
1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『はじめての橋本治論』(河出書房新社)橋爪 大三郎
空前絶後のスケールがスケッチされた「橋本治愛」がどのページからも溢れている。批評だが批評を超えている。こんな本を書いてもらえば誰だって涙が…
書評 - 『往生要集入門 悲しき者の救い』(講談社)橋爪 大三郎
源信の『往生要集』は日本人の地獄と極楽のイメージを形づくった書物。それを、仏教学者の石田瑞麿氏が細かく丁寧に解説していく。仏教は因果応報だ…
書評 - 『神論: 現代一神教神学序説』(作品社)橋爪 大三郎
イスラム神学と現代文明ニヒリズム対比中田考氏は篤信のムスリムでイスラム研究者。そして本書は神学書。神学の本を書く日本人は貴重だ。神学は、神…
書評 - 『中国農村の現在-「14億分の10億」のリアル』(中央公論新社)橋爪 大三郎
上海や北京は中国のごく一部。人口の半数近くはいまも農村に住む。その見えにくい実態を描き出す。中国は≪国家新型城鎮化規劃≫を進め、都市化率を60…
書評 - 『大江健三郎論 怪物作家の「本当ノ事」』(光文社)橋爪 大三郎
著者は三島由紀夫の研究家。大江健三郎を避けてきた。最近読み始めその怪物性に驚く。≪本書で私が提示した大江像は、民主主義者、平和主義者として一…
書評 - 『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社)橋爪 大三郎
著者は九○年代のフリーター。体力気力を消耗し電気ガスもよく止められた。バイトをクビになるたび自分を責めた。でも≪「自殺するくらいならなんでも…
書評 - 『村上春樹研究: サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信)橋爪 大三郎
世界文学であり、日本文学であること野心的な書物だ。村上春樹がいかに世界文学なのかを描き切り、しかも日本文学だと位置づける。この離れ業を多彩…
書評 - 『街場の米中論』(東洋経済新報社)橋爪 大三郎
「思考の下部構造」の違い探る≪自由と平等は食い合わせが悪い≫。だからアメリカは、解決不能の葛藤を抱えて両者の間をふらふらする。この国の深層を…
書評 - 『日清・日露戦史の真実 ――『坂の上の雲』と日本人の歴史観』(筑摩書房)橋爪 大三郎
隠蔽と忖度、官僚の悪癖の原点公刊された『日清戦史』と別に未公開の『日清戦史決定草案』があった。その残巻が福島県立図書館に収蔵されていた。両…
書評 - 『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店)橋爪 大三郎
統一教会の危険を三○年前に警告した必読書の改訂新版。新しく書き下ろした序章はいう。海外(特に北朝鮮)への資金の流れに捜査が及ぼうとするのを「…
書評 - 『あっぱれから遖まで ある国字の盛衰』(幻冬舎)橋爪 大三郎
「あはれ」が「あっぱれ」になったのは本当か。テーマはこれだけだが、読めば痛快きわまる一冊だ。探索はまず音韻から。ハ行は昔pだったのが奈良時代…
書評 - 『核兵器について、本音で話そう』(新潮社)橋爪 大三郎
核を使うぞとロシアが脅す。北朝鮮はミサイル連射。大軍拡の中国は東アジアに敵なし。気づけば日本は核に対し脆弱だ。平和は守れるか。その危うさを…
書評 - 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』(晶文社)橋爪 大三郎
『撤退論』に寄稿しませんか。内田樹氏のひと声に15名の論客が馳せ参じた。さながらミニ梁山泊(りょうざんぱく)だ。撤退とは≪国力衰微の現実に適切…
書評 - 『日本商人の源流』(筑摩書房)橋爪 大三郎
日本人はどんなビジネスをしてきたのか。平安~戦国時代の商業の変遷を概観できる歴史学の良書だ。登場するのは、行商/旅商人/都市の座商人/海の…
書評 - 『教養としての神道: 生きのびる神々』(東洋経済新報社)橋爪 大三郎
本書はとてもバランスがよい。目配りも周到だ。神道をまず理解するのに、持って来いの一冊である。著者は宗教学の島薗進氏。国家神道の著書も多い。…
書評 - 『日常生活の精神病理』(岩波書店)橋爪 大三郎
フロイトはよく旅をした。そしてど忘れ/記憶違い/言い違い/読み違い/…をした。それらを掘り下げ心の奥底をのぞき込もうとする。冒頭の事例が印象…
書評 - 『日本思想の道しるべ』(中央公論新社)橋爪 大三郎
身体性をそなえた言葉を武器に生誕一○○年を機に編まれた新論集。一九六○年代の文章を主に九篇を集めた。鶴見俊輔氏は、戦後日本に輝く傑出した知性…
書評 - 『〈世界史〉の哲学 現代篇1 フロイトからファシズムへ』(講談社)橋爪 大三郎
ビーズのように繋ぐ知性の洞察「<世界史>の哲学」シリーズ8冊目『現代篇1』。20世紀に変容する近代の全貌を明かす。本書のテーマはファシズムだ。…
書評 - 『「修養」の日本近代: 自分磨きの150年をたどる』(NHK出版)橋爪 大三郎
明治から続く、精神形成の伝統「修養」とは≪主体的に自己の精神的成長を目指して努力する≫こと。教養が学歴エリート向けなのに対し、修養はもっと日…
書評 - 『橋川文三とその浪曼』(河出書房新社)橋爪 大三郎
共振する文章 近代日本の精神史を通覧近来まれな批評の力作だ。雑誌『すばる』の連載が元だそうで原稿用紙一○○○枚ある。分厚い。格闘の相手は政治学…
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