俵 万智MACHI TAWARA
公式サイト: http://www.gtpweb.net/twr/
歌人。1962年、大阪生まれ。1985年、早稲田大学第一文学部卒業。1987年、歌集『サラダ記念日』を出版、ベストセラーに。翌年、同歌集で現代歌人協会賞受賞。歌集に『とれたての短歌です。』『もうひとつの恋』『かぜのてのひら』『チョコレート革命』『プーさんの鼻』(若山牧水賞)『オレがマリオ』など。古典研究やエ…もっと読む
園バスを待ちながら息子がプリスクールに行っていたころは、朝のお別れの時が大変だった。もう一生会えないんじゃないかというぐらいの激しさで、わ…
「花さき山」に花が咲くとき作家の柳田邦男さんにお目にかかったとき、「絵本は、人生で三度読むものですよ。一度目は子ども時代、二度目は親になっ…
「そういえば、あの亀はどうしたやろ」と、ふと思い出された。あれは、私が幼稚園にあがる前のことだった。家の玄関のところに、一匹の大きな亀が、…
我は身を彼(かの)水上の柩(ひつぎ)に托(たく)して、水の衢(ちまた)に入りぬ。樓屋軒をならべて石階の裾は直ちに水面に達し、復(ま)た犬ば…
鬼の名は、おにぎり?図書館をぶらぶらしていたら「あ、だいくとおにろくだ!」と息子が一冊の絵本を見つけた。NHK教育テレビの「おはなしのくに」…
第一歌集『サラダ記念日』の装幀を初めて見た時には、正直言ってびっくりした。「写真が使ってあります」ということは、事前に編集の人から聞いてい…
ゾロリがゾロゾロ最近は、自分で本を読む時間がだんだん増えてきた息子。一人前にページをめくっている姿を見ると、頼もしいわ、寂しいわ、手持ちぶ…
実は全詩集を手にとる前から、この文章の書き出しはこう、と決めていた。「まど・みちお、という名前に出会うより、ずっとずっと前に、私は『ぞうさ…
絵本の大好きな少女時代を送った。同じ物語を、繰り返し繰り返し、飽きることなく読んでいた。ということはつまり、物語の結末が知りたくて読んでい…
ころさない、ころされたくない「ガザ地区北部で続くイスラエル軍の攻撃」という写真が、新聞に載っていた。土砂降りのように降る爆弾を見て「なにこ…
お休み前のショートショート「ねえねえ、おかあさん、いんりょくって、なに?」「グルメって、なに?」「スリルって?」「ぎっくりごしって?」この…
「薬菜飯店」は、この短編集のなかの一編のタイトルであるけれど、次々と現れる作品は、筒井康隆主人が腕をふるう『薬菜飯店』で供される美味珍味の…
ワニくんのいいところ子どもの本の主人公になる動物で、一番多いのはクマではないだろうか。あくまで読者としての勘にすぎないが、「さんびきのくま…
小学生のとき、夢中になって『ファーブル昆虫記』を読んだ。理科よりも国語、算数よりも社会が好きだった私は、はじめこの本のタイトルを見て、敬遠…
『冷めない紅茶』は、小川洋子作品のなかでも、特に好きな一編だ。友人の死というショッキングな事件から話は始まっているけれど、それはほんの入口…
ドラえもんと国旗の旅へ絵本の読み聞かせは、まったく苦にならないが、けっこう疲れるのがマンガだ。息子はドラえもんが大好きで、しょっちゅう「読…
違うっていいね「せかいのひとびと」国際化の時代……なんていうと、堅苦しいけれど、息子をとりまく環境を見ていると、ごく自然にそれが感じられる(…
いもくって ぶ、のおじちゃん私の本棚を眺めていた息子が、「あ、たにかわしゅんたろう!」と嬉しそうに指さした。確かにそこには、集英社文庫の『…
本屋のおじさん大活躍「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ~。いよいよかいてんですよ~」毎日「いよいよ開店」するのは、息子の本屋さんだ。畳の…
短歌と和歌ってどう違うんですか、と聞かれることは多い。が、詩と短歌ってどう違うんですか、と聞かれたことは、まだない。広い意味で考えれば、短…