』上下(文…
非業の死に凝縮された世界史二〇〇九年の映画≪アゴラ≫(邦題≪アレクサンドリア≫)は多くの人々に衝撃だったにちがいない。キリスト教徒が少ない日本…
<知>の伝達の神髄へいざなう人間がほかの動物と異なるのは、人類の過去の経験や知識を身につけられるからにほかならない。ヨーロッパでは、印刷術…
民主主義が独裁を生む危険孔子の言葉に「吾(わ)れ未(いま)だ徳を好むこと色を好むが如くする者を見ざるなり」がある。言いかえれば「最善のもの…
平和を実現するための計算高さ世に英雄とよばれる定番は、アレクサンダー大王、カエサル、ジンギスカン、ナポレオンなどである。なぜだか、ローマ帝…
帝位を諦めきれない皇女の執念11世紀末から12世紀前半といえば、わが国では源氏・平氏の武士団が勢力をもたげ、西ヨーロッパでは十字軍の活動が目立…
人間や社会を左右したイメージヨーロッパ中世について、日本人が思い浮かべるのは、強大なキリスト教会であったり勇ましい十字軍であったりする。昨…