俵 万智MACHI TAWARA
公式サイト: http://www.gtpweb.net/twr/
歌人。1962年、大阪生まれ。1985年、早稲田大学第一文学部卒業。1987年、歌集『サラダ記念日』を出版、ベストセラーに。翌年、同歌集で現代歌人協会賞受賞。歌集に『とれたての短歌です。』『もうひとつの恋』『かぜのてのひら』『チョコレート革命』『プーさんの鼻』(若山牧水賞)『オレがマリオ』など。古典研究やエ…もっと読む
土地はなぜこんなに高いのか。バブルってつまり何だったのか。日本の都市の景観は、なぜこんなにごちゃごちゃしているのか。先の選挙では「政官財の…
言葉の旅は、一枚の葉書から始まった。「私は大阪生まれ、妻は東京出身です。二人で言い争うとき、私は『アホ』といい、妻は『バカ』と言います。耳…
ある日の午後の話。語り手である檀(まゆみ)のもとへ、娘の桂と孫の杏子が里帰りしている。桂はちょっと外出し、帰ってきたと思うとうぐいす餅を作…
失敗は共感のもと ボタンはめようとする子を見守ればういあういあと動く我が口今月三歳になったばかりの息子。おやつのカステラと牛乳をたいらげた…
ときには、アレンジ息子の二歳健診に行ったときのこと。待合室に『ぐりとぐら』が置いてあった。「わあ、なつかしい!」と手にとったが、そのまま読…
神戸出身の友だちに誘われて、たこやきを食べに行ったことがある。彼は「ほんとうのたこやきが、新宿にもあったんだよ」と大発見をしたように興奮し…
『文学王』というお茶目ですてきなタイトルがついているけれど、内容から言うと、著者は「読書王」だ。誰かが何かを「おいしい!」と食べているのを…
「百人一首」や「伊勢物語」を通して、親しんでいる和歌がある。たとえば、わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人にはつげよ海人の釣り舟君や来しわ…
優れた『目利き』を得た幸せ文学としての俳句とは、どういうものか。それが具体的な作品によって示される。文学として俳句を読むとは、どういうこと…
たとえばテーマは「嫉妬」。歌人道浦母都子と俳人坪内稔典とが、それぞれ句歌を掲げる。そして、それぞれが「嫉妬」にまつわるエッセイを、自由に展…
白いヘルメットに緑の制服、赤いバイクで町を軽快に走る郵便配達員。人々に夢を配っているようなその姿には、誰もが親しみを感じるのではないだろう…
あるボランティア活動の様子が、テレビ番組で報じられていた。一人暮らしの老人のところへ通って、食事を作り、話し相手になる、という内容である。…
島本さん、という魅力的で不可思議な女性が絡んでこなかったら、主人公「僕」の人生は、どこにでもありそうで、まあその中ではかなりよくできたほう…
「俳句入門」の言葉にだまされてはいけない。てっとり早く俳句の作りかたを知りたい、と思っているような人には、この本はおすすめできない。「私自…
文学少女をしていた高校生のころ、文庫本で『たけくらべ』を読んでいた。と、友人の文学少年がのぞきこんで、ちょっといじわるな目をして言う。「樋…
ここ数年、「花」がブームだそうである。確かに、花を贈ったり、飾ったりすることが多くなった。花博も盛況だったし、数ある創刊雑誌が苦戦と言われ…
オムレツを私一人のために焼き「料理天国」見ている夕べこんな短歌を作ったことがある。「料理天国」は、まことに贅沢なグルメ番組。テレビ画面の…
鈴木しづ子という俳人を、初めて知った。夏みかん酸つぱしいまさら純潔などちちははの恋の生れ処や曼珠沙華コスモスなどやさしく吹けば死ねない…
明治から大正にかけて雑誌「日本少年」に発表された有本芳水の詩は、全国の少年の心を熱く揺さぶった。そのなかには、中野重治、池田亀鑑、江戸川乱…
本書を読んでいて、いつかこういう気分で言葉に出会ったことがある、こんなふうに楽しく、こんなふうにドキドキしながら、こんなふうに嚙みしめるよ…