
1951年、広島県尾道生れ。1981年、小説『さようなら、ギャングたち』でデビュー。1988年、『優雅で感傷的な日本野球』で第一回三島由紀夫賞、2001年、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、2012年、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞。2011年から朝日新聞論壇時評担当、それをもとに、『ぼくらの民主主義な…もっと読む
- 『いちげんさん』(集英社)高橋 源一郎
これが「日本文学」の生きる道最初にタイトルを見た時は、なんだか他人事とは思えなかった。『いちげんさん』(デビット・ゾペティ著、集英社)だ。…
書評 - 『フラゴナールの婚約者』(みすず書房)高橋 源一郎
チェーホフに戻る二葉亭四迷の最後の小説となった『平凡』はなんとも形容に困る作品だ。最初の長編『浮雲』にはなんてったって「言文一致の起源」と…
書評 - 『新潮選書 身体の文学史』(新潮社)高橋 源一郎
「こころ」か「からだ」か、それが問題だ文学愛好者なら養老孟司の『身体の文学史』(新潮社)を是非とも読むべきである。なぜなら、目から鱗が何枚…
書評 - 『心的外傷と回復 〈増補版〉』(みすず書房)高橋 源一郎
PTSDPTSD(心的外傷後ストレス障害 Post-Traumatic Stress Disorder)という言葉を最近よく見かけるようになった。村上春樹さんの近著『アンダーグ…
書評 - 『赤目四十八瀧心中未遂』(文藝春秋)高橋 源一郎
「私」に関するエトセトラ車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』(文藝春秋)を読んですぐ、彼が江藤淳と対談しているのを見つけた。車谷 広告代理店…
書評 - 『地震と社会〈上〉「阪神大震災」記』(みすず書房)高橋 源一郎
大震災「みすず」で連載がはじまった時、これは阪神大震災に関するもっともすぐれた「作品」になるに違いないと思い、そして単行本としてまとめられ…
書評 - 『ゴーストバスターズ 冒険小説』(講談社)高橋 源一郎
『ゴーストバスターズ』脱稿どうもいまちゃんとした文章が書けそうにないので、そこのところはお許し願いたい。つい昨日、九年ぶり(?)の長編小説…
自著解説 - 『賭博黙示録カイジ 1 弱肉強食編』(講談社)高橋 源一郎
福本伸行の『カイジ』はマンガ版『麻雀放浪記』だ!「週刊ヤングジャンプ」を手にとると、当然のことながら最初に見るのは本宮ひろ志の『サラリーマ…
書評 - 『インディヴィジュアル・プロジェクション』(新潮社)高橋 源一郎
気分はもう戦争さっき『ゴーストバスターズ』の見本が届いたばかりだ。この原稿がみなさんの目に触れる頃には本屋の店頭に我が「ゴースト」たちが並…
書評 - 『乗峯栄一の賭け―天才競馬コラムニストの栄光と苦悩〈92~96〉』(白夜書房)高橋 源一郎
競馬エッセイよ、どこへ行くつい先日、タカハシさんは、有馬記念の観戦記を書いていた。そして、なんだかひどく奇妙な気がした。マジメで真剣な文章…
書評 - 『火星転移〈上〉』(早川書房)高橋 源一郎
火星に行きたい!書いたことがあるかもしれないが、ぼくは小さい頃、天文学者になりたかった。小学生の時、いちばん熱心に読んだのが野尻抱影の天文…
書評 - 『供花』(新潮社)高橋 源一郎
貧乏、憎しみ、関西弁町田康の『くっすん大黒』(文藝春秋)を読んだら、なんやエラい関西弁がなつかしうなった。いや、なつかしうなったんは、別に…
書評 - 『豚の死なない日』(白水社)高橋 源一郎
「もののけ姫」あるいは万人の感動宮崎駿(みやざきはやお)の新作「もののけ姫」は当然のことながら予約をいれ、公開早々見にいった(ALL REVIEWS…
書評 - 『警視庁草紙〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈1〉』(筑摩書房)高橋 源一郎
山田風太郎と「明治小説」の楽しみ楽しみにしていた山田風太郎の「明治小説全集」(筑摩書房)の刊行がはじまった。全集のスタートは『警視庁草紙』…
書評 - 『パパといっしょに』(マドラ出版)高橋 源一郎
なにかをいう、ということ横浜までルイーズ・ブルジョアというおばあさんの展覧会を見にいった。現代美術だ。たいへん有名な女性らしいが、わたしは…
書評 - 『羽生 21世紀の将棋』(朝日出版社)高橋 源一郎
スパコンと羽生と将棋と文学実は、わたくし、将棋の羽生七冠王と「対局」したことがある。将棋で?まさか。モノポリーである。羽生七冠王に、糸井重…
書評 - 『調律の帝国』(新潮社)高橋 源一郎
『死の家』で作家になるには見沢知廉の『調律の帝国』(新潮社)のあとがきでちらりと触れられているドストエフスキーの『死の家の記録』を読んだの…
書評 - 『真剣師小池重明』(幻冬舎)高橋 源一郎
江戸と敗北読売巨人軍はどんどん負け続けて、テレビ画面から見える長嶋監督の表情からはすっかり笑みが失せ、ヴェルディ川崎の加藤監督は辞任を匂わ…
書評 - 『コールド・ファイア〈上〉』(文藝春秋)高橋 源一郎
クーンツの「最後に愛は(正義もだけど)勝つ」わたしはいまイギリス、ニューマーケットでこれを書いている(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期…
書評 - 『散歩のとき何か食べたくなって』(新潮社)高橋 源一郎
名代名物富士そば、池波正太郎七月末から、都内某ホテルに「缶詰」になっている。「缶詰」などという柄ではないが、諸般の事情によりこうなってしま…
書評