谷川 渥ATSUSHI TANIGAWA
公式サイト: http://eccehomo.jugem.jp/
美学者。1972年、東京大学文学部美学芸術学科卒業。78年、東京大学大学院人文科学研究科美学芸術学専攻博士課程修了。マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、美学原理論、芸術時間論、廃墟論、だまし絵論、シュルレアリスム論、そして「芸術の皮膚論」など、独自の視点による美…もっと読む
「独身者機械」の「唖然とするほどの並行関係」をあぶり出す「解釈」の徹底ぶりかつて『独身者の機械』として邦訳(高山宏・森永徹訳、ありな書房、…
種村季弘ラビリントス広大な知の地平をあらためてまざまざと浮かび上がらせてくれる七百ページに及ぶ恐ろしく大部の本である。昨年、諏訪哲史編『…
例を見ぬ委曲を尽くした浩瀚な評伝比類のない作品を遡及的に指示するエピソードの数々二人のイギリス人によるベルメール評伝である。全十章のうち…
フェミニズムの美術史学「フェミニズムで読む美術史」というのが、訳者の与えた本書(萩原弘子訳、新水社、一九九八)の副題である。かつて「フェミ…
ゴンブリッチの美術論――『棒馬考』について『棒馬考』(一九六三、増補完訳、勁草書房、一九九四)は、論文や講演の文章など十四篇を収めたエルンス…
ロバート・バルディック『ユイスマンス伝』を読むジョリス・カルル・ユイスマンスの『さかしま』(一八八四)は、一九六六年に桃源社の「世界異端の…
郡司正勝先生は、早稲田大学退職後、新たに四冊の書物をまとめられた。『童子考』(一九八四)、『風流の図像誌』(一九八七)、『鶴屋南北』(一九…
解説三島由紀夫の美学、三島美学といった表現が、ほとんど常套句のように用いられる。実際、三島由紀夫ほど「美学」という言葉と結びつけられてきた…
美学と美術史とのありうべき結合の試みニーチェ流にいえば、「女を捜せ」、これがユベール・ダミッシュ『パリスの審判』(一九九二、石井朗・松岡新…
「切って知る」オランダの知タイモン・スクリーチの『江戸の身体(からだ)を開く』(高山宏訳、作品社、一九九七)は、刺戟的な比較文化論だ。比較…
訳者あとがき本書は、Agnès Giard, Les Histoires d'Amour au Japon, Des Mythes fondateurs aux Fables contemporaines, Éditions Glénat, Gr…
「王」の図像の解釈学「絵画史料」の積極的な読解にもとづく著者の日本中世・近世史論の試みは、本書『王の身体 王の肖像』(平凡社、一九九三。の…
『風流の図像誌』(三省堂、一九八七)は、「山」をめぐる日本人の想像力の論理を明らかにしようとした、まことに独創的な書物である。「山」といえ…
四世鶴屋南北といえば、「東海道四谷怪談」。それが通り相場だが、近頃では「桜姫東文章」のほうを思い浮かべる人も少なくないだろう。玉三郎と孝夫…
あとがきはじめてのエッセー集『バロックの本箱』を出したのが一九九一年。それから十年近い時間が経過して、同じ書肆からその第二弾ともいうべき書…
澁澤龍彦 マニエリスムとエートス「洋学」系の鬼才ともいうべき澁澤龍彥が、日本の芸術をめぐってこんなにもたくさんの文章を書きのこしていた!『…
二〇〇九年五月に急逝した宮下誠氏の遺著である。二〇〇〇年四月に別府大学助教授から本学文学部哲学科助教授として美学・芸術学コースを私とともに…
『悪魔の中世』は、澁澤龍彥の著作群のなかでも、まことに特異な一冊である。著者自身による「アポロギア(弁明)」ともいうべき「はしがき」に明ら…
若桑みどり著『聖母像の到来』を読む「あなた、私の味方? 敵?」。かつて若桑みどり氏は私にそう訊いたことがある。東京藝大で非常勤講師をしてい…
ジュゼッペ・カスティリオーネといえば、清代中期に郎世寧(ろうせいねい)の名で活躍したイタリア人のイエズス会土である。一六八八年にミラーノに生…