1937(昭和12)年、神奈川県鎌倉市生まれ。1962年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年東京大学医学部教授を退官し、2017年11月現在東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』『形を読む』『唯脳論』『バカの壁』『養老孟司の大言論I〜III』など多数。もっと読む
- 『日本写真論 近代と格闘した三巨人』(講談社)養老 孟司
異質な知覚、写らなかったものの影西欧近代文明の典型的な産物である写真が、日本の社会にどのように受け入れられたか。三人の写真家、木村伊兵衛、…
書評 - 『計算する生命』(新潮社)養老 孟司
純粋に考える→人間の可能性広がる数学とくに計算と聞くと、この本を手に取る気もしなくなる人がいるかもしれない。計算はいわば無機的で、徹底した…
書評 - 『心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学』(講談社)養老 孟司
「表面しかない心」情報化社会の常識?本書を読んで、ルネサンス期の人たちが物理学の世界像を知った時に感じたかもしれない思いを、あらためて想像…
書評 - 『苦しくて切ないすべての人たちへ』(新潮社)養老 孟司
著者自身の体験で語る半自伝今とりあえず私自身は苦しくも切なくもないが、生きているかぎり、どうせそういう時期が来るに決まっている。だから本書…
書評 - 『ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に騙されるのか』(集英社)養老 孟司
額面通りにも極端にも加担しない現代ではいたるところに統計数字があふれている。病院に行くと血液検査の結果が多くは数字で示される。私の血管の中…
書評 - 『頭のうえを何かが Ones Passed Over Head』(ナナロク社)養老 孟司
「生まれ直し」の壮絶闘病記アーティスト、批評家の岡﨑乾二郎は、2021年10月30日、「ストローク」(脳梗塞)に襲われた。本書は岡﨑が脳梗塞の当事…
書評 - 『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』(NHK出版)養老 孟司
生物の絶滅進行 世界中で今何が週1回、虫好きが集まって、なんとなく話をする。そこの話題の半分以上は、虫がいなくなった、という嘆きである。この…
書評 - 『老いをみつめる脳科学』(メディカル・サイエンス・インターナショナル)養老 孟司
脳の老化研究、基礎から解説脳の老化について、現在に至るまでの科学研究を、研究史を含めて基礎から丁寧に解説した一般向けの著作である。高齢化社…
書評 - 『坂上昭一の昆虫比較社会学』(海游舎)養老 孟司
専門学者によるオマージュエッセー集表題から見ると専門書みたいだが、じつは違う。「坂上昭一の」とついているのは、全体が故坂上昭一へのオマージ…
書評 - 『世界遺産 奄美』(南方新社)養老 孟司
自然の価値、守るということ著者は元環境省自然環境局長。技官としての経歴をはじめ、国立公園や鹿児島県での勤務など現場の経験も長い。帯のキャッ…
書評 - 『菌類が世界を救う ; キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力』(河出書房新社)養老 孟司
社会を映す、網の目ネットワーク長年、森に関心を持ってきたが、本書を読んで、森のイメージが変わった。「木を見て、森を見ず」という言葉があるが…
書評 - 『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』(文藝春秋)養老 孟司
心/意識 成立の過程に迫る心や精神は、いつ生まれて、どう考えられてきたのか。こういう存在は、モノとしての実体がないのに、だれでも知っている…
書評 - 『震災復興はどう引き継がれたか 〔関東大震災・昭和三陸津波・東日本大震災〕』(藤原書店)養老 孟司
問われる新しい社会構築への意欲本文だけで五百頁に達しようという分厚い本で、いわゆる読みものではなく写真や図表を多く含む資料集といってもいい…
書評 - 『リアリティ+ 上: バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦』(NHK出版)養老 孟司
デジタル世界が変える「現実」リアリティという言葉は、以前からよく理解できず、どこか気に入らなかった。それがあってこの本を読んだのだが、当然…
書評 - 『陸軍中野学校外伝 蔣介石暗殺命令を受けた男』(角川春樹事務所)養老 孟司
「国家の一手段」生きた父の姿描く自衛隊においていわゆる特殊部隊の創設に関わった伊藤祐靖による、父親伊藤均の伝記だが、通常の他者による客観的…
書評 - 『眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た』(紀伊國屋書店)養老 孟司
「身体を介した言語」社会を反映著者はアイルランド出身の英国の神経科医で、主題は集団的に起こる心因性反応である。著者も注意するように、この場…
書評 - 『招かれた天敵――生物多様性が生んだ夢と罠』(みすず書房)養老 孟司
「単線」で語れぬ害虫駆除丹念に描く本書はいわゆる「害虫」に対する防除の歴史を、社会の流れや思想的背景を含めて、そこに関わった研究者たちの評…
書評 - 『ぼっちな食卓-限界家族と「個」の風景』(中央公論新社)養老 孟司
食卓調べ実証 「個の独立」実験中の日本著者は食の研究ですでにいくつかの著書があり、ご存じの人も多いであろう。「食卓」とあるのは、食材とか栄…
書評 - 『台湾動物記: 知られざる哺乳類の世界』(東京大学出版会)養老 孟司
リス類専門家が見た「若い島」の自然史台湾というと、最近では台湾有事に言及されることが多い。本書はそうした広義の人事とは無関係で、台湾の哺乳…
書評 - 『土を育てる: 自然をよみがえらせる土壌革命』(NHK出版)養老 孟司
農業の歴史一万年を掘り起こす自然は別に理想的にできているわけではない。想像しがたいほどの長い年月を経てひとりでに(自然に)成立したものであ…
書評