
1964年、岐阜県生まれ。作家、仏文学者。現在、早稲田大学文学学術院教授。主な著書として、『郊外へ』『おぱらばん』『熊の敷石』『雪沼とその周辺』『未見坂』『河岸忘日抄』『めぐらし屋』『なずな』『燃焼のための習作』『その姿の消し方』、書評・批評集として、『書かれる手』『本の音』『彼女のいる背表紙』『余り…もっと読む
- 『ハシッシ・ギャング』(文藝春秋)堀江 敏幸
体温の伝達表題作のもとにまとめられた「ハシッシ・ギャング」、「彰さんと直子」の二作を除き、厚、浩、田代、野崎、柚木と名前を変える「私」の年…
書評 - 『本の音』(中央公論新社)堀江 敏幸
文庫版あとがき本書の親本が出てから、ほぼ十年の時が過ぎた(事務局注:文庫版出版は2011年)。記憶を確かめるために初出一覧をのぞいてみると、最…
後書き - 『まぶた』(新潮社)堀江 敏幸
命の芽のきざす場所眼球の表面を乾燥やほこりや疵から保護するばかりでなく、視覚によって脳に送られる素材を一瞬のうちに取捨選択するシャッターと…
書評 - 『神様』(中央公論新社)堀江 敏幸
今はもうないものの光川上弘美の語り手が、周囲の人々と、いや人々ではなくむしろ「存在」たちと結ぶコミュニケーションの形態は、いつも恋に似てい…
書評 - 『木山さん、捷平さん』(新潮社)堀江 敏幸
赤ん坊のような暖かさ「濡縁におき忘れた下駄に雨がふつてゐるやうな/どうせ濡れだしたものならもつと濡らしておいてやれと言ふやうな/そんな具合…
書評 - 『辻まことの思い出』(みすず書房)堀江 敏幸
内職という天職どんなに読みやすくとも、心に残る言葉はつねに破格である。格があってそれをずらすのではなく、最初から格を超えてしまう柔軟さと、…
書評 - 『東京のクリームソーダ』(光琳社出版)堀江 敏幸
探偵はクリームソーダを愛したか?アイスクリーム・ソーダをはじめて日本にもたらしたのは、不二家の創業者藤井林右衛門だと言われている。洋菓子の…
書評 - 『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(光琳社出版)堀江 敏幸
UFOの降りない場所ふたつの塔がそびえる道路わきにうずくまった未確認飛行物体の丸窓は、そのなかで執り行われている秘儀をなにひとつ外に漏らさず…
書評 - 『かの悪名高き――十九世紀パリ怪人伝』(小学館)堀江 敏幸
怪人たちのいるところ鹿島茂はこれまで一貫して、「この人からはじまる」と言い切れるような偉業をなしえた人物、卑俗低俗を超越する圧倒的な活力と…
書評 - 『古都』(国書刊行会)堀江 敏幸
アナログ的な重ね塗り一九四九年、国民党政府に従って台湾に渡った人々を外省人、戦前から台湾に住んでいた人々を本省人と呼ぶ。朱天心は、外省人の…
書評 - 『なぜ古典を読むのか』(みすず書房)堀江 敏幸
案内としての批評古典文学を論じた書物は数え切れないほどある。だが、論述の対象となっている作品をこちらも読んでみたい、読み返してみたいと感じ…
書評 - 『もののたはむれ』(新書館)堀江 敏幸
鬱々とした覚醒王子、赤羽、日暮里、南千住、神田、秋葉原、杉並、玉川上水、多摩川、四谷三丁目。なかにはパリ、マラケシュ、アイオワなど片仮名の…
書評 - 『偶然の音楽』(新潮社)堀江 敏幸
「偶然」に身を任せた男の物語三十年も会わずにいた父親の遺産がとつぜん転がり込み、巨額の金を手に入れたナッシュは、妻と別れたあと引き取ってい…
書評 - 『名誉の戦場』(新潮社)堀江 敏幸
雨の匂い立つ小説パリのキオスクで新聞・雑誌の売り子をしていた中年男がはじめて小説を書き、最も注目度の高い文学賞を獲得して一躍文壇の寵児とな…
書評 - 『停電の夜に』(新潮社)堀江 敏幸
処方箋を出さない観察者午後八時から九時まで、吹雪でやられた電線の復旧工事のため、一帯が停電になるという。それも、五日間。午後八時といえば夕…
書評 - 『中二階』(白水社)堀江 敏幸
中途半端な空間ニコルソン・ベイカーの『中二階』は、語り手の「私」が昼休みを終えてオフィス・ビルの中二階にある仕事場ヘエスカレーターで戻るま…
書評 - 『フランス名詩選』(岩波書店)堀江 敏幸
君を名ざすために日本近代詩に多大な影響を与え、ひときわ甘美な夢と憧憬をあおった言葉の群れが、腰のくだけた日常語のなかで行き場をなくしている…
書評 - 『桃』(新潮社)堀江 敏幸
桃割れした時間の裂け目久世光彦の小説にはいつも「不穏」の匂いが染み着いている。ひとつひとつの情景にひそむ舞台装置としてのきな臭さを言ってい…
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