武田 砂鉄SATETSU TAKEDA
公式サイト: http://www.t-satetsu.com/
1982 年東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年秋よりフリーライターに。 著書に『紋切型社会』(朝日出版社、2015年、第25回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)、『芸能人寛容論』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)、『日本の気配』などがある。〈プロフィール写真撮影:宇佐巴史〉もっと読む
通りすがりに誰かの家の玄関が開き、家の中がチラッと見えると、さらに奥の部屋を想像してしまう。それぞれの暮らしがある。その暮らしはそう簡単に…
2018年、南北首脳会談が行われ、当時の文在寅(ムンジェイン)大統領と金正恩(キムジョンウン)総書記が一緒に軍事境界線を越える様子が何度も報じ…
二五年前に刊行された本だが、こんな箇所を引用すれば、今こそ読むべき本だと伝わるはず。なので、「なつかしい一冊」ではない。選書ミスだ。この国…
自民党の裏金問題が明らかとなり、その常習性が疑われたが、当事者たちは、知らなかった、みんなやっていたなどと幼稚な言い逃れを続け、党内でまか…
橋本治は自分にとって、何でもかんでも書いた人で、それはこの文庫本のカバー裏の内容紹介に書かれている「多彩な仕事」とは、同じようでいてちょっ…
国という主語からは、そこにいる人々の表情は見えない。でも、暮らしている人々から国を見ると、国の輪郭がしっかり描けるし、頭の中に用意されてい…
あれこれうまくいかない、と思う日がある。そういう日は、自分以外の人が、あれこれうまくいっている人に見える。見えるだけなのだろう、と思いなが…
貧困問題を社会構造ではなく自己責任だと断じる人は、今、貧困状態に陥っているわけではない人が多い。そんな人の目の前に整っている暮らしは、実際…
性被害を告発した人に対して、「なぜ今ごろになって」「逃げられたのでは」との疑念や仮定をぶつけ、告発を潰そうと試みる人がいる。冷静な指摘だと…
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2021年4月、新型コロナウイルスの第4波で感染者が急増したタイミングで、大阪市の松井一郎市長(当時)が「小中学校は自宅オンライン学習を基本とす…
思えば、敵のことをちっとも知らなかった。知らないくせに憎悪だけをぶつけてはならぬと、鼻にティッシュを突っ込んだまま読み進める。長年、過度の…
たとえば、「毎日新聞は読売新聞よりも発行部数が少ない」という文章は悪口だろうか。事実なので悪口ではない。では、「だから、毎日新聞は読売新聞…
毎日のように本屋へ行く。昨日あそこにあった本が、今日はここに移動している。全ては本屋の意志だ。もちろん、本そのものが意志を持っているが、限…
新聞をめくると、大抵どこかで政治家による失言が報じられている。ずっと失言が繰り返される、それってつまり、失言ではなく本音なのだ。どれだけそ…
本書を書店で見かけ、パッと手に取り、グイグイ読んだら、いくつもハッとして、読み終えてポカーンとしている。 こんな感想を読んで、この本を前向き…
関東大震災の発生から9月1日で100年になる。発生直後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」といったデマが撒かれた結果、多くの朝鮮人が虐殺された。朝鮮人…
男性優位社会の中でパイを取り戻すために「何よりフェミニズムは平和主義でもなければ、モラルのための闘争でもない。男たちに奪われてきた女の分の…
すべてを「ネタ化」し、自陣に持ち込む手法朝も昼もワイドショーの司会やコメンテーターに並ぶのは芸能人ばかりだ。よく知らないけど、という前提に…
着て食べて…個人の営みが主役「暮しを軽蔑する人間は、そのことだけで、軽蔑に値するのである」。今こうして、できる限り家にいなければならない生…