
1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
- 『FUTON』(講談社)豊崎 由美
ある雑誌で二十世紀のベストセラーを読み直すという企画の対談を続けています(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2003年)。そのおかげで、読み…
書評 - 『新解さんの謎』(文藝春秋)豊崎 由美
三省堂から出ている『新明解国語辞典』が怪しいとは、かねがね耳にしていたのだけれど、これほどまでにおかしみと深みに満ちた一冊だったとは! わた…
書評 - 『天使』(文藝春秋)豊崎 由美
佐藤亜紀が『バルタザールの遍歴』という恐るべき傑作をもってデビューした時の昂揚は今もよく覚えている。同世代の、真に瞠目すべき作家が現れた、…
書評 - 『怪獣文学大全』(河出書房新社)豊崎 由美
ダメじゃん。これじゃあイグアナじゃん。バカじゃん? ハリウッド版『GODZILLA』を観て、つくづくしみじみ此方(こなた)と彼方(かなた)の怪獣に対…
書評 - 『ゼロ発信』(中央公論新社)豊崎 由美
赤瀬川原平さんは――ここまで書いて、かつて先輩ライターに「取材記事でもないのに有名人に“さん”づけするのはおかしい」と注意されたことを思い出し…
書評 - 『わすれなぐさ』(国書刊行会)豊崎 由美
吉屋信子再評価の気運が高まっています。今回取り上げる『わすれなぐさ』の他にも、『鬼火 底のぬけた柄杓(ひしゃく)』(講談社文芸文庫)、『父の…
書評 - 『偏愛文学館』(講談社)豊崎 由美
保坂和志さんが本誌「新潮」で連載中の評論をまとめた『小説の自由』(新潮社)は、現役の作家や作家志望の若い人にとって示唆に富むのはもちろん、…
書評 - 『老人のための残酷童話』(講談社)豊崎 由美
昨年に出た『あたりまえのこと』は、倉橋由美子の厳しい小説観と文壇観を示してスリリングな一冊だ(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2003年)…
書評 - 『僕の双子の妹たち』(集英社)豊崎 由美
〈僕の双子の妹たち。/これまで僕は何度、このフレーズを心の中でつぶやいてきただろう。自分でも赤面してしまうほどのいとおしさと慈しみ、あきれ…
書評 - 『ロンリー・ハーツ・キラー』(中央公論新社)豊崎 由美
今、日本に江國香織的なモノローグ小説が蔓延している。江國的小説世界には、多くの場合、易しい言葉の連なりで、いかにも意味深な何か(本当はそん…
書評 - 『アルカロイド・ラヴァーズ』(新潮社)豊崎 由美
もうずいぶん以前の話。夏祭りに供されるカレーに毒物を混入させた疑いで捕まったMという女がいて、事件後の調べによると、Mは保険金を受け取るため…
書評 - 『半島を出よ〈上〉』(幻冬舎)豊崎 由美
全国のプレジデントな皆さん、危機管理できてますか? 足下の面倒事だけでなく、遠い先で起こるかもしれないもっとイヤァなことにまで想像力を飛ばせ…
書評 - 『徹底抗戦!文士の森』(河出書房新社)豊崎 由美
英国の作家ゴードン・スティーヴンズが書いた『カーラのゲーム』(創元ノヴェルズ)という冒険小説があります。内戦に揺れるボスニアで愛する夫も息…
書評 - 『待つこと、忘れること?』(平凡社)豊崎 由美
あの金井美恵子の食にまつわるエッセイ。というだけで読む人は読むのだし、“あの”の意味もわからない人は『ビストロSMAP』でも買って読めばいいと思…
書評 - 『球形時間』(新潮社)豊崎 由美
他者と関係を結ぶのがかったるい。表層的に友達のふりをしてるのが楽だし、実際平和。若い世代だけじゃないと思う、そんな風に感じてるのは。この小…
書評 - 『共生虫』(講談社)豊崎 由美
否応なく時代とリンクしてしまう表現者がいる。たとえば村上龍。無差別殺人鬼を主人公にした小説『イン ザ・ミソスープ』を書いた時、わたしたちは神…
書評 - 『雪沼とその周辺』(新潮社)豊崎 由美
新潟にある尺玉発祥の地で奉納花火を見たことがある。見物場所の神社の境内からさほど離れていない場所で打ち上げるので、二尺、三尺といわず、今や…
書評 - 『旅をする裸の眼』(講談社)豊崎 由美
八一年、大学の卒業を待たずにインドに渡り、翌年ドイツのハンブルクに着いた時、多和田葉子は透き通るほどすり減った運動靴を履いていたという。そ…
書評 - 『新・地底旅行』(朝日新聞社)豊崎 由美
時は明治末。「地球空洞説」を信奉する科学者・稲峰博士とその令嬢・都美子が富士登山中、行方不明に。挿絵画家の野々宮はお調子者の友人・丙三郎の…
書評 - 『クラッシュ』(東京創元社)豊崎 由美
これはJ・G・バラードによるポルノグラフィーだ。でも、あんなことやそんなことを想像して、「いけないわ、いけないわ」「いいじゃないか、いいじゃ…
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