武田 砂鉄SATETSU TAKEDA
公式サイト: http://www.t-satetsu.com/
1982 年東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年秋よりフリーライターに。 著書に『紋切型社会』(朝日出版社、2015年、第25回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)、『芸能人寛容論』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)、『日本の気配』などがある。〈プロフィール写真撮影:宇佐巴史〉もっと読む
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性被害を告発した人に対して、「なぜ今ごろになって」「逃げられたのでは」との疑念や仮定をぶつけ、告発を潰そうと試みる人がいる。冷静な指摘だと…
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2021年4月、新型コロナウイルスの第4波で感染者が急増したタイミングで、大阪市の松井一郎市長(当時)が「小中学校は自宅オンライン学習を基本とす…
思えば、敵のことをちっとも知らなかった。知らないくせに憎悪だけをぶつけてはならぬと、鼻にティッシュを突っ込んだまま読み進める。長年、過度の…
たとえば、「毎日新聞は読売新聞よりも発行部数が少ない」という文章は悪口だろうか。事実なので悪口ではない。では、「だから、毎日新聞は読売新聞…
毎日のように本屋へ行く。昨日あそこにあった本が、今日はここに移動している。全ては本屋の意志だ。もちろん、本そのものが意志を持っているが、限…
新聞をめくると、大抵どこかで政治家による失言が報じられている。ずっと失言が繰り返される、それってつまり、失言ではなく本音なのだ。どれだけそ…
本書を書店で見かけ、パッと手に取り、グイグイ読んだら、いくつもハッとして、読み終えてポカーンとしている。 こんな感想を読んで、この本を前向き…
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かすかな言葉に耳を傾け、抗う「聞く耳を持つものの前でしか言葉は紡がれない」とある。沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わり、若年出産をし…
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閉じた空間で語られる開かれた言葉による連帯その当人を知らないのに、イメージだけが積み重なっていく状態って危うい。「ひきこもり」も、そのひと…