1964年、岐阜県生まれ。作家、仏文学者。現在、早稲田大学文学学術院教授。主な著書として、『郊外へ』『おぱらばん』『熊の敷石』『雪沼とその周辺』『未見坂』『河岸忘日抄』『めぐらし屋』『なずな』『燃焼のための習作』『その姿の消し方』、書評・批評集として、『書かれる手』『本の音』『彼女のいる背表紙』『余り…もっと読む
堀江 敏幸の書評/解説/選評一覧
- 『名誉の戦場』(新潮社)堀江 敏幸
雨の匂い立つ小説パリのキオスクで新聞・雑誌の売り子をしていた中年男がはじめて小説を書き、最も注目度の高い文学賞を獲得して一躍文壇の寵児とな…
書評 - 『停電の夜に』(新潮社)堀江 敏幸
処方箋を出さない観察者午後八時から九時まで、吹雪でやられた電線の復旧工事のため、一帯が停電になるという。それも、五日間。午後八時といえば夕…
書評 - 『中二階』(白水社)堀江 敏幸
中途半端な空間ニコルソン・ベイカーの『中二階』は、語り手の「私」が昼休みを終えてオフィス・ビルの中二階にある仕事場ヘエスカレーターで戻るま…
書評 - 『フランス名詩選』(岩波書店)堀江 敏幸
君を名ざすために日本近代詩に多大な影響を与え、ひときわ甘美な夢と憧憬をあおった言葉の群れが、腰のくだけた日常語のなかで行き場をなくしている…
書評 - 『桃』(新潮社)堀江 敏幸
桃割れした時間の裂け目久世光彦の小説にはいつも「不穏」の匂いが染み着いている。ひとつひとつの情景にひそむ舞台装置としてのきな臭さを言ってい…
書評