学習院大学文学部教授。1981年学習院大学フランス文学科卒業。フランス政府給費留学生として、パリ大学に学ぶ。1987年パリ大学文学博士号取得。1988年東京大学大学院フランス文学専攻博士課程単位取得修了。1988年学習院大学フランス文学科専任講師着任。現在学習院大学フランス語圏文化学科教授。主な著書、『反‐近代文学…もっと読む
- 『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』(角川書店)中条 省平
苦い味わいが示すハードボイルドの今かつてハードボイルド小説は、卑しい街をゆく憂い顔の騎士の流浪の詩だった。それがいまや卑しい街をさまよう卑…
書評 - 『翻訳教室』(朝日新聞出版)中条 省平
学生と考える最良の訳文二〇〇四年から〇五年にかけて、東大文学部で三、四年生を対象にして行われた「翻訳演習」の授業の筆記録である。 課題とな…
書評 - 『百年の誤読』(筑摩書房)中条 省平
大ワザ連発!日本近代読書史を再編成岡野宏文と豊崎由美はいま最強の書評タッグチームである。 私は毎年出る「リテレール別冊 ことし読む本 いち押…
書評 - 『レッドパージ・ハリウッド――赤狩り体制に挑んだブラックリスト映画人列伝』(作品社)中条 省平
追放後も密かに映画を支えた脚本家たちレッドパージ(赤狩り)はマッカーシズムの別称でも知られるが、その頂点をなす映画界での粛清にマッカーシー…
書評 - 『ルバイヤート集成』(国書刊行会)中条 省平
十一世紀ペルシアの天文学者にして哲人、オマル・カイヤーム。彼のルバイヤート(四行詩集)が世界的名声を獲得したのは十九世紀後半のことだ。英国…
書評 - 『生きていりゃこそ』(新潮社)中条 省平
官能的な感動呼ぶ天才役者の芸と追憶本書は、「大遺言書」として週刊誌に今も連載中の文章をまとめたものです。 大なり小なり遺言書というものは、…
書評 - 『何が映画を走らせるのか?』(草思社)中条 省平
快楽に満ちた百年史、絶妙の語り口で『ゴダールの映画史』に倣えば、本書は「山田宏一の映画史」と呼べるだろう。つまり、映画百年史ではあるが、直…
書評 - 『三つの教会と三人のプリミティフ派画家』(国書刊行会)中条 省平
『さかしま』で著名なユイスマンスの遺作となった美術論集。ノートル=ダムほか二つの教会と、グリューネヴァルトほかフランクフルトの謎の画家二人…
書評 - 『昼の学校 夜の学校+』(平凡社)中条 省平
写真の本質、率直な言葉で 森山大道が正面切って写真を語った本である。 写真家志望の若い学生を相手にした質疑応答の記録だから、言葉は分かりやす…
書評 - 『シネマ2*時間イメージ』(法政大学出版局)中条 省平
CINEMA 2 L’IMAGE-TEMPS 映画手法の転換、作り手の苦闘の物語第二次大戦後、イタリアでネオレアリズモという映画運動が起こる。ロッセリーニを先…
書評 - 『怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史』(講談社)中条 省平
ポストモダンを創始した「愚帝」?『居酒屋』や『ナナ』で有名なゾラの「ルーゴン=マッカール叢書」は十九世紀小説の一つの到達点だが、この大作に…
書評 - 『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(講談社)中条 省平
作品を踏査 驚異の演出法を分析作者は『人は見た目が9割』というベストセラーを生みだした著述家で、マンガの原作や戯曲の執筆も手がけている。本書…
書評 - 『東京大学「80年代地下文化論」講義 決定版』(河出書房新社)中条 省平
「消費」幻想 VS.「かっこいい」ピテカン1988年、日本全体の地価の総計は1164兆円で、この金を出せば、日本の25倍の広さをもつアメリカを二つ買え…
書評 - 『中井英夫戦中日記 彼方より 完全版』(河出書房新社)中条 省平
中井英夫の『虚無への供物』はいまや、「新本格」なる推理小説流派のバイブルだが、中井の小説の本質は、全能者の権力を手にした錯覚をもって嬉々(…
書評 - 『徴候・記憶・外傷』(みすず書房)中条 省平
豊かなる生、予感や余韻に耳をすまして高名な精神医学者である著者は、心的外傷後ストレス障害や統合失調症の治療のなかで、患者が虫の知らせを聴く…
書評 - 『フレッド・アステア自伝 Steps in Time』(青土社)中条 省平
偉大なダンサーの品よい告白 アステアは人類の歴史が生んだ最も偉大なダンサーの一人だ。バレエ好きにとってニジンスキーがそうであるように、映画…
書評 - 『移民社会フランスの危機』(岩波書店)中条 省平
暴動が示した「平等」の国の袋小路05年秋、パリ郊外で暴動が頻発した。数千台の車に火が放たれた原因は、主にマグレブ系(北アフリカ出身のアラブ人…
書評 - 『金馬のいななき―噺家生活六十五年』(朝日新聞社)中条 省平
笑いの半生記に深い哀感 著者は現役最長の高座歴をもち、今年で喜寿を迎える(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2006年)。四代目・三遊亭金馬を…
書評 - 『わが名はヴィドック―犯罪者、警察密偵にして世界初の私立探偵の生涯とフランス革命時代』(東洋書林)中条 省平
神話的人物の波瀾万丈の記ヴィドック、世界初の探偵事務所を開いた男である。一八二八年に出した『回想録』が大評判を呼ぶが、これは探偵になる直前…
書評 - 『フランソワ・トリュフォー』(原書房)中条 省平
映画に愛をこめた男の孤独と苦悩トリュフォーは「愛とやさしさ」の映画作家だといわれる。じっさい、彼は、女と子供のほかに主題はないと断言した芸…
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