学習院大学文学部教授。1981年学習院大学フランス文学科卒業。フランス政府給費留学生として、パリ大学に学ぶ。1987年パリ大学文学博士号取得。1988年東京大学大学院フランス文学専攻博士課程単位取得修了。1988年学習院大学フランス文学科専任講師着任。現在学習院大学フランス語圏文化学科教授。主な著書、『反‐近代文学…もっと読む
- 『「仁義なき戦い」をつくった男たち: 深作欣二と笠原和夫』(NHK出版)中条 省平
「仁義なき戦い」は今や日本映画の名作と評価されるが、封切り時は「女番長(スケバン)」との二本立て、ただの娯楽映画だった。本書は「仁義~」を…
書評 - 『甦る昭和脇役名画館』(講談社)中条 省平
著者は大学から大学院へ進む前後十年間に三〇〇〇本以上の映画を見た。その多くは東映ヤクザ映画や日活ロマンポルノである。つまり、日本のプログラ…
書評 - 『孤立、無援』(ぴあ)中条 省平
勇気をあたえられる書物だ。生きて、仕事を続ける勇気。映画に興味のある若い人にぜひ読んでほしい。助監督時代、子供たちが寒い海に入る映画を撮っ…
書評 - 『ウーファ物語―ある映画コンツェルンの歴史』(鳥影社)中条 省平
戦争が生んだ独映画会社の栄光と没落ウーファはドイツ映画史上最大の映画会社である。二〇世紀初頭、フランスのパテやゴーモン社に続いて、しかしハ…
書評 - 『回想 回転扉の三島由紀夫』(文藝春秋)中条 省平
この文章を五年前「文学界」で読んだときにも驚愕したが、今回改めて驚きを噛みしめている。まことに瞠目すべき記録であり、三島について、今後これ…
書評 - 『外人部隊』(国書刊行会)中条 省平
現代に通用、絶望感流れる戦争小説外人部隊といえば、『モロッコ』と『ボー・ジェスト』のゲーリー・クーパーか、『地の果てを行く』のジャン・ギャ…
書評 - 『白土三平論』(筑摩書房)中条 省平
「カムイ伝」の作者の変貌描く究極の研究子供のころに読んで忘れられないマンガがあった。天皇家に牛乳からつくる「酥(そ)」という長寿の薬が伝え…
書評 - 『遊撃の美学: 映画監督中島貞夫』(ワイズ出版)中条 省平
アナーキーな精神に満ちた巨匠の全容私にとってこの夏最高の映画体験は、東京・新文芸坐の「中島貞夫特集」だった。暑いなか連日つめかける観客の熱…
書評 - 『サルトルの世紀』(藤原書店)中条 省平
今年はサルトル生誕百年にあたる(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2005年)。パリの巨大な国立図書館では「サルトル展」が開かれている。大規模…
書評 - 『幻世の祈り―家族狩り〈第1部〉』(新潮社)中条 省平
衝撃的な題材を手堅いリアリズムで天童荒太の新作は、一九九五年発表の『家族狩り』の完全な改稿版である。その結果、一冊の単行本が、五分冊の文庫…
書評 - 『国際シンポジウム 小津安二郎 生誕100年「OZU 2003 」の記録』(朝日新聞社)中条 省平
「謎と未知」の監督を語り合った全記録昨年、小津安二郎の生誕百年を記念して大規模なシンポジウムが開かれた。世界から集まった豪華なゲストたちは…
書評 - 『ことばたち』(ぴあ)中条 省平
まさに事件! 仏の代表的詩集を完訳これはまさに<事件>だ。ジャック・プレヴェールは、マルセル・カルネ監督と組んで、名画『天井桟敷の人々』や…
書評 - 『興行師たちの映画史 ―エクスプロイテーション・フィルム全史―新装版』(青土社)中条 省平
魔術、奇形、裸…面白さ広げた見世物精神副題にいう「エクスプロイテーション」とは「搾取」のこと。だが、この場合、観客から金を搾り取ることを意…
書評 - 『ローリング・ストーンズ ある伝記』(現代思潮新社)中条 省平
暴力、性…悪と響きあうバンドの物語「俺がギターを取り上げ、〈Jumpin’ Jack Flash〉のリフをかき鳴らしたとたん、何かがここで起こるんだ、腹の真…
書評 - 『灰色の魂』(みすず書房)中条 省平
第一次世界大戦下のフランスの田舎町。純真無垢な十歳の少女の死体が発見される。脱走兵が逮捕され、激しい拷問で自白に追いこまれる。だが「私」は…
書評 - 『世界ミステリ作家事典―ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇』(国書刊行会)中条 省平
私は六〇年代に海外ミステリにめざめたが、当時、書誌を備えた論考は江戸川乱歩の『海外探偵小説 作家と作品』しかなく、その後もこれを超える参考書…
書評 - 『王道楽土の戦争 戦前・戦中篇』(NHK出版)中条 省平
手際鮮やか 大スケールの歴史劇場表題の王道楽土とは、狭義には戦前の日本による満州建国を意味する。本書の論述の基本は、戦後日本の高度経済成長…
書評 - 『金』(藤原書店)中条 省平
欲望と破滅と 19世紀の仁義なき戦いゾラは小説の黄金時代の最後の巨人だ。彼のあとには、プルーストとジョイスとカフカがやって来て、小説は人間の…
書評 - 『半島を出よ〈上〉』(幻冬舎)中条 省平
福岡を独立させよ、暴力・テロの近未来リアル北朝鮮特殊戦部隊の精鋭が福岡ドームを占領し、三万人の野球観戦客を人質にして、福岡を日本国から独立…
書評 - 『蜂起』(幻冬舎)中条 省平
作者はオーストラリア在住の国際的博奕(ばくち)打ちとして知られる。日本の「そと」でおのれの腕一本を頼りに生きるだけに、世間の思惑と「うち」…
書評