1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『アフリカ的段階について―史観の拡張』(春秋社)橋爪 大三郎
「アフリカ的段階」とは、「アジア的」へのアンチテーゼである。マルクスが「原始共産制」とのべたものを、なぜ「アフリカ的」と言い換えなければな…
書評 - 『大きな字で書くこと』(岩波書店)橋爪 大三郎
寂寥感帯びた晩年の原点回帰二○一九年五月に急逝した批評家加藤典洋氏のエッセイ集。一七年一月から亡くなるまで雑誌に連載されていた。折々に印象…
書評 - 『増補改訂 日本の無思想』(平凡社)橋爪 大三郎
戦後日本の思想状況を加藤氏は、「裸の王様」にたとえる。裸なのはみえているのに、誰も言葉にしないので、自分だけが間違っていると思いこむ。嘘を…
書評 - 『原子力時代における哲学』(晶文社)橋爪 大三郎
ハイデガーの論考を読み解く福島第一原発のメルトダウン。それ見たことか、と脱原発の声が高まった。だが、著者は危惧する。かつては誰もが原子力平…
書評 - 『聖書 聖書協会共同訳 旧約聖書続編付き 引照・注付き』(日本聖書協会)橋爪 大三郎
日本語の文体創造への途上31年ぶりに聖書が訳し直された。これまでの「新共同訳」が今回の「聖書協会共同訳」に、これから何年もかけて置き換えられ…
書評 - 『黄金夜界』(中央公論新社)橋爪 大三郎
下流社会と富裕層の鮮烈な対比本年一月に急逝した作家・橋本治氏の遺作と言える小説。尾崎紅葉『金色夜叉』にプロットを借りる。一昨年から昨年にか…
書評 - 『三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録』(文藝春秋)橋爪 大三郎
亡命外交官が語る舞台裏著者は二○一六年七月、イギリスの北朝鮮大使館を脱出して韓国に亡命した元駐英公使。歴代最高位の亡命外交官だ。金正日、金…
書評 - 『イタリアン・セオリーの現在: 批判的試論』(平凡社)橋爪 大三郎
時代の先端を走る思想ネグリ、アガンベン、エスポジト、……。イタリアの現代哲学が突如アメリカで流行し始め、たちまち世界中で読まれるようになった…
書評 - 『社会学史』(講談社)橋爪 大三郎
社会を思考するスリル存分にデュルケーム、ジンメル、ヴェーバーら定番の大学者から、グロティウス、ホッブズ、ルソーら社会学の前史にあたる人びと…
書評 - 『近代神学の誕生: シュライアマハー『宗教について』を読む』(春秋社)橋爪 大三郎
知の覚醒願う叱咤激励の書大学院で神学を専攻した佐藤優氏とプロテスタント神学が専門の深井智朗氏が、シュライアマハーをめぐり対論した。シュライ…
書評 - 『ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法』(KADOKAWA)橋爪 大三郎
白熱の「ラリー」に希望の手ごたえメディアアーティストで三○代、筑波大准教授、デジタル企業のCEOでもある落合陽一氏と、作家で七○代、小泉政権で…
書評 - 『社会制作の方法: 社会は社会を創る、でもいかにして?』(勁草書房)橋爪 大三郎
構築主義のモチーフを再構成北田暁大(あきひろ)氏は、社会学の理論「構築主義」を正面から論じている。力のこもった一冊だ。構築主義といっても、…
書評 - 『本居宣長』(作品社)橋爪 大三郎
対極にある思想家に関心向ける西欧哲学が専門の熊野純彦氏が、本居宣長(もとおりのりなが)をテーマにする大著を完成させた。二部からなる。前半の…
書評 - 『ヒトラーのモデルはアメリカだった――法システムによる「純血の追求」』(みすず書房)橋爪 大三郎
負の感情がもたらす末路を警告ユダヤ人を迫害し強制収容所に追いやったナチスの悪名高い「ニュルンベルク法」は、アメリカの人種差別法を参考にして…
書評 - 『新約聖書 本文の訳』(作品社)橋爪 大三郎
最新の成果を縦横に駆使した偉業田川建三氏の聖書研究は、正統すぎて日本では異端視されるが、断然優れている。本書は『新約聖書 訳と註』(全七巻…
書評 - 『国体論 菊と星条旗』(集英社)橋爪 大三郎
国体で読み解く日本近現代史国体をカギにすれば、戦前の破滅はもちろん、戦後の日本の閉塞(へいそく)も解明できる。この大胆な仮説で、平成日本の…
書評 - 『村上春樹は、むずかしい』(岩波書店)橋爪 大三郎
正義がはっきりしない世界への転換本格的な批評の書である。村上春樹の長編も短編も博物館の陳列のように、ラベルを貼って並べて解明される。私が作…
書評 - 『可能なる革命』(太田出版)橋爪 大三郎
寓話から考える革命の可能性理論社会学を牽引(けんいん)する大澤真幸氏の新著。テーマは革命だ。映画「桐島、部活やめるってよ」やマンガ「テルマ…
書評 - 『村上春樹の短編を英語で読む1979~2011』(講談社)橋爪 大三郎
地質学のようにみごとな短編小説の編年記精確な手並みで一編の短編小説を、プロットや文体や無意識な細部に分解する。そして中心となるモチーフを取…
書評 - 『憲法の涙 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2』(毎日新聞出版)橋爪 大三郎
九条の削除こそ最善憲法は泣いている。《護憲派によって、…裏切られているから》。そんな馬鹿な、と思うかもしれない。だが本書を読むなら、なるほ…
書評