
1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『観光客の哲学 増補版』(ゲンロン)橋爪 大三郎
いまを思索する、世界的水準の仕事観光客は国境を越える。無責任で無教養で勝手に動き回り、地元民に迷惑がられる。こんな人びとが、これからの時代…
書評 - 『老子探究: 生きつづける思想』(岩波書店)橋爪 大三郎
為政者に向けた無為自然の道古代思想の巨人・老子。孔子と共に、中国の人びとの精神世界を深く規定している。老荘思想と道教の源流、『老子』の説く…
書評 - 『江戸の科学者』(講談社)橋爪 大三郎
しょぼくれた日本に光江戸時代の科学者と聞くと、和算の関孝和、エレキテルの平賀源内、日本地図の伊能忠敬、…が思い浮かぶ。そんなビッグネームを…
書評 - 『アメリカを作った思想 ――五〇〇年の歴史』(筑摩書房)橋爪 大三郎
「唯一の国」創成した≪想い≫の連鎖新大陸を「アメリカ」と表記する地図が出た五○○年前から現在まで、この地で語られたさまざまなアイデアを通覧する…
書評 - 『哲学探究』(講談社)橋爪 大三郎
言語は生きざまそのもの二○世紀哲学の天才ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタイン(L・W)の『哲学探究』の新訳だ。二○○九年改訂の英独対訳「原著第…
書評 - 『日本習合論』(ミシマ社)橋爪 大三郎
異物の排除が進む恐怖内田樹氏の書くものはひと筋縄でない。合気道の達人で、エマニュエル・レヴィナスの研究者。油断すると一本取られてしまう。今…
書評 - 『日本を開国させた男、松平忠固: 近代日本の礎を築いた老中』(作品社)橋爪 大三郎
不平等条約史観に対抗するペリーが来航し翌年に日米和親条約を、また五年後に日米修好通商条約を結んだ。その交渉をまとめたのが、老中の松平忠固(…
書評 - 『中国禅宗史』(筑摩書房)橋爪 大三郎
世界的なポテンシャルを読み解く中国で独自の発達を遂げ、仏教なのかさえ疑問な禅宗。その真の姿を、語録を通して探り出す。禅宗は、初期→唐代の禅→…
書評 - 『折口信夫伝』(筑摩書房)橋爪 大三郎
古代を追い、神道再生を目指す日本民俗学を偉大な学問たらしめた折口信夫。柳田国男の蔭にかくれがちな実像を、晩年の足かけ七年を身近に過ごした岡…
書評 - 『そして、みんなバカになった』(河出書房新社)橋爪 大三郎
万能の才人・橋本治氏の晩年の原稿を集めた。至言の数々を、頁(ページ)を繰るごとに味わうことができる。バカの起源。世の中から職種が減りサラリ…
書評 - 『イスラーム学』(作品社)橋爪 大三郎
本質は“真のグローバリズム”イスラーム学者でムスリムの中田考氏の論文集。新旧二五編の論文が、イスラームの本質を多面的に描き出している。中田氏…
書評 - 『日本会議の研究』(扶桑社)橋爪 大三郎
安倍政権支える草の根の改憲集団安倍政権の陰にちらつく「日本会議」。名前だけでよく知らないな。宗教団体の集まりで神社本庁が主役じゃないの? …
書評 - 『日中関係史 1500年の交流から読むアジアの未来』(日本経済新聞出版社)橋爪 大三郎
普遍的な言葉で歴史を語り直す快著日中両国に精通するエズラ・ヴォーゲル氏が、一五○○年にわたる両国交流史をふり返る。前著『現代中国の父 鄧小平…
書評 - 『丸山眞男の敗北』(講談社)橋爪 大三郎
なぜ日本思想の「古層」に吸引されたのか戦後知識人の代表格、丸山眞男(まさお)の思想と業績を回顧する本格的評論が現れた(ALL REVIEWS事務局注…
書評 - 『アフリカ的段階について―史観の拡張』(春秋社)橋爪 大三郎
「アフリカ的段階」とは、「アジア的」へのアンチテーゼである。マルクスが「原始共産制」とのべたものを、なぜ「アフリカ的」と言い換えなければな…
書評 - 『大きな字で書くこと』(岩波書店)橋爪 大三郎
寂寥感帯びた晩年の原点回帰二○一九年五月に急逝した批評家加藤典洋氏のエッセイ集。一七年一月から亡くなるまで雑誌に連載されていた。折々に印象…
書評 - 『増補改訂 日本の無思想』(平凡社)橋爪 大三郎
戦後日本の思想状況を加藤氏は、「裸の王様」にたとえる。裸なのはみえているのに、誰も言葉にしないので、自分だけが間違っていると思いこむ。嘘を…
書評 - 『原子力時代における哲学』(晶文社)橋爪 大三郎
ハイデガーの論考を読み解く福島第一原発のメルトダウン。それ見たことか、と脱原発の声が高まった。だが、著者は危惧する。かつては誰もが原子力平…
書評 - 『聖書 聖書協会共同訳 旧約聖書続編付き 引照・注付き』(日本聖書協会)橋爪 大三郎
日本語の文体創造への途上31年ぶりに聖書が訳し直された。これまでの「新共同訳」が今回の「聖書協会共同訳」に、これから何年もかけて置き換えられ…
書評 - 『黄金夜界』(中央公論新社)橋爪 大三郎
下流社会と富裕層の鮮烈な対比本年一月に急逝した作家・橋本治氏の遺作と言える小説。尾崎紅葉『金色夜叉』にプロットを借りる。一昨年から昨年にか…
書評