本村 凌二RYOJI MOTOMURA
公式サイト: http://motomuraryoji.jp/
東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、2014年4月~2018年3月まで早稲田大学国際教養学部特任教授。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサント…もっと読む
トルコ人の料理といえば、まず頭に浮かぶのは、羊の串焼きシシュ・ケバブである。このシシュはトルコ語で「串」あるいは「小剣」を意味するという。…
旬な知性の出会いどころではない、古今東西の話題にあふれ、とにかく2時間もあれば一気に読める。もはや飢饉も疫病も戦争も消え去りつつあると思える…
「支配」生まれる基盤を描き出す歴史書この秋公開された巨匠リドリー・スコット監督の映画『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』のなかで、主人公ルシ…
1941年、47歳のルドルフ・ヘスはナチスの副総統でありながら、なぜ敵対するイギリスに単独飛行をし、落下傘で着陸したのか。その後、終身刑になり93…
ここで扱う「エゴ・ドキュメント」とは歴史学の史料としての価値を問題とする。形態としては、書簡、日記、旅行記、回想録、自叙伝、聞き語り、検診…
いかなる分野でも最前線に立つ人にしか見えない情景がある。通り一遍の情報ならネット検索で済んでしまいそうだが、本書を紐解けば、誰が書いたか分…
「正義を司る」ことが政治家の本分今どき「不要不急の外出を自粛するように」とは、どこにいても耳にする。これまで当たり前だった「自由」が制限さ…
ヨーロッパ中世史は日本人には分かりづらい。背景には、王侯貴族が乱立し、さまざまな姻戚関係を結び、複雑にからむ王位継承問題がある。百年戦争は…
二千年紀一〇〇〇年間での最大の発明は何かと問えば、グーテンベルクの活版印刷だという声が高い。だが、日本ではすでに奈良時代から、称徳天皇の発…
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毎年の七月最終土曜日の英アスコット競馬場、ジョージ六世とエリザベス王妃を記念する大レースがある。二人は現エリザベス女王の両親であるが、この…
腕っぷしが幅利かせる国際政治ときどき子供の頃を思い出すと、とくに男児の世界では腕っぷしの強い子が一目おかれていた。歳(とし)を経るにつれて…
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国家と学問の関係を問い直すアテネから西南方面にバスで3時間半ほど行くとスパルタに着く。ひなびた町であり、これがあの古代ギリシアの二大強国の…
新聞の書評欄に学術書はなじまない。しかし、知の最先端を歩む研究の残り香だけでも嗅いでおくのも、ときには悪くない。すでに五〇年以上にわたって…
リベラルアーツはしばしば「一般教養」と訳される。とはいえ、20世紀末からバブル崩壊後の経済の逼迫のなかで、実践力や即戦力が求められ、劣勢に追…
ペーパーの語源になるパピルスは、古代エジプトのナイル川流域に生える水草の茎から作られた紙の祖型である。19世紀末、イギリスの探検隊が古代都市…
現代社会に復権させるべき倫理マダガスカルはインド洋の西域、アフリカ大陸の南東の沖合にある大島(日本の一・六倍)である。その中央高地の電気も…
日本史と外国史の違いは、イメージがわくかどうかにある。徳川家康は狸オヤジを思い出させ、青森にはリンゴが浮かぶ。だが、海外になると具象的な姿…
競馬ファンの間で「旅打ち」とよばれる競馬場放浪の旅も、海外競馬となると、奇想天外なことに出会う。アジア、オセアニア、中東、ヨーロッパ、アメ…