1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『村上春樹研究: サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信)橋爪 大三郎
世界文学であり、日本文学であること野心的な書物だ。村上春樹がいかに世界文学なのかを描き切り、しかも日本文学だと位置づける。この離れ業を多彩…
書評 - 『街場の米中論』(東洋経済新報社)橋爪 大三郎
「思考の下部構造」の違い探る≪自由と平等は食い合わせが悪い≫。だからアメリカは、解決不能の葛藤を抱えて両者の間をふらふらする。この国の深層を…
書評 - 『日清・日露戦史の真実 ――『坂の上の雲』と日本人の歴史観』(筑摩書房)橋爪 大三郎
隠蔽と忖度、官僚の悪癖の原点公刊された『日清戦史』と別に未公開の『日清戦史決定草案』があった。その残巻が福島県立図書館に収蔵されていた。両…
書評 - 『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店)橋爪 大三郎
統一教会の危険を三○年前に警告した必読書の改訂新版。新しく書き下ろした序章はいう。海外(特に北朝鮮)への資金の流れに捜査が及ぼうとするのを「…
書評 - 『あっぱれから遖まで ある国字の盛衰』(幻冬舎)橋爪 大三郎
「あはれ」が「あっぱれ」になったのは本当か。テーマはこれだけだが、読めば痛快きわまる一冊だ。探索はまず音韻から。ハ行は昔pだったのが奈良時代…
書評 - 『核兵器について、本音で話そう』(新潮社)橋爪 大三郎
核を使うぞとロシアが脅す。北朝鮮はミサイル連射。大軍拡の中国は東アジアに敵なし。気づけば日本は核に対し脆弱だ。平和は守れるか。その危うさを…
書評 - 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』(晶文社)橋爪 大三郎
『撤退論』に寄稿しませんか。内田樹氏のひと声に15名の論客が馳せ参じた。さながらミニ梁山泊(りょうざんぱく)だ。撤退とは≪国力衰微の現実に適切…
書評 - 『日本商人の源流』(筑摩書房)橋爪 大三郎
日本人はどんなビジネスをしてきたのか。平安~戦国時代の商業の変遷を概観できる歴史学の良書だ。登場するのは、行商/旅商人/都市の座商人/海の…
書評 - 『教養としての神道: 生きのびる神々』(東洋経済新報社)橋爪 大三郎
本書はとてもバランスがよい。目配りも周到だ。神道をまず理解するのに、持って来いの一冊である。著者は宗教学の島薗進氏。国家神道の著書も多い。…
書評 - 『日常生活の精神病理』(岩波書店)橋爪 大三郎
フロイトはよく旅をした。そしてど忘れ/記憶違い/言い違い/読み違い/…をした。それらを掘り下げ心の奥底をのぞき込もうとする。冒頭の事例が印象…
書評 - 『日本思想の道しるべ』(中央公論新社)橋爪 大三郎
身体性をそなえた言葉を武器に生誕一○○年を機に編まれた新論集。一九六○年代の文章を主に九篇を集めた。鶴見俊輔氏は、戦後日本に輝く傑出した知性…
書評 - 『〈世界史〉の哲学 現代篇1 フロイトからファシズムへ』(講談社)橋爪 大三郎
ビーズのように繋ぐ知性の洞察「<世界史>の哲学」シリーズ8冊目『現代篇1』。20世紀に変容する近代の全貌を明かす。本書のテーマはファシズムだ。…
書評 - 『「修養」の日本近代: 自分磨きの150年をたどる』(NHK出版)橋爪 大三郎
明治から続く、精神形成の伝統「修養」とは≪主体的に自己の精神的成長を目指して努力する≫こと。教養が学歴エリート向けなのに対し、修養はもっと日…
書評 - 『橋川文三とその浪曼』(河出書房新社)橋爪 大三郎
共振する文章 近代日本の精神史を通覧近来まれな批評の力作だ。雑誌『すばる』の連載が元だそうで原稿用紙一○○○枚ある。分厚い。格闘の相手は政治学…
書評 - 『スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想』(集英社)橋爪 大三郎
スーザン・ソンタグは、半世紀ほど前に一世を風靡したアメリカの知識人。最先端の感性とひと筋縄で行かない思考回路をそなえている。一九三三年ニュ…
書評 - 『信仰の現代中国:心のよりどころを求める人びとの暮らし』(白水社)橋爪 大三郎
倪(ニー)一家は北京郊外で毎年、碧霞元君(へきかげんくん)の廟のボランティアをする。元人権派弁護士の王怡(ワンイー)牧師は、成都でプロテス…
書評 - 『死ぬまでに知っておきたい日本美術』(集英社)橋爪 大三郎
一冊あればこれは便利! 鑑賞のポイントや、著者が選ぶ一○人のアーティスト、「死ぬまでに見ておきたい日本美術一○○選」まで載っていて、至れり尽く…
書評 - 『力と交換様式』(岩波書店)橋爪 大三郎
資本制の彼方に「交換様式D」構想わが国の思想界を牽引する柄谷行人氏の新著『力と交換様式』。二○一○年の『世界史の構造』を発展させた決定版の登…
書評 - 『新・哲学入門』(講談社)橋爪 大三郎
相対主義の退嬰 「欲望論」武器に打ち破る竹田青嗣氏の新著は、古代から現代思想に至る西欧哲学の流れを、一本の軸ですっきりと読み解く。それはゴ…
書評 - 『恋愛の日本史』(宝島社)橋爪 大三郎
日本は性におおらかなのか? 日本史が専門の著者の質問だ。答えはイエス。宮本常一ら民俗学者が各地を巡り埋もれた資料を集めた。著者は昔、資料の「…
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