学習院大学文学部教授。1981年学習院大学フランス文学科卒業。フランス政府給費留学生として、パリ大学に学ぶ。1987年パリ大学文学博士号取得。1988年東京大学大学院フランス文学専攻博士課程単位取得修了。1988年学習院大学フランス文学科専任講師着任。現在学習院大学フランス語圏文化学科教授。主な著書、『反‐近代文学…もっと読む
- 『サウスバウンド』(講談社)中条 省平
描写に冴え、少年のひと時の冒険物語 奥田英朗の才能は予断を許さない。 直木賞を取った『空中ブランコ』など、賞のお墨つきで読んだ人は仰天したこ…
書評 - 『出生の秘密』(講談社)中条 省平
分析と統合の力業で日本近代文学を解読 出生の秘密。一見使い古された言葉である。だが、三浦雅士がこの言葉にあたえた射程は恐ろしく遠大だ。これ…
書評 - 『裏ミシュラン―ヴェールを剥がれた美食の権威』(バジリコ)中条 省平
店の格付けのやり方は? 秘密を暴露二〇〇三年、フランス美食界を震撼(しんかん)させる事件が起こった。超一流レストランを経営するスター料理人…
書評 - 『マンガ学への挑戦―進化する批評地図 NTT出版ライブラリーレゾナント003』(NTT出版)中条 省平
新たな視角含む強力無比の案内図夏目房之介はマンガにおけるロラン・バルトである。例えば彼は山岸凉子作『日出処の天子』の主人公の顔を論じている…
書評 - 『シネマの快楽に酔いしれて』(清流出版)中条 省平
著者は、映画ファンに名高い新宿のジャズ喫茶「スマイル」の名物店主。 料理好きの主婦業と、深夜におよぶ営業をこなしながら、ハリウッド映画から、…
書評 - 『萌えの研究』(講談社)中条 省平
「萌え」関連の市場規模が八八八億円という報道は波紋を広げたようだ。そんなに儲かるんなら、企業として、日本国として、萌えを支援しようという動…
書評 - 『Op.ローズダスト 上』(文藝春秋)中条 省平
テロめぐる攻防、苦い味わいの物語福井晴敏の三年半ぶりの新作。上下巻で一一〇〇ページを軽くこえる超大作だ。 そのスケールの大きさにおいて、ま…
書評 - 『日本美術の歴史 補訂版』(東京大学出版会)中条 省平
「かざり」こそ根幹、大胆かつ簡明に描く通史 いまから三十五年前、辻惟雄の『奇想の系譜』を読んだときの驚きを忘れられない。私はまだ高校生だっ…
書評 - 『「戦間期」の思想家たち レヴィ=ストロース・ブルトン・バタイユ』(平凡社)中条 省平
第一次大戦後の仏知識人の動向を検証著者は、この三部作の第一巻にあたる『戦争の世紀』で、第一次世界大戦という未曽有の現象を分析した。本書は、…
書評 - 『コーネル・ウールリッチの生涯』(早川書房)中条 省平
謎多き作家の作品分析 隅から隅まで江戸川乱歩の随筆を好む人ならば、乱歩がどれほどウールリッチ=アイリッシュの『幻の女』に惚(ほ)れこんでい…
書評 - 『王になろうとした男』(清流出版)中条 省平
映画より面白い! 波瀾万丈の自伝途方もない自伝である。これがすべて事実なら、ヒューストンの一生は彼の映画より面白いといって過言ではない。話…
書評 - 『目には見えない何か』(河出書房新社)中条 省平
人の心不可解さ、描写に醍醐味始祖のポー以来、推理小説は不可解な犯罪を扱うが、謎はすべて論理的に解明されなければならない。しかし、その約束が…
書評 - 『ヴァレリーの肖像』(筑摩書房)中条 省平
精緻な読みで詩人の精神を再発見ヴァレリーはしばしば「純粋な自己」の探求者だといわれる。だが、この「自己」はいわゆる「近代的自我」ではない。…
書評 - 『美と王妃たち』(河出書房新社)中条 省平
本邦初訳、コクトーのエッセー二篇(へん)を収める。落穂拾いではない。文化史への言及と詩的暗示が多く、難しい文章なのだが、訳者は解説をたっぷ…
書評 - 『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』(星海社)中条 省平
物語よりキャラ 変化の構図、説得的にマンガがつまらなくなったという声をよく聞く。だがそれは違うと本書の著者はいう。手塚治虫の作品を規範とし…
書評 - 『告白』(中央公論新社)中条 省平
これぞパンク!破滅のドラマを笑いで町田康は日本のストリートが生んだ最も強靭(きょうじん)な知性である。伝説的な「ロック・マガジン」の編集者…
書評 - 『小沼丹全集〈第1巻〉』(未知谷)中条 省平
小説の達人の技巧極めた作品群小沼丹の作品の魅力は、登場人物の生を浸す微妙な気配の照りかげりにある。 日常生活の細々としたできごとを端正な日…
書評 - 『球体写真二元論―私の写真哲学』(窓社)中条 省平
死を生に、瞬間を永遠に カメラのシャッターを切れば写真はうつる。そのとき写真は外界の反映、つまり現実の「鏡」になっている。しかし、被写体や…
書評 - 『イメージ・ファクトリー―日本×流行×文化』(青土社)中条 省平
愛憎と理解のこもった犀利な日本批評三島由紀夫が絶賛した映画作家であり、小津や黒澤の研究者でもあるリチー。本書は「幻影の工場」日本への積年の…
書評 - 『澁澤龍彦との日々』(白水社)中条 省平
三島由紀夫や埴谷雄高が予言したように、澁澤龍彦の著作は、日本の知的風土を大きく変えた。 <知>が古い学問から脱して、人間の巨大な快楽的営みの…
書評