1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『今こそ、韓国に謝ろう』(飛鳥新社)橋爪 大三郎
双方に届く深さを備えるにはあの百田尚樹氏が『今こそ、韓国に謝ろう』を出版した(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2017年7月)。謝る、本気…
書評 - 『モノに心はあるのか: 動物行動学から考える「世界の仕組み」』(新潮社)橋爪 大三郎
ダンゴムシにも石にも「心はある」奇妙な書名だが、なかみは本格的である。文体が柔らかい。凝り固まった自分の生き方が、解きほぐされるような爽快…
書評 - 『タテ社会の人間関係』(講談社)橋爪 大三郎
アイデアが明快、応用もきく半世紀にわたり本書が読まれ続けている理由はなにか。第一に、学問の裏付けがしっかりしていること。著者はイギリスに留…
書評 - 『可能性としての戦後以後』(岩波書店)橋爪 大三郎
加藤典洋氏の『敗戦後論』(一九九七)は大きな論争を巻き起こした。本書は、そこに収めるはずだった「『痩我慢の説』考」を含め、七本を集めた姉妹…
書評 - 『世界はなぜ過激化(ラディカリザシオン)するのか?』(藤原書店)橋爪 大三郎
絶望のなかで生きる困難イスラム過激派のテロが繰り返し報じられる。何とかならないのか。《こうした事態に慣れて……忍耐》するしかない、と著者は言…
書評 - 『勉強の哲学 来たるべきバカのために』(文藝春秋)橋爪 大三郎
日常から哲学へ続くなだらかな道勉強のやり方・ハウツー本の体裁をとった、哲学書。とにかく文章がわかりやすい。《勉強とは、わざと「ノリが悪い」…
書評 - 『学生を戦地へ送るには: 田辺元「悪魔の京大講義」を読む』(新潮社)橋爪 大三郎
戦争イデオローグの手の内昭和一四(一九三九)年、田辺元の京大での講義録『歴史的現実』を、佐藤優氏が逐条解説したセミナーの記録。すぐれた戦争…
書評 - 『中国政治経済史論 毛沢東時代 (1949~1976)』(日本僑報社)橋爪 大三郎
データで明らかにする新中国の骨格アメリカを抜く、世界最大の経済に迫る中国。その波乱の現代史を、指導者らの実像を織り込んで構成する大作だ。ぶ…
書評 - 『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』(幻戯書房)橋爪 大三郎
内在する「革命思想」を受け止めよう尊皇攘夷思想がなぜ「もうすぐやってくる」のか。それは歴史の節目の、格闘と後始末が不徹底だったから。維新の…
書評 - 『欲望論』(講談社)橋爪 大三郎
哲学的原理 総転回の試み圧倒的な議論の密度。現代哲学のフロンティアのその先へと踏み出す、創造的な業績だ。二○一七年は竹田青嗣氏の『欲望論』二…
書評 - 『騎士団長殺し』(新潮社)橋爪 大三郎
自身による最良の村上春樹論見かけよりかなり複雑な小説である。主人公(私)と妻(柚(ゆず))が夫婦の危機を乗り越える、が大枠だ。宙(ちゅう)…
書評 - 『社会システムの生成』(弘文堂)橋爪 大三郎
批判の武器としての社会理論追求の試みわが国の理論社会学を牽引(けんいん)する大澤真幸氏が、主著『身体の比較社会学』ほかと並行して書き進めた…
書評 - 『ゲンロン0 観光客の哲学』(株式会社ゲンロン)橋爪 大三郎
絶望を超える可能性「観光客の哲学」と聞けば、わざと外した変化球かと思う。実は、ど真ん中の直球だ。東浩紀氏は一九年前『存在論的、郵便的』でデ…
書評 - 『「自己責任」とは何か』(講談社)橋爪 大三郎
本書は《義憤から生まれた……抗議のパンフレット》だと、著者は言う(「あとがき」)。自己責任をとろうとしない日本人への抗議ではない。自己責任の…
書評 - 『知のハルマゲドン』(幻冬舎)橋爪 大三郎
片や週刊『SPA!』に連載の『ゴーマニズム宣言』で、新新宗教や差別問題、天皇制といった日本のタブーに挑戦、未踏の領域を切りひらいた小林よしのり…
書評 - 『悪の哲学ノート』(岩波書店)橋爪 大三郎
題名から、悪についての徹底した哲学的考察を期待した読者は肩すかしを喰うだろう。本書はあくまでも「ノート」なのだ。著者は、悪と関係のありそう…
書評 - 『恋愛論』(作品社)橋爪 大三郎
恋愛は、それを生きているときはどんな不思議もないひとつの体験だが、その本質を言い当てようとすると際立った謎として現れる(一〇頁)その謎を、…
書評 - 『現代思想の冒険』(筑摩書房)橋爪 大三郎
竹田青嗣さんの『現代思想の冒険』が、毎日新聞社「哲学の冒険シリーズ」から出版されたのは一九八七年春のこと。当時はまだ、ポスト・モダン思想の…
書評 - 『ミシェル・フーコー伝』(新潮社)橋爪 大三郎
フランスの生んだ超一流の哲学者ミシェル・フーコーの、待望久しい伝記の翻訳である。死後七年あまり、神秘のベールに隠されてきた彼の素顔が、この…
書評 - 『機械状無意識―スキゾ分析』(法政大学出版局)橋爪 大三郎
ポスト・モダン哲学の旗手ガタリが、大作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』を批評した問題の書。原著は一九七九年に出版されている。…
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