1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『哲学の世界 時間・運命・人生のパラドクス』(講談社)橋爪 大三郎
≪一見妥当に思える推論≫で≪驚くべき結論を導く≫パラドクス。ギリシャの昔から哲学の常道だ。運動は可能なのか?/時間は流れているのか?/運命は決…
書評 - 『遠野物語』(KADOKAWA)橋爪 大三郎
柳田国男は岩手県遠野を旅し、多くの民話を蒐集した。それを明治四三(一九一○)年『遠野物語』として出版。柳田民俗学の幕開けだ。山里の人びとは、…
書評 - 『脱露 シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』(KADOKAWA)橋爪 大三郎
兵士だけではない、あまりの過酷厳寒のシベリアは冬、零下四○度が当たり前、六○度の場所もある。敗戦後、そんなシベリアに送られ、収容所(ラーゲリ…
書評 - 『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』(講談社)橋爪 大三郎
「編集工学」のパイオニア松岡正剛氏が日本文化に斬り込む。≪日本文化はハイコンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があ…
書評 - 『名文で学ぶ英語の読み方』(SBクリエイティブ)橋爪 大三郎
≪英語の意味を正しく理解する≫英文読解より、英文≪鑑賞≫のほうが大事。≪「上手いこと言うなあ」と、思わずニヤッと≫できたら、楽しくて身につく。と…
書評 - 『戦時から目覚めよ: 未来なき今、何をなすべきか』(NHK出版)橋爪 大三郎
リベラルなリアリズムの思想家の希求ジジェクは現代哲学を牽引する思想家。一九四九年生まれ、スロヴェニア出身で社会主義の暗部も熟知している。ポ…
書評 - 『非常識なやさしさをまとう―人とともにデザインし、障がいを超える―』(ライフサイエンス出版)橋爪 大三郎
≪お前は人一倍パワーがあり過ぎる。…人生で何を成し遂げたい≫。コーチングの授業でこう問われ雲が晴れた。≪傲慢で、…負けず嫌い≫な著者は、小中高で…
書評 - 『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(河出書房新社)橋爪 大三郎
アメリカはなぜいつもイスラエルの肩を持つのか。「聖書同盟」のゆえだと著者は言う。ユダヤ国家へのキリスト教徒の片想いのことだ。アメリカのキリ…
書評 - 『頼山陽──詩魂と史眼』(岩波書店)橋爪 大三郎
生涯在野の儒学者、その姿を描きだす頼山陽『日本外史』は幕末維新のベストセラー。武家政権の興亡を儒学の観点で描く歴史書だ。格調高い漢文で、地…
書評 - 『決定版カフカ短編集』(新潮社)橋爪 大三郎
『決定版カフカ全集』全12巻から選りすぐった短編15作を集めた。最初は「判決」。一九一二年にひと晩で書いた第一作だ。次は「火夫」。未完に終わっ…
書評 - 『差別する宗教: インクルージョンの視座からの告発』(現代書館)橋爪 大三郎
インクルージョンは排除の反対。障害があっても誰でも仲間だ。著者はそれを実践。ホームレスら≪いと小さき者≫たちと生きた牧師だ。著者はキリスト教…
書評 - 『芥正彦責任編集 地下演劇 第7号: 希望の原理』(スローガン)橋爪 大三郎
『地下演劇』の刊行は50年ぶり。寺山修司氏が創刊し芥正彦氏がバトンタッチした後、6号で停まっていた。でもこの異形の装丁は何だ! 九二七頁で四五○…
書評 - 『現代コリア、乱気流下の変容: 2008-2023』(作品社)橋爪 大三郎
トルクノフらロシアの学者が、朝鮮半島の最新の情勢を展望した。南北の政権の内情を鋭く分析、ワシントン、北京、モスクワ…と複雑に絡み合う力学を解…
書評 - 『台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ』(PHP研究所)橋爪 大三郎
≪習近平は…こう警告した。「米国は…中国の平和的な統一を支持すべきだ」≫。二三年十一月の米中首脳会談でのこと。不意を突かれたアメリカ側は反応で…
書評 - 『はじめての橋本治論』(河出書房新社)橋爪 大三郎
空前絶後のスケールがスケッチされた「橋本治愛」がどのページからも溢れている。批評だが批評を超えている。こんな本を書いてもらえば誰だって涙が…
書評 - 『往生要集入門 悲しき者の救い』(講談社)橋爪 大三郎
源信の『往生要集』は日本人の地獄と極楽のイメージを形づくった書物。それを、仏教学者の石田瑞麿氏が細かく丁寧に解説していく。仏教は因果応報だ…
書評 - 『神論: 現代一神教神学序説』(作品社)橋爪 大三郎
イスラム神学と現代文明ニヒリズム対比中田考氏は篤信のムスリムでイスラム研究者。そして本書は神学書。神学の本を書く日本人は貴重だ。神学は、神…
書評 - 『中国農村の現在-「14億分の10億」のリアル』(中央公論新社)橋爪 大三郎
上海や北京は中国のごく一部。人口の半数近くはいまも農村に住む。その見えにくい実態を描き出す。中国は≪国家新型城鎮化規劃≫を進め、都市化率を60…
書評 - 『大江健三郎論 怪物作家の「本当ノ事」』(光文社)橋爪 大三郎
著者は三島由紀夫の研究家。大江健三郎を避けてきた。最近読み始めその怪物性に驚く。≪本書で私が提示した大江像は、民主主義者、平和主義者として一…
書評 - 『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社)橋爪 大三郎
著者は九○年代のフリーター。体力気力を消耗し電気ガスもよく止められた。バイトをクビになるたび自分を責めた。でも≪「自殺するくらいならなんでも…
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