学習院大学文学部教授。1981年学習院大学フランス文学科卒業。フランス政府給費留学生として、パリ大学に学ぶ。1987年パリ大学文学博士号取得。1988年東京大学大学院フランス文学専攻博士課程単位取得修了。1988年学習院大学フランス文学科専任講師着任。現在学習院大学フランス語圏文化学科教授。主な著書、『反‐近代文学…もっと読む
- 『王になろうとした男』(清流出版)中条 省平
映画より面白い! 波瀾万丈の自伝途方もない自伝である。これがすべて事実なら、ヒューストンの一生は彼の映画より面白いといって過言ではない。話…
書評 - 『目には見えない何か』(河出書房新社)中条 省平
人の心不可解さ、描写に醍醐味始祖のポー以来、推理小説は不可解な犯罪を扱うが、謎はすべて論理的に解明されなければならない。しかし、その約束が…
書評 - 『ヴァレリーの肖像』(筑摩書房)中条 省平
精緻な読みで詩人の精神を再発見ヴァレリーはしばしば「純粋な自己」の探求者だといわれる。だが、この「自己」はいわゆる「近代的自我」ではない。…
書評 - 『美と王妃たち』(河出書房新社)中条 省平
本邦初訳、コクトーのエッセー二篇(へん)を収める。落穂拾いではない。文化史への言及と詩的暗示が多く、難しい文章なのだが、訳者は解説をたっぷ…
書評 - 『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』(星海社)中条 省平
物語よりキャラ 変化の構図、説得的にマンガがつまらなくなったという声をよく聞く。だがそれは違うと本書の著者はいう。手塚治虫の作品を規範とし…
書評 - 『告白』(中央公論新社)中条 省平
これぞパンク!破滅のドラマを笑いで町田康は日本のストリートが生んだ最も強靭(きょうじん)な知性である。伝説的な「ロック・マガジン」の編集者…
書評 - 『小沼丹全集〈第1巻〉』(未知谷)中条 省平
小説の達人の技巧極めた作品群小沼丹の作品の魅力は、登場人物の生を浸す微妙な気配の照りかげりにある。 日常生活の細々としたできごとを端正な日…
書評 - 『球体写真二元論―私の写真哲学』(窓社)中条 省平
死を生に、瞬間を永遠に カメラのシャッターを切れば写真はうつる。そのとき写真は外界の反映、つまり現実の「鏡」になっている。しかし、被写体や…
書評 - 『イメージ・ファクトリー―日本×流行×文化』(青土社)中条 省平
愛憎と理解のこもった犀利な日本批評三島由紀夫が絶賛した映画作家であり、小津や黒澤の研究者でもあるリチー。本書は「幻影の工場」日本への積年の…
書評 - 『澁澤龍彦との日々』(白水社)中条 省平
三島由紀夫や埴谷雄高が予言したように、澁澤龍彦の著作は、日本の知的風土を大きく変えた。 <知>が古い学問から脱して、人間の巨大な快楽的営みの…
書評 - 『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』(角川書店)中条 省平
苦い味わいが示すハードボイルドの今かつてハードボイルド小説は、卑しい街をゆく憂い顔の騎士の流浪の詩だった。それがいまや卑しい街をさまよう卑…
書評 - 『翻訳教室』(朝日新聞出版)中条 省平
学生と考える最良の訳文二〇〇四年から〇五年にかけて、東大文学部で三、四年生を対象にして行われた「翻訳演習」の授業の筆記録である。 課題とな…
書評 - 『百年の誤読』(筑摩書房)中条 省平
大ワザ連発!日本近代読書史を再編成岡野宏文と豊崎由美はいま最強の書評タッグチームである。 私は毎年出る「リテレール別冊 ことし読む本 いち押…
書評 - 『レッドパージ・ハリウッド――赤狩り体制に挑んだブラックリスト映画人列伝』(作品社)中条 省平
追放後も密かに映画を支えた脚本家たちレッドパージ(赤狩り)はマッカーシズムの別称でも知られるが、その頂点をなす映画界での粛清にマッカーシー…
書評 - 『ルバイヤート集成』(国書刊行会)中条 省平
十一世紀ペルシアの天文学者にして哲人、オマル・カイヤーム。彼のルバイヤート(四行詩集)が世界的名声を獲得したのは十九世紀後半のことだ。英国…
書評 - 『生きていりゃこそ』(新潮社)中条 省平
官能的な感動呼ぶ天才役者の芸と追憶本書は、「大遺言書」として週刊誌に今も連載中の文章をまとめたものです。 大なり小なり遺言書というものは、…
書評 - 『何が映画を走らせるのか?』(草思社)中条 省平
快楽に満ちた百年史、絶妙の語り口で『ゴダールの映画史』に倣えば、本書は「山田宏一の映画史」と呼べるだろう。つまり、映画百年史ではあるが、直…
書評 - 『三つの教会と三人のプリミティフ派画家』(国書刊行会)中条 省平
『さかしま』で著名なユイスマンスの遺作となった美術論集。ノートル=ダムほか二つの教会と、グリューネヴァルトほかフランクフルトの謎の画家二人…
書評 - 『昼の学校 夜の学校+』(平凡社)中条 省平
写真の本質、率直な言葉で 森山大道が正面切って写真を語った本である。 写真家志望の若い学生を相手にした質疑応答の記録だから、言葉は分かりやす…
書評 - 『シネマ2*時間イメージ』(法政大学出版局)中条 省平
CINEMA 2 L’IMAGE-TEMPS 映画手法の転換、作り手の苦闘の物語第二次大戦後、イタリアでネオレアリズモという映画運動が起こる。ロッセリーニを先…
書評